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番外 十四 魔女の家事件 ダリオの家族編
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昨日、カフェテラスでデリアと言い争いのようなことはしていたが、翌日警察に事情聴取されるとは思っていなかった。犯罪心理学の講義が終わって、教室を出たら、刑事二人組が待ち構えていて、ダリオに警察バッジを見せて来たのだ。
「ええと、俺の妹? ですか?」
疑問符だらけで、イーストシティ警察の刑事二人に質問することになる。というのも、「妹さんのことで」と声をかけられたためだ。
ダリオにしてみれば、妹ってなんだ、と青天の霹靂過ぎて、思考停止してしまう。先回、テオドールに妹がいると聞いて、へーと思ったが、自分にもいたのか……? とダリオはついていけない。こんなところまで、お揃いしなくても別にいいんだが、と思考があさってに行ってしまう。
「ダリオさんにとって、父親違いの妹さんになります。歳は五歳、名前はグレーテちゃん」
昨日デリアが口を滑らせた名前である。あーなるほど、とダリオは納得し、刑事から簡単に説明されて聞き返した。
「ええと、つまり、母が俺の父と離婚した後に、一回再婚して、また離婚? 再婚してた時にできた子どもってことですか?」
「異父妹ということになりますね」
「はあ……」
曖昧に相槌を打つ。母の人生だし、そりゃあ再婚相手と子ども授かることもあるよな、そしてまた離婚して、今度の再婚相手から色々言われてんのか、とダリオは謎に衝撃を受けた自分を恥じた。母親のことは縁も切りたいし、関係ないと思っているが、別に嫌っているわけではないので、いつまでも自分だけの母親の心象があったのかもしれない。あと急に妹ができてびっくりした。むしろどう考えても後者である。
刑事たちは顔を見合わせた。
「ダリオさん、ご存じなかったですか?」
「そうですね。母とは、もうずいぶん音信不通だったので。あ、俺、子どものころに両親が離婚したんです」
「色々あったそうですね。事情うかがえますか」
刑事の目が細まり、このへんなんか関係あんのか、とダリオも続ける。
「離婚後は父が先に出て行って、母が親権とってたみたいですが、母もしばらくして、いなくなりまして……その後施設に入れられました」
「ずっと施設に?」
「いえ、何度か里親のところに引き取られました。ただ、うまくいかなくて、結局十八歳までまた施設に入ってました。今は大学で学んでますが、昨日母から接触があるまで、一切連絡とったことなかったですから、妹がいたのも知りませんでした」
そうでしたか、と刑事は言うが、それたぶん母親の方からも聞いてるだろうな、とはダリオも思う。証言の裏付けに話を引き出された感じだ。
今度は刑事の方から説明が入る。
「伺いたいのは、ダリオさん。昨日、グレーテちゃんが訪ねてきませんでしたか?」
「は……え?」
素でダリオは返してしまった。
「え、なんでその異父妹が俺を?」
「デリアさんに伺ったんですが、グレーテちゃんは、ダリオさんをお兄さんと認識していたようで。あー、つまり、デリアさんが新しく再婚されるにあたって、ダリオさんというお兄さんがいるのを知ってしまって、会いたい会いたい、と言っていたそうです」
「……あ、……そうなんですか」
知らん間に妹ができていて、妹が自分に会いたがっていたと。テオドールとおそろい過ぎて怖い。そういえば魂の相似性がなんやかんやと言っていたから、お揃い事故もシンクロニシティかなんかあるのだろうか。
「ダリオさん、昨日デリアさんが訪ねて来られた後、グレーテちゃんも訪ねて来ませんでしたか」
「いや、さっきも言ったとおり、妹がいたのも知らないくらいですから……? あ、これ俺、なにか疑われてるんですかね」
妹を知らなくても仕方ないと言いながら、訪ねて来ただろうと問われた。イエス取りされたら、妹の存在を知らないのに、妹が訪ねて来たと答えるのは、発言に矛盾が出る。矛盾があるなら、ダリオが何か隠しているということだ。誘導尋問されている具合にダリオも察した。
