俺の人生をめちゃくちゃにする人外サイコパス美形の魔性に、執着されています

フルーツ仙人

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三 エヴァ報復事件(未遂)

1(全年齢版)

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「ねえ、ダリオくん」
 イーストシティ・カレッジの構内学食である。猫撫で声で、元彼女のエヴァが話かけてきた時、ダリオはちょっと心が浮き立ってしまった。振られた時はかなり散々なことを言われたが、つき合っている当時、ダリオは彼女が好きだったのである。エヴァは、好き嫌いがはっきりしており、言いたいことを言う人間で、ダリオからすると驚かされることもしばしばだった。言わないのが手柄じゃないんだから、ダリオくんも我慢してないで、理不尽されたら言いたいことを言えば?と言われたのは目から鱗だったこともある。というわけで、別れたにせよ、今でも割と好感度が高い。当時も、自分に好意を持って、常識の範囲内であれこれストレートに甘えられたり、振り回されたりするのは、今までにない感覚で、結構楽しく感じられたものだ。まあ、エヴァの方はそうではなかったという両者の認識の違いがあったのだろうが。
「ああ……何か用か?」
 なので、学食で話しかけられ、隣にぽすんと座られると、微塵の気まずさもなく、ふつうに受け答えした。恋人関係は解消したが、さほどダメージを受けていないダリオには、もとの関係に戻った程度にしか認識されていないのだ。このような情緒だから、ふられたともいえる。
「ええ。最近ダリオくんと一緒に歩いてるのよく見かける彼……」
「……彼?」
「もうっ、すっごく……すっごく素敵な……人間じゃないって感じに美しすぎる彼のこと!!」
「……ああ、テオドールのことか」
「そう! テオドールさん……」
 すでに名前は知っているらしい。エヴァは両手を組み合わせ、頬に当てると、夢見るようにつぶやく。ダリオと一緒にいる時、名前を呼ぶのを誰か聞いていたのかもしれなかった。
「なんでダリオくんなんかの知り合いなのか分かんないけど、あたしに紹介してくれない⁉」
 なんか呼ばわりされたダリオだが、腹も立たない。ダリオはこういう男だ。他者の評価に対して、半ば鋼鉄のようなメンタルでいる。つまり、他人に興味がないのだ。重ねて、だからふられたのである。
「紹介……と言ってもな」
 呼べば来るようなものでもないし、洋館にも常にいるわけではない。いや、もしかして呼べば来るのではないか? ふとそう直感し、その時ろくでもない出現の仕方をするテオドールが目に浮かぶようだった。緊急時以外、決して自分からは呼ぶまいと決めたダリオである。
「うーん……」
「何、もったいぶらなくてもいいでしょ。それとも、あたしが彼に好意持つのが気に入らないってわけ?」
「いや、それはエヴァの好きにしたらいいと思うんだが」
 エヴァは目をわずかに見開き、一瞬無表情になったが、それも気のせいだったのか、すぐに言葉尻を食い下げるよう猛攻してくる。
「じゃあ、お願い! 紹介して!」
「しかし、あいつが何て言うか……」
「紹介さえしてくれれば、あたしの方でなんとかするから、ねっ、ダリオくん、お願い、お願い!」
 ダリオは、エヴァのお願いに弱かった。
「はあ、まあ紹介するだけなら」
 あとは自分で何とかすると言うし、便宜をはかるよう言われなければ別にいいかなとダリオは頷いた。
「やった、ダリオくん好き!」
 ちゅっ、と耳際の頬にピンクの柔らかい唇を押し当てられて、ダリオは「……」とフォークを持つ手を止めた。エヴァはよく見れば、春らしいモスグリーンの装いで、さっと席を立つと、
「はい、あたしの連絡先! 新しいの! 日取り設定済んだらこっちによろしくね!」 
