2 / 7
2.
しおりを挟む
立夏の住むマンションは、会社から電車で2駅の駅チカマンションだ。
「お邪魔しまーす」
モノトーンな基調の綺麗に片付いた部屋は、彼の雰囲気に合っていた。
「シャワー浴びる?」
「あ、うん」
順番にシャワーを浴びる。立夏が入っている間、部屋でテレビを見ながら待っていると、しばらくして下着姿の立夏が戻って来た。
「ちょ⋯、服を着なさい!」
「え~、やだ。シャワー浴びたばっかりで暑いし」
やだって、何その子どもみたいな返し!
「昂輝も脱いでもいいよ? あ、下着は履いてね」
「脱がないから!」
なんでTシャツ着てんのに今から脱ぐんだよ!
「別にいいじゃん。男同士なんだし」
立夏はなんでもないことのように言って、冷蔵庫からビールを取り出す。まあ、ここは立夏の家なので、俺もこれ以上は何も言えない。
「昂輝も飲む?」
「え? あ、うん⋯」
「はい」
「⋯え?」
俺もビールは好きなので、くれるんなら貰おうかなと思ったら立夏が飲んでる缶を突き出された。新しいのを出してくれるという意味じゃなかった。
「なに、いらないの?」
「⋯やっぱいいや」
「そ?」
立夏は気を悪くした様子もなく、残りのビールに口を付ける。こっちに背を向けているので、均整の取れた綺麗な背中が見えた。よく最上階のジムを利用していると前に話していたから、普段から鍛えているんだろう。
飲み終わると歯磨きをして、今度はちゃんとTシャツを着て戻って来る。
「じゃ、寝よっか。ちょっと狭いけど一緒でいいよね?」
「え? 布団とかは?」
「あるけど、出すの面倒くさい」
「場所教えてくれれば自分で⋯」
「それはまた明日ね。おやすみ」
「ちょ、おいっ」
立夏はさっさと電気を消すと、ベッドに横になった。
マジか⋯。
どうしよう。床で寝る?
一応カーペットが敷かれているが、硬めのものなのでこのまま寝たら身体が痛くなりそうだ。
うー、こんなことなら会社で寝れば良かったか?
俺はそっと立夏の隣に横になってみる。あ、意外と狭くない。
ベッドはセミダブルで、立夏は細身だし、俺もガタイがいい方ではないので、男2人で寝転んでも狭いと言うほどでもなかった。
立夏は横になったらすぐに寝てしまうタイプなのか、静かな寝息が聞こえてくる。豆電はつけて寝るタイプなようで、真っ暗ではないので目が慣れると割とよく見えた。
綺麗な顔だ。睫毛長いし肌も綺麗だし、女子社員からかなり人気があるらしい。それなのに、浮いた話を聞かない。彼女がいるというのも聞いたことがない。一部ではゲイなのではとも言われている。
⋯⋯。
え、まさかそういうつもりで家に誘ったわけじゃないよな⋯?
自分の勝手な想像に青くなりながらも、ないないと慌てて否定した。
「ん⋯」
「っ!?」
タイミングよく寝返りをうつ立夏に、ビクッと大げさなまでに反応してしまう。
はあ。何考えてんだよ俺は。
寝よ。
「お邪魔しまーす」
モノトーンな基調の綺麗に片付いた部屋は、彼の雰囲気に合っていた。
「シャワー浴びる?」
「あ、うん」
順番にシャワーを浴びる。立夏が入っている間、部屋でテレビを見ながら待っていると、しばらくして下着姿の立夏が戻って来た。
「ちょ⋯、服を着なさい!」
「え~、やだ。シャワー浴びたばっかりで暑いし」
やだって、何その子どもみたいな返し!
「昂輝も脱いでもいいよ? あ、下着は履いてね」
「脱がないから!」
なんでTシャツ着てんのに今から脱ぐんだよ!