「はは、まあ形式的なものです。我々は聞くのが仕事ですから」
「はあ。というか、五歳児が俺を訪ねてくるって、危なくないですか? ひとりで? 母さん発狂するんじゃないかな……」
言いかけて、ダリオは口を閉じた。さすがに話がつながる。声のトーンが下がり、慎重に尋ねた。
「つまり、そういう話なんですか? グレーテちゃんが行方不明?」
「前置きが長くなりましが、そういうことです」
「じゃあ俺、誘拐犯で疑われてる感じですか」
「ははは」
笑われた。でも目は笑っていない。ちなみに、刑事の頭のリーゼントが気になる。
「デリアさんと昨日別れた後、どうされていたかうかがってもよろしいですかな」
アリバイ聞かれてるなーとダリオも理解した。
何をしていたって、その日は帰る気もなれずに、セントラルパークでぼーっと鳩に餌ヤリをしていたのが日中だ。夜になっても、まだ帰りたくなくて、公園を歩いた。結局テオドールが迎えに来そうな気がして、いつまでも公園にいられないとそこを出たのが午後七時くらい。イーストシティ駅まで行って、環状線をぐるぐる回るまま電車に乗り続けて終電で帰って来た。自分でも虚無がヤバいとは思う。それが午前二時過ぎくらいである。
「ほー、つまり、デリアさんと別れた後、その日のアリバイを証明する人はいないということですかな?」
「はあ、まあそうなるかと……」
「ちなみに、失礼ながら、ご両親とは音信不通ということで、不仲でいらっしゃいますよね。ご両親から、幼少時になにか虐待のようなことは」
あーこれ俺、完璧に両親への遺恨で疑われてんのかな~とダリオは思った。とりあえず一通りの事情は話したが、それよりも異父妹の安否が気にかかる。
「あの、グレーテちゃん? は見つかりそうなんですか」
刑事ふたりは視線を交わした。
「全力は尽くします」
あ、これダメなやつなんだな、とダリオは思う。母親のデリアと久々に顔をあわせ、口論した後にこれでは寝覚めが悪すぎる。
「俺も気を配ってみますけど、異父妹の写真って見せてもらえますか?」
最初に見せてほしかったが、この辺も容姿をダリオが知っていて口を滑らせないか見られてたのかなとは思う。
若い方の刑事が写真を見せてくれた。五歳児らしいふくふくした白く滑らかな頬に、ブロンド、グリーンアイ……
ダリオは無言で停止する。
「ダリオさん?」
刑事に呼びかけられ、あ、いや、ともろに挙動不審になってしまった。
「何かこころあたりでも?」
「いえ……あ、いや、ちょっと直前の講義で」
「失礼」
言いさしたダリオに、講義の後片付けを終えたらしい、やぼったいセーターを着たブラッドリー・ヤン講師がひょいと後ろから写真を覗き込んで来た。
「特徴がかぶっているね」
ひとりごとのように言われ、ダリオも頷く。
一方、刑事たちの方はあまり驚いたようすもなく、
「ヤン先生、どうも」
と挨拶する。知り合いらしい。ヤンの方から説明があった。
「時々、犯罪心理学の協力要請があってね。刑事さんたちとは顔見知りだよ」
ヤンは先ほどの講義内容について刑事たちに簡単に述べてみせた。リーゼント頭の刑事は頷く。
「ヤン先生のおっしゃるとおり、三歳から七歳の人種は白人の女児、ブロンドにグリーンアイで、特徴がかぶっていますな」
同じ特徴の女児が、公衆トイレなどの公共施設で行方不明になり、強姦された上でセントラル・リバーやグレート・ネックなどのポイントで遺体を引き上げられていた事件である。
ダリオは関連付けて、ぞっとした。
グレーテは写真では綺麗な金髪にグリーンアイだ。母親のデリアは生来ブロンドではないので、思春期になると髪色が茶や黒っぽくなることはあるものの、子どものころは金髪というケースなのかもしれない。
「更に犠牲者の共通点は、ネグレクト気味の子どもたちでね。思い切り聞き耳立ててしまってすまないが、ダリオ君は子供のころはけっこうそんな感じだったんだろう?」
「あー……まあそうですね。五歳とかでも、ひとりで公園行ってました。飼ってた犬と一緒でしたけど」
グレーテをデリアはダリオよりは「まともな子ども」としてかわいがっているようだったが、異父妹がひとりで「お兄ちゃん」を探しに行ったとしたら、五歳児が無防備に出歩いていたことになる。
「あの、ヤン先生、講義してもらった直後で、あまりにもタイミングよすぎる感じですが、どうしてこの話を?」
「ああ、まあそろそろ悪い『周期』だと思ってね。さすがに、講義で話した直後にこんな話を聞くとは思わなかったけれど」
「悪い『周期』?」
「段々間隔は狭まっているが、少なくとも二年に一回。近年だともうそろそろ次の犠牲者が出る時期だと思っていたので、学生から質問されて、連想的にね」
「はあ、なるほど……」
めちゃくちゃ間が悪かったというか、よかったと言うべきか。
「ただ、僕は、犠牲者はもっと実際は多いと思ってるんだけれどね。少なくとも、イーストシティ近郊においてはこの辺の周期かなと思っていた」
「ヤン先生。よろしければまた署の方で詳しくお話を伺えますか」
「ああ。構わないよ。ダリオ君はもう解放してあげていいのかな」
「そうですな、ダリオさん、ご協力ありがとうございました。何か思い出されたら、こちらへまたご連絡をお願いします」
「あ、いえ……」
ダリオは再び曖昧に答えた。最後に、ヤンが「参考になれば」と、手帳に何か書きつけて、びりっ、と躊躇せずに破ると、ダリオに渡してくれる。
彼らが去って、メモを見れば、ヤンが目星をつけていたらしい事件の年月日、発見場所、被害者氏名の簡単なリストだ。
どういうつもりで渡したのかわからないが、助かるなと素直に思った。
それから一通り講義を終えて、クラブ・ラビット・ホールでアルバイトをしていると、また昨日の今日ので、実母のデリアが現れた。さすがに憔悴しているようで、再度「話がある」と言われてもダリオは断れなかった。
幸いなのは、デリアが周囲の目線を気にするところだろう。アルバイト先で半狂乱になるようなことはなかった。
昨日のカフェテラスで対面に腰を下ろすと、青白い顔でデリアが口を開いた。
「ダリオ……またあんたでしょ」
顔をそむけ、がりがりと無意識にか自分の肘に爪を立てている。ダリオは異父妹のことは知らなかったし、自分は何もしていないと言いたかったのだが、デリアの異様な様子に口をつぐんだ。
がりがりがり、とデリアは更に自分の腕を掻きむしるようにした。
「あんたが仕返しに誘拐したとかどうとか考えてないわよ……でもまたあんたなんでしょ……あんたが関わるとろくなことがない……だからグレーテには関わらせないようにしていたのに……あんた異常なのよ……音信不通だったけれど、あんたのことはちゃんと把握してたわよ。また関わりたくなかったから! 関わりたくなかったのはこっちなのよ! 里親先でもまた『あった』んでしょ。知ってるわよ……さ、さいきんは、落ち着いてるって調査報告来てたから、再婚のために仕方なく……大丈夫かと思って……もうかんべんしてよ……あんたのせいで、うちはめちゃくちゃなのよ……グレーテまで……あ、あんたなんなの。かんべんしてよ。もうゆるしてよ。グレーテまで巻き込まないでよ。あんたのまた『あれ』で、グレーテを巻き込んだんでしょ。返してよ……あの子は『まとも』なんだから……あんたみたいにケロッと帰ってきたりできないのよ……お願いだから返してよ。もうじゅうぶんでしょ。巻き込まないでよぉ……」
昨日の様子が一転、デリアはダリオと目を合わせることすらせずに、小声で、そして早口で、懇願するように話し続けた。
ダリオは内心嘆息する。知ってた。異常者呼ばわりしてくる両親たちが、内心ダリオを恐れていたことを。
正確には、ダリオの周囲で起こる、説明のつかない現象を恐れていたのだが、ダリオを中心にそれらが多発するので、結局彼らは自分たちの息子を恐れていたとも言える。
ダリオ自身は家族でもっともウィークネスだから、嘘吐きや異常者と面罵していたが、そうやって抑え込むことで、自身の恐怖から目を逸らしていた部分もあったのだろう。
罵られてはいるが、五歳の娘のことはまあふつうにかわいがってんのかな、とダリオは多少ほっとした。さすがに、五歳児がダリオと同じような扱いを受けていたらかわいそうだ。色々複雑なことがあって、ダリオも別に『ケロッとしていた』わけではないが、両親から面罵されても、自分は駄目な子なんだ、両親から愛されていないんだ、だから自分の人生は不幸なんだ、とならなかったのがダリオである。この辺は、環境によってつくられる性格もあるが、個体差なんだろうなと思う。当時からダリオは両親が変だなと思っていたし、怪異の多発は自分も関係あるが、自分を異常者呼ばわりする両親の言動もたいがいやばいなと自然に考えていた。
ダリオは子供の時分から、周囲が『一+一はゼロです!』とどんなに言っても、『いや、それは二だよ』と周りの意見にファクトを左右されない性格だったのである。その言い分に理があれば、意見を変えるのもやぶさかではないが、一+一=? レベルの話は、ゼロと言われても、いや二だよ、となる。
なので、どんなに両親がお前は嘘吐き、屁理屈ばかり言う、異常者、と言っても、なんだかおかしいなあという感覚は始終持っていて、言われたことでそうなんだ、自分は嘘吐きの屁理屈ばかり言う、異常者なんだ~~~となったりはしなかったのだった。
ダリオとて傷つく時は傷つくが、『一+一はゼロぉおお!』と叫ぶ人に、そうだよね、とはならないため、おかしなことを言う人の言動は真正面から受け入れないよなあということだ。
だから、デリアの言う『巻き込まないでよ』はけっこうざっくり来た。
今回は関係ないと思うが、実際ダリオが意図しないにせよ、最も身近な人間である両親たちを、『巻き込んで来た』のは事実だったので、申し訳ないなという気持ちはあったのだ。
ダリオもずいぶん怖い思いをしてきたが、何も見えない両親たちは、原因がわからないことで、それに輪をかけて恐ろしかったに違いない。
彼らからは、ダリオを中心に、不可解で説明のつかない怪現象が起きて見えたはずである。
異常者呼ばわりはされたが、悪魔呼ばわりはされなかったな~、というあたり、両親たちの最低の愛情は感じないでもなかった。
まあそれにしたって、やっぱり父も母も嫌なやつだなとは思う。血縁関係でなければ、知り合っても友達にはなりたくないタイプだ。それはそれ、これはこれ。ダリオはそういうところがあった。
ダリオが最も傷つくとしたら、それは『嫌なやつ』である母親が、弱っているのに、更に追い打ちをかけるような真似をしないといけない場合だろう。
嫌なやつに罵られるより、弱っている人を痛めつける自分を客観視すると、しんどいし、辛い。
だから昨日ダリオは落ち込んでしまった。関わりたくないけれども、相手を拒絶して、傷つけたのではないかと思うことの方がスリップダメージが凄い。
せめてダメージ最小限でいきたいと、さっさと線引きしたはずが、今日はこうなってしまっている。
「あのさ……今回、俺、本当になんもしてないけど……別にそれは信じてくれなくてもいいけど、母さんが俺になんか『あれ』な巻き込む力があると思ってるなら。俺、グレーテちゃんを探してみるよ。巻き込まないでって思うだろうけど、もうこれ以上悪くなりようがないだろ? だから、まあ、信用できないのもわかるし、俺の『あれ』でなんとかなるといいなくらいにさ。本当は、子どもの時は、『あれ』は俺にもどうしようもなかったけど、今は多少なんとかなるようになったから、それで探してみるからさ」
デリアは無言だった。
凍り付いている。
だがやがて、う゛、う゛~~~~~~、と泣き出してしまった。
ダリオは片手を上げて、母の肩を抱くか、ハンカチを出すか、迷ったが、結局、俺にされても迷惑だもんな、とその手の置きどころもなく下ろした。
ダリオは先にふたりぶんの支払いを済ませ、赤の他人なら見守るところを、俺がいると余計に悪くなりそうだなと席を立つことにした。
とりあえず、この辺りの現実的な聞き込み捜査は警察がやってくれているだろう。そちらで発見されれば一番いい。
そうじゃない場合の方をダリオが調べる。
ヤンのくれたメモを確認して、水中死体が発見されたポイントを回る手順をざっくり組み立てた。
一番近いところは徒歩でいけるな、とそこから回ることにする。
「ダリオさん、どちらへ」
既視感のするような呼びかけに、ダリオは振り返りもせず歩いた。ぞっとするような黒髪の美青年が、ハイブランドスーツを身にまとい、涼しい顔でダリオの隣に並ぶ。
「今お前、いきなり横に現れたよな」
「空間跳躍を多少嗜みますので……」
「この会話デジャビュ過ぎる。前、いきなり現れるの遠慮してくれって言って、納得してただろ」
本当に、空間跳躍を嗜むってなんだ。テオドールが横に並ぶと、周囲からの視線もきつい。往来の人々がぽーっと見惚れるように視線を寄越し、中には黄色い悲鳴を上げ倒れる人も見えたが、今回は見なかったことにしようとダリオは諦めた。
「ここからですと、セントラル・リバーの第四番目被害者が発見されたポイントから回られますか?」
「なにげに全部状況把握してないかお前……」
ダリオは呆れた。テオドールはそれこそ、しれっとした顔で、平然と口にする。
「ダリオさんに嫌われたくありませんが、昨晩から落ち込まれていたようなので、状況把握を優先しようかと」
「ああそう……ありがとよ」
感謝したらいいのか、人外能力をフル駆使して、凄い精度のストーカー行為をされた告白を呆れたらいいのか。ダリオは心中複雑に礼を言った。
「ええと、俺の妹? ですか?」
疑問符だらけで、イーストシティ警察の刑事二人に質問することになる。というのも、「妹さんのことで」と声をかけられたためだ。
ダリオにしてみれば、妹ってなんだ、と青天の霹靂過ぎて、思考停止してしまう。先回、テオドールに妹がいると聞いて、へーと思ったが、自分にもいたのか……? とダリオはついていけない。こんなところまで、お揃いしなくても別にいいんだが、と思考があさってに行ってしまう。
「ダリオさんにとって、父親違いの妹さんになります。歳は五歳、名前はグレーテちゃん」
昨日デリアが口を滑らせた名前である。あーなるほど、とダリオは納得し、刑事から簡単に説明されて聞き返した。
「ええと、つまり、母が俺の父と離婚した後に、一回再婚して、また離婚? 再婚してた時にできた子どもってことですか?」
「異父妹ということになりますね」
「はあ……」
曖昧に相槌を打つ。母の人生だし、そりゃあ再婚相手と子ども授かることもあるよな、そしてまた離婚して、今度の再婚相手から色々言われてんのか、とダリオは謎に衝撃を受けた自分を恥じた。母親のことは縁も切りたいし、関係ないと思っているが、別に嫌っているわけではないので、いつまでも自分だけの母親の心象があったのかもしれない。あと急に妹ができてびっくりした。むしろどう考えても後者である。
刑事たちは顔を見合わせた。
「ダリオさん、ご存じなかったですか?」
「そうですね。母とは、もうずいぶん音信不通だったので。あ、俺、子どものころに両親が離婚したんです」
「色々あったそうですね。事情うかがえますか」
刑事の目が細まり、このへんなんか関係あんのか、とダリオも続ける。
「離婚後は父が先に出て行って、母が親権とってたみたいですが、母もしばらくして、いなくなりまして……その後施設に入れられました」
「ずっと施設に?」
「いえ、何度か里親のところに引き取られました。ただ、うまくいかなくて、結局十八歳までまた施設に入ってました。今は大学で学んでますが、昨日母から接触があるまで、一切連絡とったことなかったですから、妹がいたのも知りませんでした」
そうでしたか、と刑事は言うが、それたぶん母親の方からも聞いてるだろうな、とはダリオも思う。証言の裏付けに話を引き出された感じだ。
今度は刑事の方から説明が入る。
「伺いたいのは、ダリオさん。昨日、グレーテちゃんが訪ねてきませんでしたか?」
「は……え?」
素でダリオは返してしまった。
「え、なんでその異父妹が俺を?」
「デリアさんに伺ったんですが、グレーテちゃんは、ダリオさんをお兄さんと認識していたようで。あー、つまり、デリアさんが新しく再婚されるにあたって、ダリオさんというお兄さんがいるのを知ってしまって、会いたい会いたい、と言っていたそうです」
「……あ、……そうなんですか」
知らん間に妹ができていて、妹が自分に会いたがっていたと。テオドールとおそろい過ぎて怖い。そういえば魂の相似性がなんやかんやと言っていたから、お揃い事故もシンクロニシティかなんかあるのだろうか。
「ダリオさん、昨日デリアさんが訪ねて来られた後、グレーテちゃんも訪ねて来ませんでしたか」
「いや、さっきも言ったとおり、妹がいたのも知らないくらいですから……? あ、これ俺、なにか疑われてるんですかね」
妹を知らなくても仕方ないと言いながら、訪ねて来ただろうと問われた。イエス取りされたら、妹の存在を知らないのに、妹が訪ねて来たと答えるのは、発言に矛盾が出る。矛盾があるなら、ダリオが何か隠しているということだ。誘導尋問されている具合にダリオも察した。
「はは、まあ形式的なものです。我々は聞くのが仕事ですから」
「はあ。というか、五歳児が俺を訪ねてくるって、危なくないですか? ひとりで? 母さん発狂するんじゃないかな……」
言いかけて、ダリオは口を閉じた。さすがに話がつながる。声のトーンが下がり、慎重に尋ねた。
「つまり、そういう話なんですか? グレーテちゃんが行方不明?」
「前置きが長くなりましが、そういうことです」
「じゃあ俺、誘拐犯で疑われてる感じですか」
「ははは」
笑われた。でも目は笑っていない。ちなみに、刑事の頭のリーゼントが気になる。
「デリアさんと昨日別れた後、どうされていたかうかがってもよろしいですかな」
アリバイ聞かれてるなーとダリオも理解した。
何をしていたって、その日は帰る気もなれずに、セントラルパークでぼーっと鳩に餌ヤリをしていたのが日中だ。夜になっても、まだ帰りたくなくて、公園を歩いた。結局テオドールが迎えに来そうな気がして、いつまでも公園にいられないとそこを出たのが午後七時くらい。イーストシティ駅まで行って、環状線をぐるぐる回るまま電車に乗り続けて終電で帰って来た。自分でも虚無がヤバいとは思う。それが午前二時過ぎくらいである。
「ほー、つまり、デリアさんと別れた後、その日のアリバイを証明する人はいないということですかな?」
「はあ、まあそうなるかと……」
「ちなみに、失礼ながら、ご両親とは音信不通ということで、不仲でいらっしゃいますよね。ご両親から、幼少時になにか虐待のようなことは」
あーこれ俺、完璧に両親への遺恨で疑われてんのかな~とダリオは思った。とりあえず一通りの事情は話したが、それよりも異父妹の安否が気にかかる。
「あの、グレーテちゃん? は見つかりそうなんですか」
刑事ふたりは視線を交わした。
「全力は尽くします」
あ、これダメなやつなんだな、とダリオは思う。母親のデリアと久々に顔をあわせ、口論した後にこれでは寝覚めが悪すぎる。
「俺も気を配ってみますけど、異父妹の写真って見せてもらえますか?」
最初に見せてほしかったが、この辺も容姿をダリオが知っていて口を滑らせないか見られてたのかなとは思う。
若い方の刑事が写真を見せてくれた。五歳児らしいふくふくした白く滑らかな頬に、ブロンド、グリーンアイ……
ダリオは無言で停止する。
「ダリオさん?」
刑事に呼びかけられ、あ、いや、ともろに挙動不審になってしまった。
「何かこころあたりでも?」
「いえ……あ、いや、ちょっと直前の講義で」
「失礼」
言いさしたダリオに、講義の後片付けを終えたらしい、やぼったいセーターを着たブラッドリー・ヤン講師がひょいと後ろから写真を覗き込んで来た。
「特徴がかぶっているね」
ひとりごとのように言われ、ダリオも頷く。
一方、刑事たちの方はあまり驚いたようすもなく、
「ヤン先生、どうも」
と挨拶する。知り合いらしい。ヤンの方から説明があった。
「時々、犯罪心理学の協力要請があってね。刑事さんたちとは顔見知りだよ」
ヤンは先ほどの講義内容について刑事たちに簡単に述べてみせた。リーゼント頭の刑事は頷く。
「ヤン先生のおっしゃるとおり、三歳から七歳の人種は白人の女児、ブロンドにグリーンアイで、特徴がかぶっていますな」
同じ特徴の女児が、公衆トイレなどの公共施設で行方不明になり、強姦された上でセントラル・リバーやグレート・ネックなどのポイントで遺体を引き上げられていた事件である。
ダリオは関連付けて、ぞっとした。
グレーテは写真では綺麗な金髪にグリーンアイだ。母親のデリアは生来ブロンドではないので、思春期になると髪色が茶や黒っぽくなることはあるものの、子どものころは金髪というケースなのかもしれない。
「更に犠牲者の共通点は、ネグレクト気味の子どもたちでね。思い切り聞き耳立ててしまってすまないが、ダリオ君は子供のころはけっこうそんな感じだったんだろう?」
「あー……まあそうですね。五歳とかでも、ひとりで公園行ってました。飼ってた犬と一緒でしたけど」
グレーテをデリアはダリオよりは「まともな子ども」としてかわいがっているようだったが、異父妹がひとりで「お兄ちゃん」を探しに行ったとしたら、五歳児が無防備に出歩いていたことになる。
「あの、ヤン先生、講義してもらった直後で、あまりにもタイミングよすぎる感じですが、どうしてこの話を?」
「ああ、まあそろそろ悪い『周期』だと思ってね。さすがに、講義で話した直後にこんな話を聞くとは思わなかったけれど」
「悪い『周期』?」
「段々間隔は狭まっているが、少なくとも二年に一回。近年だともうそろそろ次の犠牲者が出る時期だと思っていたので、学生から質問されて、連想的にね」
「はあ、なるほど……」
めちゃくちゃ間が悪かったというか、よかったと言うべきか。
「ただ、僕は、犠牲者はもっと実際は多いと思ってるんだけれどね。少なくとも、イーストシティ近郊においてはこの辺の周期かなと思っていた」
「ヤン先生。よろしければまた署の方で詳しくお話を伺えますか」
「ああ。構わないよ。ダリオ君はもう解放してあげていいのかな」
「そうですな、ダリオさん、ご協力ありがとうございました。何か思い出されたら、こちらへまたご連絡をお願いします」
「あ、いえ……」
ダリオは再び曖昧に答えた。最後に、ヤンが「参考になれば」と、手帳に何か書きつけて、びりっ、と躊躇せずに破ると、ダリオに渡してくれる。
彼らが去って、メモを見れば、ヤンが目星をつけていたらしい事件の年月日、発見場所、被害者氏名の簡単なリストだ。
どういうつもりで渡したのかわからないが、助かるなと素直に思った。
それから一通り講義を終えて、クラブ・ラビット・ホールでアルバイトをしていると、また昨日の今日ので、実母のデリアが現れた。さすがに憔悴しているようで、再度「話がある」と言われてもダリオは断れなかった。
幸いなのは、デリアが周囲の目線を気にするところだろう。アルバイト先で半狂乱になるようなことはなかった。
昨日のカフェテラスで対面に腰を下ろすと、青白い顔でデリアが口を開いた。
「ダリオ……またあんたでしょ」
顔をそむけ、がりがりと無意識にか自分の肘に爪を立てている。ダリオは異父妹のことは知らなかったし、自分は何もしていないと言いたかったのだが、デリアの異様な様子に口をつぐんだ。
がりがりがり、とデリアは更に自分の腕を掻きむしるようにした。
「あんたが仕返しに誘拐したとかどうとか考えてないわよ……でもまたあんたなんでしょ……あんたが関わるとろくなことがない……だからグレーテには関わらせないようにしていたのに……あんた異常なのよ……音信不通だったけれど、あんたのことはちゃんと把握してたわよ。また関わりたくなかったから! 関わりたくなかったのはこっちなのよ! 里親先でもまた『あった』んでしょ。知ってるわよ……さ、さいきんは、落ち着いてるって調査報告来てたから、再婚のために仕方なく……大丈夫かと思って……もうかんべんしてよ……あんたのせいで、うちはめちゃくちゃなのよ……グレーテまで……あ、あんたなんなの。かんべんしてよ。もうゆるしてよ。グレーテまで巻き込まないでよ。あんたのまた『あれ』で、グレーテを巻き込んだんでしょ。返してよ……あの子は『まとも』なんだから……あんたみたいにケロッと帰ってきたりできないのよ……お願いだから返してよ。もうじゅうぶんでしょ。巻き込まないでよぉ……」
昨日の様子が一転、デリアはダリオと目を合わせることすらせずに、小声で、そして早口で、懇願するように話し続けた。
ダリオは内心嘆息する。知ってた。異常者呼ばわりしてくる両親たちが、内心ダリオを恐れていたことを。
正確には、ダリオの周囲で起こる、説明のつかない現象を恐れていたのだが、ダリオを中心にそれらが多発するので、結局彼らは自分たちの息子を恐れていたとも言える。
ダリオ自身は家族でもっともウィークネスだから、嘘吐きや異常者と面罵していたが、そうやって抑え込むことで、自身の恐怖から目を逸らしていた部分もあったのだろう。
