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6話 夫の告白
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「申し訳ございません、エリーゼ様。店から出てすぐに彼女の跡をつけたのですが、見失ってしまいました」
私が公爵邸に帰り着いて変装を解いてから間もなく、神妙な面持ちのユアンさんが報告にやって来た。
ユアンさんはどうして彼女を見失ったか分からないらしく、狐につままれたような様子だった。
「……そうですか。ユアンさん、本日はお付き合いくださりありがとうございます。どうか、お気になさらないでね」
平静を装う私の返事を聞き、部屋まで付き添ってくれていたメリダさんが口を開いた。
「奥様、こんな時にまで息子に気を遣わなくて構わないのですよ?」
「母の言う通りです。力になれなかった私に気遣いなど――」
「気遣いではありませんし、あなたは申し分ないほど力になってくれました。今日の目的は、噂の真相を確かめること。そして、それは十分に果たされました」
そう、嘘だと確かめるために行ったのに、噂は本当だったという結果として。
「ですが……」
ユアンさんはきっと歯がゆいのだろう。
しかし、もの言いたげな顔で私を見つめてきたものの、そのさきは続けなかった。
「奥様、少し休まれますか?」
「ええ、そうさせてもらいます。……少し一人にしてください」
訊ねたメリダさんは、私の表情を見て心配そうに眉間に皺を寄せた。
だが、私を慮ってくれたのだろう。
彼女は息子のユアンさんと連れ立ち、未練を滲ませた表情ながらも部屋を後にした。
――これから私はどうすべきなのかしら?
今日この目で見た出来事を思い出し、私はまるで心にぽっかりと穴が開いたような感覚に陥っていた。
あんな光景を見たら、普通は怒りが湧くと思っていた。愛する夫が、どこの馬の骨とも知れぬ女と密会をしていたのだから。
だけど、誰かが言っていたみたいに怒りは本当に二次感情らしい。
今の私の心を支配するのは、怒りの感情よりも、悲しみや苦しみ、不安や虚しさだった。
『本能だから仕方ない……。好きなんて言葉じゃ足りないくらい愛してるよ』
ふと、リアスが女性に言っていた言葉を思い出す。
こんな言葉、ただの仕事関係の人間にかけるだろうか?
リアス以外の男性と交際経験が無い私でも、さすがにありえないことくらいは分かる。
ただその言葉の前後の文脈が分からないため、決定的な不倫を裏付ける証拠とは断言しきれない。
まあこれは、リアスに限ってという条件付きではあるのだが。
しかし、公爵である彼はあの女性に砕けた口調を許しているようだった。そのことは、二人の仲がそれなりに深いことを表していた。
「はぁ……」
ひどく重たい息が心の底から込み上げてきた。
例の女性は、リアスに好意的な様子だった。
怖くてあまり顔を見られなかったが、断片的に聞こえたリアスの言葉だけで判断すると、好意こそ測れなくとも、彼が女性に気を許していることだけは確かだった。
もし、彼が本当にあの女性に恋しているというのなら、私は二人の恋路を邪魔する悪妻でしかない。
――いつの日か、リアスから離婚したいと言われるのかしら?
怒りが湧いたら、きっと私の気持ちも変わると思う。
だけど、今の私にはリアスが居ない生活なんて、とても考えられない。
ましてや離婚宣告なんて、とても耐えられそうになかった。
「どうしてこんなことに……」
コンコンッ――
突然部屋のドアをノックする音が聞こえた。
だが、今の私はとても人と対応できる自信が無い。そのため、入室を断ろうと口を開いた。
「ごめんなさい。今は――」
「エリーゼ、僕だけど……」
心臓がドクンと跳ねた。
その声の主は紛れもない私の夫、ラディリアス・ヴィルナーだったからだ。
「リアス……なの?」
「ああ」
彼は肯定するとガチャリと扉を開けた。
夫婦同士ならば、決してマナー違反ではない。少なくとも私たちの間では。
ただ、今日だけはその行動をしないでほしかったと思いながら、私は咄嗟に表情を繕った。そして、何事も無かったように姿勢を正した。
「エリーゼ、大事な話があるんだ。今、時間は大丈夫だろうか?」
時間は大丈夫だが、心は大丈夫では無い。
だが、ここで断ったらリアスが私を不審がって、今日彼らの姿を見た事がバレてしまうだろう。
それだけはダメだ。二人の関係に確信を持つまでは、絶対に隠し通さなければならない。
となると、私の答えは一つしか無かった。
「大丈夫よ! それより大事な話って何かしら?」
いつも通りの私の声に聞こえるよう、わざとトーンを上げて明るい笑顔で返す。
リアスはそんな私を見ても怪しむ様子はない。その代わり、少し暗い雰囲気を纏わせて言葉を続けた。
「場所を談話室に移せないかな? 話の内容も含めて、そこで伝えたいんだ」
なぜ談話室なのだろうか。
それに、大事な話とはどれほどのものなのか……。
そんな疑問は湧くが、いつもの私ならきっとこう答えるだろう。
「分かったわ。さあ、行きましょう」
できるだけリアスを直視しないよう気をつけ、明るく振る舞いながら談話室へと足を進めた。
結婚してから約二年、私にとって人生最大のピンチが訪れる予感がした。
◇◇◇
「エリーゼ」
談話室に移動し向かい合って座るなり、彼が私の名を呼んだ。
「どうしたの、リアス?」
ドクドクと脈打つ乱れた鼓動を隠すため逸らしていた視線を、おずおずと彼の顔に戻した。
“初恋”なんて通り名の見る影もないほど、憂悶の表情を浮かべた彼が視界に映る。
ここまで思い詰めたリアスの表情を見るのは、初めてだ。
そのことに動揺しそうになりながらも、あくまで私は平静の装いを貫く。
すると彼は軽く目を伏せ、やがて形の良い口唇からいつもの彼らしからぬ硬い声を発した。
「……すまない。君にずっと隠していたことがあるんだ」
その言葉に、指先から凍りつくような感覚に襲われる。
――ああ、きっと離婚の話だわ……。
今日この目と耳で知り得た情報、彼が今見せている表情、それらが合わされば、そうと考える十分な理由になった。
しかし、まさか知ったその日にいきなり突きつけられるだなんて。
当然、今の私にそこまでの覚悟はできていなかった。
彼が私ではない女性との未来を見ているだなんて、考えたくもない。信じたくもない。
どうか私の馬鹿な勘違いであってほしい。
私は膝上においた自身の手を、ギュッときつく握った。
「っ……隠していたこと?」
「ああ。実は……」
リアスは言いかけた言葉を飲み込むように、一瞬口を閉ざした。だが、真っ直ぐと正面に座る私の見据え言葉を続けた。
「僕は今、エリーゼに魅了の魔法をかけている。だから、君が僕を好いてくれている気持ちは、ただの錯覚なんだ」
「へっ……?」
思わず、間の抜けた声が口から漏れた。私の聞き間違いなのだろうか。
「今、何と言ったの……?」
私の質問に対し、彼は端的かつ丁寧な言葉を返した。
「君が僕を好いてくれているのは、魅了魔法の効果だ。つまり……本当の君は僕のことを好きじゃない」
離婚したいと言われると思ったのに、突然魅了魔法だなんて言葉が出てきて戸惑うほかない。
だというのに、彼はさらに驚きの発言を続けた。
「今から君にかかった魅了魔法を解除する」
「…………えっ?」
ただでさえ事態をうまく呑み込めていない。
それなのに、魔法を解除するなんて言われても、あまりにも青天の霹靂すぎる。
――今、私は何の話をされているの?
もう取り繕えないと表情を崩した私は、困惑の瞳をリアスに向けた。
すると同時に、傷付き申し訳なさそうな顔をした彼が、言葉を続けた。
「愛する君に好きだと言ってもらえて、結婚までできて本当に幸せで仕方なかった。だけど、これ以上はもう限界だ。君を騙す罪悪感でおかしくなりそうなんだっ……」
くしゃりと美しい相貌を歪める彼を目の前に、私はただただ茫然とすることしかできない。
――私がリアスを愛する気持ちが錯覚ですって?
私が彼を好きではないと?
あまりに共感できないことすぎて、何と告げるべきかと言葉に詰まってしまった。
そんな私の無言を、彼がどう受け取ったのかは分からない。
ただ彼は私の顔をまるで儚げな淡雪でも見るかのような目で見つめ、小さく息を吐いて再び口を開いた。
「今日、魅了魔法を解くために人を呼んでるんだ」
「人?」
魔法を解く人ということだろうか。
私がそんなことを考えている間に、彼は使用人を呼び出すベルを手に取り鳴らした。
すると、その音に合わせ驚きの人物が談話室に入ってきた。
私が公爵邸に帰り着いて変装を解いてから間もなく、神妙な面持ちのユアンさんが報告にやって来た。
ユアンさんはどうして彼女を見失ったか分からないらしく、狐につままれたような様子だった。
「……そうですか。ユアンさん、本日はお付き合いくださりありがとうございます。どうか、お気になさらないでね」
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「奥様、こんな時にまで息子に気を遣わなくて構わないのですよ?」
「母の言う通りです。力になれなかった私に気遣いなど――」
「気遣いではありませんし、あなたは申し分ないほど力になってくれました。今日の目的は、噂の真相を確かめること。そして、それは十分に果たされました」
そう、嘘だと確かめるために行ったのに、噂は本当だったという結果として。
「ですが……」
ユアンさんはきっと歯がゆいのだろう。
しかし、もの言いたげな顔で私を見つめてきたものの、そのさきは続けなかった。
「奥様、少し休まれますか?」
「ええ、そうさせてもらいます。……少し一人にしてください」
訊ねたメリダさんは、私の表情を見て心配そうに眉間に皺を寄せた。
だが、私を慮ってくれたのだろう。
彼女は息子のユアンさんと連れ立ち、未練を滲ませた表情ながらも部屋を後にした。
――これから私はどうすべきなのかしら?
今日この目で見た出来事を思い出し、私はまるで心にぽっかりと穴が開いたような感覚に陥っていた。
あんな光景を見たら、普通は怒りが湧くと思っていた。愛する夫が、どこの馬の骨とも知れぬ女と密会をしていたのだから。
だけど、誰かが言っていたみたいに怒りは本当に二次感情らしい。
今の私の心を支配するのは、怒りの感情よりも、悲しみや苦しみ、不安や虚しさだった。
『本能だから仕方ない……。好きなんて言葉じゃ足りないくらい愛してるよ』
ふと、リアスが女性に言っていた言葉を思い出す。
こんな言葉、ただの仕事関係の人間にかけるだろうか?
リアス以外の男性と交際経験が無い私でも、さすがにありえないことくらいは分かる。
ただその言葉の前後の文脈が分からないため、決定的な不倫を裏付ける証拠とは断言しきれない。
まあこれは、リアスに限ってという条件付きではあるのだが。
しかし、公爵である彼はあの女性に砕けた口調を許しているようだった。そのことは、二人の仲がそれなりに深いことを表していた。
「はぁ……」
ひどく重たい息が心の底から込み上げてきた。
例の女性は、リアスに好意的な様子だった。
怖くてあまり顔を見られなかったが、断片的に聞こえたリアスの言葉だけで判断すると、好意こそ測れなくとも、彼が女性に気を許していることだけは確かだった。
もし、彼が本当にあの女性に恋しているというのなら、私は二人の恋路を邪魔する悪妻でしかない。
――いつの日か、リアスから離婚したいと言われるのかしら?
怒りが湧いたら、きっと私の気持ちも変わると思う。
だけど、今の私にはリアスが居ない生活なんて、とても考えられない。
ましてや離婚宣告なんて、とても耐えられそうになかった。
「どうしてこんなことに……」
コンコンッ――
突然部屋のドアをノックする音が聞こえた。
だが、今の私はとても人と対応できる自信が無い。そのため、入室を断ろうと口を開いた。
「ごめんなさい。今は――」
「エリーゼ、僕だけど……」
心臓がドクンと跳ねた。
その声の主は紛れもない私の夫、ラディリアス・ヴィルナーだったからだ。
「リアス……なの?」
「ああ」
彼は肯定するとガチャリと扉を開けた。
夫婦同士ならば、決してマナー違反ではない。少なくとも私たちの間では。
ただ、今日だけはその行動をしないでほしかったと思いながら、私は咄嗟に表情を繕った。そして、何事も無かったように姿勢を正した。
「エリーゼ、大事な話があるんだ。今、時間は大丈夫だろうか?」
時間は大丈夫だが、心は大丈夫では無い。
だが、ここで断ったらリアスが私を不審がって、今日彼らの姿を見た事がバレてしまうだろう。
それだけはダメだ。二人の関係に確信を持つまでは、絶対に隠し通さなければならない。
となると、私の答えは一つしか無かった。
「大丈夫よ! それより大事な話って何かしら?」
いつも通りの私の声に聞こえるよう、わざとトーンを上げて明るい笑顔で返す。
リアスはそんな私を見ても怪しむ様子はない。その代わり、少し暗い雰囲気を纏わせて言葉を続けた。
「場所を談話室に移せないかな? 話の内容も含めて、そこで伝えたいんだ」
なぜ談話室なのだろうか。
それに、大事な話とはどれほどのものなのか……。
そんな疑問は湧くが、いつもの私ならきっとこう答えるだろう。
「分かったわ。さあ、行きましょう」
できるだけリアスを直視しないよう気をつけ、明るく振る舞いながら談話室へと足を進めた。
結婚してから約二年、私にとって人生最大のピンチが訪れる予感がした。
◇◇◇
「エリーゼ」
談話室に移動し向かい合って座るなり、彼が私の名を呼んだ。
「どうしたの、リアス?」
ドクドクと脈打つ乱れた鼓動を隠すため逸らしていた視線を、おずおずと彼の顔に戻した。
“初恋”なんて通り名の見る影もないほど、憂悶の表情を浮かべた彼が視界に映る。
ここまで思い詰めたリアスの表情を見るのは、初めてだ。
そのことに動揺しそうになりながらも、あくまで私は平静の装いを貫く。
すると彼は軽く目を伏せ、やがて形の良い口唇からいつもの彼らしからぬ硬い声を発した。
「……すまない。君にずっと隠していたことがあるんだ」
その言葉に、指先から凍りつくような感覚に襲われる。
――ああ、きっと離婚の話だわ……。
今日この目と耳で知り得た情報、彼が今見せている表情、それらが合わされば、そうと考える十分な理由になった。
しかし、まさか知ったその日にいきなり突きつけられるだなんて。
当然、今の私にそこまでの覚悟はできていなかった。
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どうか私の馬鹿な勘違いであってほしい。
私は膝上においた自身の手を、ギュッときつく握った。
「っ……隠していたこと?」
「ああ。実は……」
リアスは言いかけた言葉を飲み込むように、一瞬口を閉ざした。だが、真っ直ぐと正面に座る私の見据え言葉を続けた。
「僕は今、エリーゼに魅了の魔法をかけている。だから、君が僕を好いてくれている気持ちは、ただの錯覚なんだ」
「へっ……?」
思わず、間の抜けた声が口から漏れた。私の聞き間違いなのだろうか。
「今、何と言ったの……?」
私の質問に対し、彼は端的かつ丁寧な言葉を返した。
「君が僕を好いてくれているのは、魅了魔法の効果だ。つまり……本当の君は僕のことを好きじゃない」
離婚したいと言われると思ったのに、突然魅了魔法だなんて言葉が出てきて戸惑うほかない。
だというのに、彼はさらに驚きの発言を続けた。
「今から君にかかった魅了魔法を解除する」
「…………えっ?」
ただでさえ事態をうまく呑み込めていない。
それなのに、魔法を解除するなんて言われても、あまりにも青天の霹靂すぎる。
――今、私は何の話をされているの?
もう取り繕えないと表情を崩した私は、困惑の瞳をリアスに向けた。
すると同時に、傷付き申し訳なさそうな顔をした彼が、言葉を続けた。
「愛する君に好きだと言ってもらえて、結婚までできて本当に幸せで仕方なかった。だけど、これ以上はもう限界だ。君を騙す罪悪感でおかしくなりそうなんだっ……」
くしゃりと美しい相貌を歪める彼を目の前に、私はただただ茫然とすることしかできない。
――私がリアスを愛する気持ちが錯覚ですって?
私が彼を好きではないと?
あまりに共感できないことすぎて、何と告げるべきかと言葉に詰まってしまった。
そんな私の無言を、彼がどう受け取ったのかは分からない。
ただ彼は私の顔をまるで儚げな淡雪でも見るかのような目で見つめ、小さく息を吐いて再び口を開いた。
「今日、魅了魔法を解くために人を呼んでるんだ」
「人?」
魔法を解く人ということだろうか。
私がそんなことを考えている間に、彼は使用人を呼び出すベルを手に取り鳴らした。
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