 まさに春風つむじ風といった感じに、軽やかな足取りで去っていった。
 真向かいに、旧友のカイルとジョージが無言で椅子を引いて座る。
「ダリオ、お前ってやつはさあ」
「呆れてものも言えねえよ」
「完全に利用されてる。ウケる」
「おい、ダリオ、なんか言え」
「ダメだこいつ、呆けてるわ」
「っかー、もうしょうがねえ、俺のプリンやるから元気出せ。そして目を覚ませ」
「ダメだ、ダリオは今デバフかかってるから。あとこいつの好物はショコラだろ。プリンじゃ魔法は解けねえよ」
「プリンは無力」
 友人たちからも散々言われているダリオである。確かにダリオは頭がぽわーんとしていたが、それはお気に入りのテディベアのぬいぐるみに、ほっぺに「ちゅっ」とされて、かわいいなあ、と思う気持ちにも似ていた。ある意味、かなり失礼な話である。ダリオにもう少し観察する気があれば、エヴァの様子がやけくそのようになっていることも理解できただろうが、結局どちらも他人を見ていなかったり、やることがためし行動と幼稚だったりで、なるべくして破局したふたりだった。
 とりあえず、テオドールに話しておかねばなるまい。ダリオはぼんやりした頭でそう思うのだった。


 自宅に帰ると、テオドールがいたので、ダリオはさっさと用件を済ませることにした。先に話があると伝える。テオドールは快諾し、話をするセッティングまでしてきた。つまり、ひとりがけのものもあるのに、なぜかソファに二人横に並ぶ。至近距離で肩がくっつきそうだが、ダリオも慣れてきて、言及しない術を身に付けている。特につっこまず、淡々と学食で頼まれた話を通しておいた。
「頼まれてくれるか?」
 一通り説明して尋ねると、テオドールが無反応なのに気づいた。
「あー、あんまり気が進まないか? 無理にというわけではないから、まあ仕方ないが」
 エヴァはがっかりするかもしれない。顔には出さないもののダリオは内心そこそこ気落ちした。ダリオ自身はあまり認識していないが、自分とタイプの違うエヴァに対して、好感度が相変わらず高いのである。そのダリオをじっと無感動に見ていたテオドールが、「いえ」と首を横にふる。
「ダリオさんの頼みを断る道理はありません」
 そして、ソファに片手をつくと、身をのり出し、不必要に圧し掛かって来た。
「おい」
 ダリオが引くのをスルーし、そのまま無表情に顔を寄せ、首筋から耳元へと鼻先を近づける。
「ダリオさんから、人間の雌の異臭がします」
「はぁ?」
 何を言い出したんだ、こいつは。ダリオの困惑をよそに、テオドールは疑問を口にした。
「……体液を付着させましたか?」
「体液って……」
 エヴァのことか。失礼過ぎる表現にダリオは引きつるが、テオドールからすれば、全て異種族かつ、この世界のものは異臭なのかもしれない。真上から見下ろしてくるテオドールは、真顔に瞳孔が開いている。
「お会いしてもいいですが、上書きの許可をいただけますか」
「上書きって……」
「少し、舐めて噛むだけです」
 ダリオは突如言語理解が不可能になった。しかし、エヴァの件を引き受けてもらうからには、こちらも何か譲歩せねばなるまい。犬に舐められるのと同じことだと思えば、いけるだろう。たぶん。
「あー、わかった。いいぞ」
 そう言ったが早いか。
 ダリオは、一瞬、自分がどういう状態にあるのか分からなくなった。テオドールは、唇を寄せ、赤い舌先を出して、ダリオの頬を舐めた。ただそれだけである。
 通電したかと思うような凄まじい快感が、ダリオを足の爪先から頭のてっぺんまで走り抜けた。そして宇宙が開闢し、白い鶏が鳴き声を上げて、ヒマラヤの僧侶たちは読経を始め、巨大なスペースキャットが目を見開いて数多の恒星を背景に珍妙な顔をする。
 不意に体温が離れた。
「確認できたので、満足しました。ありがとうございます」
「あ……は?」 
 あっさりとテオドールは元の状態に戻ると、
「では、お約束の通りに。お呼びいただければ、すぐに参ります」
 そう言って、すうっと姿を消した。残されたダリオは、「この……クソ馬鹿っっ」と珍しく罵ってソファに突っ伏した。
「ううっ」
 必死に耐えて、ダリオはどうにかシャワールームへとよろよろ入っていった。

 ダリオはエヴァとテオドールを引き合わせるセッティングをしたのだが、後日彼女がものすごい形相でまた学食にやって来て、ダリオを見るなり、引っぱたいた。
 え……とダリオは固まってしまう。何故平手打ちされたのか分からない。
「ばかっ」
 しかも罵られた。更には、ボロボロとエヴァが泣き出し、酷い顔になるものだから、ダリオは口を開閉して、結局彼女にハンカチを差し出した。昼食をともにしていた友人たちは引いている。
「テオドールさんに何を言ったのよお⁉」
 強いて言うなら、何も言っていない。紹介を希望している女性がいるから、会ってくれないかと聞いただけである。
「あたしに振られたからって、腹いせに元恋人の悪口吹き込んで、恋路を邪魔するなんて、酷すぎるッ」
 えええ……とダリオはまたもや口を開けた。
「い、いや。エヴァ。本当に俺は何も……」
「さいってい‼」
 ばちん! と音がして、ダリオは同じ場所をぶっ叩かれた。エヴァが泣きながら、彼女の友人たちに肩を支えられ、その場を後にするのを呆然と見上げるダリオである。女性陣から、酷い、本当に最低、と捨て台詞まで食らった。
「ダ、ダリオ……」
 大丈夫か、と友人から声をかけられ、「痛い……」と漏らすと、冷やした方がいい、と言われる。それもそうだな、とダリオは叩かれた頬を手のひらで抑えた。
 

 帰宅すると、テオドールに物凄い顔で頬を凝視された。無表情なのだが、なんとなく彼の感情が読めるようになってきたダリオである。
「ダリオさん、僕に治させていただけますか」
「あー、頼む……」
 シンシアの件で、ダリオは体中に打撲創傷を作ったのだが、その時もテオドールに治してもらった。
「壊すのは離れていても容易いのですが、治すのはいささか慎重になる必要があります」
 前回同様、「この方が細かいコントロールがしやすいので」と言って、上から指でダリオの頬に触れていく。
「先回、確認した際に加減を覚えましたので、ご安心を」
 あの脳内宇宙開闢読経三昧巨大猫爆誕の快楽地獄のことか。一応理解していたらしい。
 すっとする感覚とともに、じんじんとした頬の痛みがとれ、ダリオは「助かった」と礼を言った。
「いえ、この程度は」
 謙遜しやがる、とまじまじテオドールを見つめてしまう。
「ダリオさん」
「なんだ」
「人間の体は僕らに比べると、酷く脆い。今後は定期的にメンテナンスさせていただきたい」
「はあ?」
「ありがとうございます」
 何言ってるんだ、という疑問符だったのだが、許可を得たと受け取るポジティブ思考にダリオはむしろ感心する。
「それからもうひとつ」
「お前、ぐいぐい来るね」
「ダリオさんに傷をつけたのは、あの人間の雌ですか」
「雌って言うな。隠してもばれそうだから言うが、エヴァだよ」
「そうですか」
 立ち上がろうとしたテオドールに、ダリオは待ったをかける。
「お前何しに行くつもりだ」
「人間風に言うと、『目には目を、歯には歯を』と表現するのでしたか。報復です」
「止めろ止めろ」
 慌ててテオドールの腕をつかむ。大体、テオドールの引用した「目には目を、歯には歯を」は、本来の主旨として、被害と同程度の報いをうたっている。断じて、テオドールのような過剰報復を推奨したものではない。
「俺はお望みではない。お前が治してくれたし」
 テオドールは理解しかねる、というように、愁眉をひそめた。
「何故止めるのです? 自分が我慢すれば事は済むとお思いでしたら、ナンセンスです。また同じことが起きかねません」
「いやまあそれはそうなんだが」
「見せしめに報復することは、未来におけるリスク回避の一手となります。一番良いのは、相手を消滅させることでしょう」
「物騒か……お前、俺のこと別に何とも思ってないだろうが。無駄なことは止めろ」
「……それはどういう意味です?」
「え、俺の口から説明必要なやつか?」
「ダリオさんのお考えは伺っておきたいです。心を読むなと仰っていたので」
 そんなことを確かに言った。律儀に守っていてくれたらしい。
「あなたの口から直接話を聞ける機会は、ひとつも無駄にしたくないのです」
 真摯な言葉にも思えるが、テオドールのまなざしは、どこか研究者じみてもいた。珍しい生態の昆虫の学習機会に際した生真面目さにも感じられるのだ。ダリオは気まずいような思いで、ソファに深く腰を下ろして深呼吸した。
「ああ……まあ、心を読むなというのを守ってくれてるのは、ありがたいな」
「当然のことです」 
「とはいえ、俺個人の人格や尊厳に重きなんかおいてないだろ、お前……」
 テオドールがわずかに目を見開いた。
「……何故そうお考えに?」
「お前らの種族的倫理観はよく分からんが、少なくともお前の考えに俺が沿ってないのは確かだろ。お前は思ってるんじゃないか? 不合理だって」
「仰るとおり、ダリオさんのお考えや行動は僕には理解しかねることが多い。不合理だと思ってはおりますが」
「おりますが?」
「興味深くも感じています」
 青年は膝上に両手を組み、臆することなくダリオを見つめてくる。
「僕らとは相いれない考え方とは思います。しかし、あなたが僕の『花』であることを除いても、ダリオさんのなさることは、僕にとって不快ではない。それは、あなた個人の人格や尊厳に関心を持ちつつあるということではないでしょうか」
 今度はダリオが言葉を失った。よく口が回りやがる、と呆れ半分、人間社会の機微の学習が進んでるな、と感心半分に反応に困って、後頭部へ手をやる。
「あー分かった」
 テオドールの言い分は保留だ。
「とにかく、報復はなしだ。今後のリスクについては、俺が自分でなんとかする。さしあたっては、お前、エヴァに何を言ったんだ」
「あの人間の雌には」
「エヴァだ」
「エヴァさんには、僕はダリオさんにしか興味がありませんと」
「ああっ?!」
「何故急に奇声を」
 ダリオは先を促した。
「い、いや、続けてくれ」
「あとは、当たり障りのないことしか申し上げておりません」
「その当たりなのか障りなのか判断したいから、頼む」
「そうですね、あなたはダリオさんの雌だったようですが、今はもう別の雄を探しているのですかと」
「ああああああ~~~~~~~~~」
「ダリオさん、大丈夫ですか。心拍数が常より速くなっています」
「お前、お前……そういうこと言っちゃダメなんだよなあ⁉」
「何故です」
 青年は不服そうだ。
「実際、ダリオさんは、人間の雌から、雄として不適格とされたのでしょう」
 事実を述べたに過ぎない、という顔をしている。
「別に構わないが、なんで俺、お前から今精神攻撃受けてるんだ?」
「僕に、そのような意図はありません」
「ああ、分かってる……続けてくれ……」
「はい。そして、エヴァさんは、別の雄を紹介してくれとダリオさんに頼んだ。ここは合理的です。繁殖対象にしていたダリオさんと同等もしくはそれ以上の雄と出会うのに、ダリオさんの周囲の縁故を辿るのは、エネルギー面や質的にも理にかなっているといえるでしょう」
 いえるでしょうじゃねーし、つっこみどころが山ほどあるとダリオは思った。繁殖相手云々の物差しで人間関係をとらえているあたり、やはりダリオたちのことは昆虫のように見ているのだろう。ダリオ自身もせいぜい貴重な珍しい昆虫といったところか。
 テオドールは悪びれずに付け加えた。
「彼女のとった方法は、それ自体は合理的でした。しかし、僕が対応したのは、あなたのお願いだったからです。ですから、僕はダリオさんにしか関心がないことをお伝えしたまでです」
「言いたいことも多少理解するし、お前に悪意が全然ないのは分かってるんだが……」
 悩むダリオをよそに、テオドールは本題であろう不服を意思表示してきた。
「やはり僕は、エヴァさんがダリオさんを加害したことが納得いきません。彼女はダリオさんに感謝こそすれ、僕に腹を立てたのなら僕へ報復行為をすべきでした。もちろん、僕は攻撃を受けたなら、容赦しません」 
「そこは容赦してくれ……」
 鉛のような疲れが押し寄せる。ダリオはソファに背を預けると、天井を見上げた。異文化交流過ぎる。このまま、そうか、と適当にしまって席を立ちたい。しかし、テオドールをある程度納得させないと、エヴァの身の安全があやういだろう。
「ある程度お前の言い分はわかった。エヴァは確かに、誤解はあれど、お前から見て道理の通らないことをしたかもしれない」
「ダリオさん視点でも、全く道理が通らないかと」
「いやまあそうなんだが。だけどな、エヴァが殴ってきたとしても、俺は別に……どうでもいいというか」
「……?」
「お前が俺を殴ってきたら、俺だって黙っちゃいないさ」
「僕は駄目なのですか」
「駄目だろ」
 ダリオは首肯した。
「お前、どう考えても俺より強いだろ」
「否定はいたしませんが」
「強い奴が、自分より弱い奴をぶん殴るのはな、フェアじゃないだろうが」
「弱い者が、先に手を出したとしてもですか?」
「弱い奴が、ナイフ持ってぶっ刺してきたら、俺だって殴る――かもしれん。武装しているんだからな」
「その場合は、両者の攻撃力が同等とみなすというわけですか」
「あー、まあそうかもしれん。だから、エヴァがナイフ持ち出して刺してきたら、さすがに……いや、殴らないな」
 場面を想像してみて、口許に手をやったままダリオは首をかしげた。
「殴らないではありませんか」
「取り押さえはする。でもやっぱり、防御力とかな、その辺がフェアじゃあないだろ。エヴァは特に武道をたしなんでるわけでもないんだ」
 とくとくと、化け物相手に説諭する羽目になるとは、数ヵ月前には考えもしなかった事態だ。ダリオも顎に手を当てて、なんとか話を組み立てていく。
「そもそも、女性に過剰な攻撃を加えるのは選択にないな。同程度の力で殴られても、女性だと骨格が男性とは違うし、下手したら後遺症がのこるかもしれないだろ。ナイフが出てきたら、逃げるかな。逃げられないなら、取り押さえて、ポリスに通報だ。相手が男性でも、緊急性がなければ通報。どうしようもないなら、周囲に協力をあおいで、取り抑えて無害化を目指す。そういう解決の仕方をする」
 ずいぶんと手ぬるい真似を、とテオドールの目に、冷酷な異論の色が浮かんだ。まあそうだよな、こいつの出自考えると、とダリオはこっそり目を逸らした。溜息のひとつも吐きたくなる。
「人間には人間のやり方がある。何しろ、俺たちは『弱い』し『脆い』からな」
「あなた方が『弱く』て『脆い』生物であることは、確かにその通りかと思います」
 こいつ、言いやがった。今度はダリオが黙って促す。
「結局、あなたがエヴァさんに報復しないのは、種族全体の脆弱性を自覚するがゆえの相互自己防衛ということでしょうか」
「あ? よく分からんが、弱いんで、強い奴は優しくしてくれ」
 妥協ポイントを探して、付け足す。
「可能な範囲で」
「そうですね、ダリオさんに触れる際は、僕も加減しなければならぬと先回学んだところです」
 今それ蒸し返される流れだったか? とダリオは引きつった。しかし、自分の経験に照らし合わせて納得は無理でも落としどころを見つけてくれたのなら、水を差すまい。
 こうしてひとまず、エヴァ騒動はなんとか報復事件になる未然にて防がれたのである。ダリオの心労とともに。
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