「別にいいじゃん。男同士なんだし」
立夏はなんでもないことのように言って、冷蔵庫からビールを取り出す。まあ、ここは立夏の家なので、俺もこれ以上は何も言えない。
「昂輝も飲む?」
「え? あ、うん⋯」
「はい」
「⋯え?」
俺もビールは好きなので、くれるんなら貰おうかなと思ったら立夏が飲んでる缶を突き出された。新しいのを出してくれるという意味じゃなかった。
「なに、いらないの?」
「⋯やっぱいいや」
「そ?」
立夏は気を悪くした様子もなく、残りのビールに口を付ける。こっちに背を向けているので、均整の取れた綺麗な背中が見えた。よく最上階のジムを利用していると前に話していたから、普段から鍛えているんだろう。
飲み終わると歯磨きをして、今度はちゃんとTシャツを着て戻って来る。
「じゃ、寝よっか。ちょっと狭いけど一緒でいいよね?」
「え? 布団とかは?」
「あるけど、出すの面倒くさい」
「場所教えてくれれば自分で⋯」
「それはまた明日ね。おやすみ」
「ちょ、おいっ」
立夏はさっさと電気を消すと、ベッドに横になった。
マジか⋯。
どうしよう。床で寝る?
一応カーペットが敷かれているが、硬めのものなのでこのまま寝たら身体が痛くなりそうだ。
うー、こんなことなら会社で寝れば良かったか?
俺はそっと立夏の隣に横になってみる。あ、意外と狭くない。
ベッドはセミダブルで、立夏は細身だし、俺もガタイがいい方ではないので、男2人で寝転んでも狭いと言うほどでもなかった。
立夏は横になったらすぐに寝てしまうタイプなのか、静かな寝息が聞こえてくる。豆電はつけて寝るタイプなようで、真っ暗ではないので目が慣れると割とよく見えた。
綺麗な顔だ。睫毛長いし肌も綺麗だし、女子社員からかなり人気があるらしい。それなのに、浮いた話を聞かない。彼女がいるというのも聞いたことがない。一部ではゲイなのではとも言われている。
⋯⋯。
え、まさかそういうつもりで家に誘ったわけじゃないよな⋯?
自分の勝手な想像に青くなりながらも、ないないと慌てて否定した。
「ん⋯」
「っ!?」
タイミングよく寝返りをうつ立夏に、ビクッと大げさなまでに反応してしまう。
はあ。何考えてんだよ俺は。
寝よ。
105
あなたにおすすめの小説
サラリーマン二人、酔いどれ同伴
風
BL
久しぶりの飲み会!
楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。
「……え、やった?」
「やりましたね」
「あれ、俺は受け?攻め?」
「受けでしたね」
絶望する佐万里!
しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ!
こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。
俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした
たっこ
BL
【加筆修正済】
7話完結の短編です。
中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。
二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。
「優、迎えに来たぞ」
でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。
もう観念しなよ、呆れた顔の彼に諦めの悪い僕は財布の3万円を机の上に置いた
谷地
BL
お昼寝コース(※2時間)8000円。
就寝コースは、8時間/1万5千円・10時間/2万円・12時間/3万円~お選びいただけます。
お好みのキャストを選んで御予約下さい。はじめてに限り2000円値引きキャンペーン実施中!
液晶の中で光るポップなフォントは安っぽくぴかぴかと光っていた。
完結しました *・゚
2025.5.10 少し修正しました。
ランドセルの王子様(仮)
万里
BL
大学生の森下優太(20)は、ある日の夕暮れ、ひったくり犯に襲われ絶体絶命のピンチに陥る。そんな彼を救ったのは、鮮やかなシュートで犯人を撃退した小学生の少年、日向蒼だった。
ランドセルを背負いながらも、大人顔負けの冷徹さと圧倒的なカリスマ性を持つ蒼。その姿に、優太はあろうことか「一目惚れ」をしてしまう。「相手は小学生、これはただの尊敬だ」と自分に言い聞かせる優太だったが、蒼のクールな瞳と救われた手の温もりが頭から離れない。
親友には「自首しろ」と呆れられながらも、理性と本能(ときめき)の狭間で葛藤する。禁断(?)のドキドキが止まらない、20歳男子による「かっこよすぎるヒーロー(小学生)」への片思い(自認はリスペクト)。
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために
ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話
※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる