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第14話 好きなひと
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「すまない、待たせてしまったな」
黒髪をゆったりと片側で束ねた男性をテラス席で見つけると、アイザックはあわてて駆けていった。仕事の都合で遅れるかもしれないとはあらかじめ伝えてあったが、それでも申し訳ない気持ちにはなる。季節は冬だ。こんなところで三十分以上も待たされたのだから、さぞかし寒かっただろう。
「いや、構わないよ」
しかし相手は寛大だった。優雅な居住まいのまま読んでいた本から顔を上げ、艶やかな微笑を浮かべる。まるで待ち合わせに来た恋人を前にしているかのように。さすが色男で通っているだけのことはある。
だが、当然ながら恋人関係などではない。
彼はレイモンド——現ベルファスト公爵であり宰相でもあるメイソンの次男で、パブリックスクール時代の同級生だ。今日は一緒に食事に行くため、王宮からほど近いこのカフェで待ち合わせていたのである。
「夕食には少々早いがどうする?」
「わたしはいまからでも構わないが」
「なら店に向かうとしよう」
彼はそう応じて読みかけの本を外套の懐にしまい、席を立つ。
背丈はアイザックには及ばないがそれなりに高いほうで、そのうえ体の軸がしっかりとしていて身のこなしが美しいため、細身ながらもなよなよした印象はない。
「この先のビュアズというところだ。知っているか?」
「行ったことはないな」
鈍色の空の下、これから向かう店について話をしながら、二人は並んで石畳の道を歩き始めた。
そこは上流階級向けのレストランだった。
通されたのは半個室で、他の客から隠されているというあたり安心感がある。密会などではないし、見られて困るというわけでもないのだが、好奇の目を向けられるのはやはり気持ちのいいものではない。何もしていなくても公爵家の嫡男というだけで注目されるのだ。
「気に入ってもらえるといいんだけど」
「いいところだな」
温かみのある照明はやや暗めで、そう親しくない男性二人が食事をするには無駄に雰囲気が良すぎる。おそらく普段は親密な女性を連れてきているのだろうと察せられた。
「ところで、どうしてわたしを誘ったんだ?」
白ワインで乾杯したあと、疑問に思っていたことを率直に投げかけてみる。
きのうレイモンドとばったり会ったときに食事に誘われたのだが、彼とは顔を合わせたついでに軽く言葉を交わす程度の間柄でしかなく、そう親しいわけではない。誘われるのも初めてのことだ。これといって断る理由がなかったので承諾したものの、不思議には思っていた。
「君と親交を深めたくてね」
「いまになって急にか」
「きっかけがなかったんだ」
レイモンドはグラスを持ったまま肩をすくめる。
「君とはそう交流があるわけでもないから気軽に誘えない。こう見えて自分から誘うのは不得手でね。先日、スペンサー邸でゆっくり話をしたことで、ようやく誘ってもいいんじゃないかと思えてきたんだ」
親交を深めたくて、ずっと機会を窺っていたということだろうか。どうしてそこまでして親しくなりたいのかわからない。何となく引っかかるし、誘うのが不得手というのにも納得がいかなかった。
「夜会ではよく初対面の女性を誘っていた気がするが」
「いや、あれは向こうからの誘いに乗っているだけだよ」
「……色男は言うことが違うな」
男女の駆け引きのようなことがあるのかもしれないが、正直、理解できない世界である。その感心とも困惑ともつかないアイザックの反応に、レイモンドは苦笑を浮かべた。
「色男って……君だって夜会でよく言い寄られていただろう」
「それはあくまで公爵家の嫡男だからだ」
レイモンドに近づく女性は彼自身に惹かれているのだろうが、アイザックに近づく女性は公爵夫人の地位を狙っているのだ。むしろ両親のほうが売り込みに熱心だったりする。夜会から足が遠のいたのは、そういうのが煩わしかったからというのも大きい。そんなことを思い出しながらグラスを傾けていると——。
「いいかげん君はもっと自分の魅力を自覚すべきだ」
「……は?」
いきなりわけのわからないことを言われて、思わず素で聞き返す。
レイモンドはまじろぎもせず正面からアイザックを見つめていた。そのままゆっくりと何かもったいつけるように頬杖をついたかと思うと、言葉を紡ぎ始める。
「その完璧なまでに整った美しい顔に、なめらかな色白の肌、神秘的な白銀の髪、細身ながらも適度に鍛えられた長身——誰もが羨むような容姿なのに昔から無頓着だったな」
「いや、君も氷のような顔だとか言っていただろう」
一転しての急な賞賛に戸惑うしかない。
それなりに顔が整っているという自覚はあるが、冷たい、怖いという印象のほうが強いはずだ。母にはよく怖い顔だと言われるし、アリアにも初対面ではずいぶんと怯えられた。魅力などと言われても信じられない。
「まあ、それでこそ君なのかもしれないな」
首を傾げていると、正面のレイモンドがひとり納得したようにそう笑った。
話が一段落したそのタイミングで前菜が運ばれてきた。話題は自然と変わり、ほっとしたようなすっきりしないような気持ちになるが、さすがにもう蒸し返そうというつもりはなく、彼に促されるまま食べ始める。
「そういえば、サイラスとはいまでも仲良くしているのか?」
「仲良くというほどではないが……仕事で顔を合わせることもあるし、ときどき家にも押しかけてくる。わたしというより妻に会いに来ているようだが」
なるほど、と彼はアイザックの左手薬指にチラリと視線を向けた。
「奥方とは上手くやっているのか?」
「問題ない」
食事の手を止めずに素気なく返す。
スペンサー邸でアリアを紹介したときに、彼女の手に口づけたうえ色目を向けたことはまだ忘れていない。それゆえこの話題に食いついてきたことに忌避感を抱いたのだが、彼は気付いてもいないようだ。
「君のことだから普段から真面目に夫の役割をこなそうとしてるんだろうね。彼女への同情もあるのかもしれない。だが、いつまでも形だけの妻に気をつかいながら暮らしていくのは大変じゃないか?」
「…………」
フォークを持つ手が止まった。
彼に言われたことは事実として間違ってはいない。確かに義務として夫の役割をこなそうと気をつかっている部分はあるし、大変だと思うこともあった。だからといって決してそれだけではなく——。
「そのうち離縁というわけにはいかないのか?」
考え込んでいると、どこか気遣わしげにそう尋ねてきた。
「王命だから許されないと聞いている」
「そうか……」
彼なりにアイザックの現状を心配してのことだとは思うが、いささか飛躍しすぎのような気がした。離縁などすこしも望んでいないのに。モヤモヤとしながらも素知らぬ顔でワインを口に運び、矛先を変える。
「君はどうなんだ。そろそろ結婚する気はないのか」
「ないよ」
彼の父であるメイソンからいろいろと話を聞いているので、そうだろうとは思ったが、彼はいっそ清々しいくらいに何の迷いもなく言い切った。
「次男坊だから期待されてないし気楽なものさ」
「お父上は身を固めてほしいと思っているようだが」
「僕は気ままに生きたいんだ」
そう言ってグラスを片手に艶やかな笑みを浮かべる。そして残り少なくなっていたワインを飲み干し、グラスを置くと、視線を落としたままひとりごとのようにつぶやく。
「どうせ好きなひとと結ばれることはないからな」
「好きなひと?」
思わず聞き返してしまったが、彼はただにっこりとするだけで何も答えようとしない。それが拒絶のように感じられて、気にはなったものの踏み込むことはとてもできず、静かに口を引きむすんだ。
本気で好きなひとがいるのか——。
素直に考えればそういうことになるだろう。遊んでばかりの彼に本命がいるとは思いもしなかった。おそらく父親のメイソンも知らないはずだ。噂にもなっていないので秘密にしているのかもしれない。
それは、やはり相手と結婚できない事情があるからだろうか。家柄や身分については、父親がこだわらないと言っているので問題にならない。となると相手が既婚者というあたりが妥当な線といえる。
そこまで考えてふと我にかえった。つい興味本位であれこれと思索してしまったが、あまり褒められたことではない。彼自身が言わないのであれば慎むべきだろう。そうひそかに自分を戒めたそのとき。
まさか、アリアか——?
突如ひらめいてハッと息をのむ。
アイザックが結婚してから急に近づいてきたこと、アリアに色目を使っていたこと、いずれ離縁できるかどうか尋ねてきたことなど、微妙に引っかかっていた事象がひとつにつながった気がした。
ただ、さすがに考えすぎではないかとも思う。アリアと会ったのは一度きりで短い挨拶をかわしただけだし、そもそもまだ十一歳の子供である。一方的に懸想してそこまで想いを募らせるなどあり得るだろうか。
「ワイン、ついでくれないか」
「ああ……」
思わせぶりな笑みを浮かべて差し出された空のグラスに、白ワインを注ぐ。
揺れる水面が照明を受けてキラキラとかがやくのを見ながら、アイザックはいつのまにか無意識に呼吸を止めていたことに気付いて、そっと息をついた。
黒髪をゆったりと片側で束ねた男性をテラス席で見つけると、アイザックはあわてて駆けていった。仕事の都合で遅れるかもしれないとはあらかじめ伝えてあったが、それでも申し訳ない気持ちにはなる。季節は冬だ。こんなところで三十分以上も待たされたのだから、さぞかし寒かっただろう。
「いや、構わないよ」
しかし相手は寛大だった。優雅な居住まいのまま読んでいた本から顔を上げ、艶やかな微笑を浮かべる。まるで待ち合わせに来た恋人を前にしているかのように。さすが色男で通っているだけのことはある。
だが、当然ながら恋人関係などではない。
彼はレイモンド——現ベルファスト公爵であり宰相でもあるメイソンの次男で、パブリックスクール時代の同級生だ。今日は一緒に食事に行くため、王宮からほど近いこのカフェで待ち合わせていたのである。
「夕食には少々早いがどうする?」
「わたしはいまからでも構わないが」
「なら店に向かうとしよう」
彼はそう応じて読みかけの本を外套の懐にしまい、席を立つ。
背丈はアイザックには及ばないがそれなりに高いほうで、そのうえ体の軸がしっかりとしていて身のこなしが美しいため、細身ながらもなよなよした印象はない。
「この先のビュアズというところだ。知っているか?」
「行ったことはないな」
鈍色の空の下、これから向かう店について話をしながら、二人は並んで石畳の道を歩き始めた。
そこは上流階級向けのレストランだった。
通されたのは半個室で、他の客から隠されているというあたり安心感がある。密会などではないし、見られて困るというわけでもないのだが、好奇の目を向けられるのはやはり気持ちのいいものではない。何もしていなくても公爵家の嫡男というだけで注目されるのだ。
「気に入ってもらえるといいんだけど」
「いいところだな」
温かみのある照明はやや暗めで、そう親しくない男性二人が食事をするには無駄に雰囲気が良すぎる。おそらく普段は親密な女性を連れてきているのだろうと察せられた。
「ところで、どうしてわたしを誘ったんだ?」
白ワインで乾杯したあと、疑問に思っていたことを率直に投げかけてみる。
きのうレイモンドとばったり会ったときに食事に誘われたのだが、彼とは顔を合わせたついでに軽く言葉を交わす程度の間柄でしかなく、そう親しいわけではない。誘われるのも初めてのことだ。これといって断る理由がなかったので承諾したものの、不思議には思っていた。
「君と親交を深めたくてね」
「いまになって急にか」
「きっかけがなかったんだ」
レイモンドはグラスを持ったまま肩をすくめる。
「君とはそう交流があるわけでもないから気軽に誘えない。こう見えて自分から誘うのは不得手でね。先日、スペンサー邸でゆっくり話をしたことで、ようやく誘ってもいいんじゃないかと思えてきたんだ」
親交を深めたくて、ずっと機会を窺っていたということだろうか。どうしてそこまでして親しくなりたいのかわからない。何となく引っかかるし、誘うのが不得手というのにも納得がいかなかった。
「夜会ではよく初対面の女性を誘っていた気がするが」
「いや、あれは向こうからの誘いに乗っているだけだよ」
「……色男は言うことが違うな」
男女の駆け引きのようなことがあるのかもしれないが、正直、理解できない世界である。その感心とも困惑ともつかないアイザックの反応に、レイモンドは苦笑を浮かべた。
「色男って……君だって夜会でよく言い寄られていただろう」
「それはあくまで公爵家の嫡男だからだ」
レイモンドに近づく女性は彼自身に惹かれているのだろうが、アイザックに近づく女性は公爵夫人の地位を狙っているのだ。むしろ両親のほうが売り込みに熱心だったりする。夜会から足が遠のいたのは、そういうのが煩わしかったからというのも大きい。そんなことを思い出しながらグラスを傾けていると——。
「いいかげん君はもっと自分の魅力を自覚すべきだ」
「……は?」
いきなりわけのわからないことを言われて、思わず素で聞き返す。
レイモンドはまじろぎもせず正面からアイザックを見つめていた。そのままゆっくりと何かもったいつけるように頬杖をついたかと思うと、言葉を紡ぎ始める。
「その完璧なまでに整った美しい顔に、なめらかな色白の肌、神秘的な白銀の髪、細身ながらも適度に鍛えられた長身——誰もが羨むような容姿なのに昔から無頓着だったな」
「いや、君も氷のような顔だとか言っていただろう」
一転しての急な賞賛に戸惑うしかない。
それなりに顔が整っているという自覚はあるが、冷たい、怖いという印象のほうが強いはずだ。母にはよく怖い顔だと言われるし、アリアにも初対面ではずいぶんと怯えられた。魅力などと言われても信じられない。
「まあ、それでこそ君なのかもしれないな」
首を傾げていると、正面のレイモンドがひとり納得したようにそう笑った。
話が一段落したそのタイミングで前菜が運ばれてきた。話題は自然と変わり、ほっとしたようなすっきりしないような気持ちになるが、さすがにもう蒸し返そうというつもりはなく、彼に促されるまま食べ始める。
「そういえば、サイラスとはいまでも仲良くしているのか?」
「仲良くというほどではないが……仕事で顔を合わせることもあるし、ときどき家にも押しかけてくる。わたしというより妻に会いに来ているようだが」
なるほど、と彼はアイザックの左手薬指にチラリと視線を向けた。
「奥方とは上手くやっているのか?」
「問題ない」
食事の手を止めずに素気なく返す。
スペンサー邸でアリアを紹介したときに、彼女の手に口づけたうえ色目を向けたことはまだ忘れていない。それゆえこの話題に食いついてきたことに忌避感を抱いたのだが、彼は気付いてもいないようだ。
「君のことだから普段から真面目に夫の役割をこなそうとしてるんだろうね。彼女への同情もあるのかもしれない。だが、いつまでも形だけの妻に気をつかいながら暮らしていくのは大変じゃないか?」
「…………」
フォークを持つ手が止まった。
彼に言われたことは事実として間違ってはいない。確かに義務として夫の役割をこなそうと気をつかっている部分はあるし、大変だと思うこともあった。だからといって決してそれだけではなく——。
「そのうち離縁というわけにはいかないのか?」
考え込んでいると、どこか気遣わしげにそう尋ねてきた。
「王命だから許されないと聞いている」
「そうか……」
彼なりにアイザックの現状を心配してのことだとは思うが、いささか飛躍しすぎのような気がした。離縁などすこしも望んでいないのに。モヤモヤとしながらも素知らぬ顔でワインを口に運び、矛先を変える。
「君はどうなんだ。そろそろ結婚する気はないのか」
「ないよ」
彼の父であるメイソンからいろいろと話を聞いているので、そうだろうとは思ったが、彼はいっそ清々しいくらいに何の迷いもなく言い切った。
「次男坊だから期待されてないし気楽なものさ」
「お父上は身を固めてほしいと思っているようだが」
「僕は気ままに生きたいんだ」
そう言ってグラスを片手に艶やかな笑みを浮かべる。そして残り少なくなっていたワインを飲み干し、グラスを置くと、視線を落としたままひとりごとのようにつぶやく。
「どうせ好きなひとと結ばれることはないからな」
「好きなひと?」
思わず聞き返してしまったが、彼はただにっこりとするだけで何も答えようとしない。それが拒絶のように感じられて、気にはなったものの踏み込むことはとてもできず、静かに口を引きむすんだ。
本気で好きなひとがいるのか——。
素直に考えればそういうことになるだろう。遊んでばかりの彼に本命がいるとは思いもしなかった。おそらく父親のメイソンも知らないはずだ。噂にもなっていないので秘密にしているのかもしれない。
それは、やはり相手と結婚できない事情があるからだろうか。家柄や身分については、父親がこだわらないと言っているので問題にならない。となると相手が既婚者というあたりが妥当な線といえる。
そこまで考えてふと我にかえった。つい興味本位であれこれと思索してしまったが、あまり褒められたことではない。彼自身が言わないのであれば慎むべきだろう。そうひそかに自分を戒めたそのとき。
まさか、アリアか——?
突如ひらめいてハッと息をのむ。
アイザックが結婚してから急に近づいてきたこと、アリアに色目を使っていたこと、いずれ離縁できるかどうか尋ねてきたことなど、微妙に引っかかっていた事象がひとつにつながった気がした。
ただ、さすがに考えすぎではないかとも思う。アリアと会ったのは一度きりで短い挨拶をかわしただけだし、そもそもまだ十一歳の子供である。一方的に懸想してそこまで想いを募らせるなどあり得るだろうか。
「ワイン、ついでくれないか」
「ああ……」
思わせぶりな笑みを浮かべて差し出された空のグラスに、白ワインを注ぐ。
揺れる水面が照明を受けてキラキラとかがやくのを見ながら、アイザックはいつのまにか無意識に呼吸を止めていたことに気付いて、そっと息をついた。
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