罵られてはいるが、五歳の娘のことはまあふつうにかわいがってんのかな、とダリオは多少ほっとした。さすがに、五歳児がダリオと同じような扱いを受けていたらかわいそうだ。色々複雑なことがあって、ダリオも別に『ケロッとしていた』わけではないが、両親から面罵されても、自分は駄目な子なんだ、両親から愛されていないんだ、だから自分の人生は不幸なんだ、とならなかったのがダリオである。この辺は、環境によってつくられる性格もあるが、個体差なんだろうなと思う。当時からダリオは両親が変だなと思っていたし、怪異の多発は自分も関係あるが、自分を異常者呼ばわりする両親の言動もたいがいやばいなと自然に考えていた。
ダリオは子供の時分から、周囲が『一+一はゼロです!』とどんなに言っても、『いや、それは二だよ』と周りの意見にファクトを左右されない性格だったのである。その言い分に理があれば、意見を変えるのもやぶさかではないが、一+一=? レベルの話は、ゼロと言われても、いや二だよ、となる。
なので、どんなに両親がお前は嘘吐き、屁理屈ばかり言う、異常者、と言っても、なんだかおかしいなあという感覚は始終持っていて、言われたことでそうなんだ、自分は嘘吐きの屁理屈ばかり言う、異常者なんだ~~~となったりはしなかったのだった。
ダリオとて傷つく時は傷つくが、『一+一はゼロぉおお!』と叫ぶ人に、そうだよね、とはならないため、おかしなことを言う人の言動は真正面から受け入れないよなあということだ。
だから、デリアの言う『巻き込まないでよ』はけっこうざっくり来た。
今回は関係ないと思うが、実際ダリオが意図しないにせよ、最も身近な人間である両親たちを、『巻き込んで来た』のは事実だったので、申し訳ないなという気持ちはあったのだ。
ダリオもずいぶん怖い思いをしてきたが、何も見えない両親たちは、原因がわからないことで、それに輪をかけて恐ろしかったに違いない。
彼らからは、ダリオを中心に、不可解で説明のつかない怪現象が起きて見えたはずである。
異常者呼ばわりはされたが、悪魔呼ばわりはされなかったな~、というあたり、両親たちの最低の愛情は感じないでもなかった。
まあそれにしたって、やっぱり父も母も嫌なやつだなとは思う。血縁関係でなければ、知り合っても友達にはなりたくないタイプだ。それはそれ、これはこれ。ダリオはそういうところがあった。
ダリオが最も傷つくとしたら、それは『嫌なやつ』である母親が、弱っているのに、更に追い打ちをかけるような真似をしないといけない場合だろう。
嫌なやつに罵られるより、弱っている人を痛めつける自分を客観視すると、しんどいし、辛い。
だから昨日ダリオは落ち込んでしまった。関わりたくないけれども、相手を拒絶して、傷つけたのではないかと思うことの方がスリップダメージが凄い。
せめてダメージ最小限でいきたいと、さっさと線引きしたはずが、今日はこうなってしまっている。
「あのさ……今回、俺、本当になんもしてないけど……別にそれは信じてくれなくてもいいけど、母さんが俺になんか『あれ』な巻き込む力があると思ってるなら。俺、グレーテちゃんを探してみるよ。巻き込まないでって思うだろうけど、もうこれ以上悪くなりようがないだろ? だから、まあ、信用できないのもわかるし、俺の『あれ』でなんとかなるといいなくらいにさ。本当は、子どもの時は、『あれ』は俺にもどうしようもなかったけど、今は多少なんとかなるようになったから、それで探してみるからさ」
デリアは無言だった。
凍り付いている。
だがやがて、う゛、う゛~~~~~~、と泣き出してしまった。
ダリオは片手を上げて、母の肩を抱くか、ハンカチを出すか、迷ったが、結局、俺にされても迷惑だもんな、とその手の置きどころもなく下ろした。
ダリオは先にふたりぶんの支払いを済ませ、赤の他人なら見守るところを、俺がいると余計に悪くなりそうだなと席を立つことにした。
とりあえず、この辺りの現実的な聞き込み捜査は警察がやってくれているだろう。そちらで発見されれば一番いい。
そうじゃない場合の方をダリオが調べる。
ヤンのくれたメモを確認して、水中死体が発見されたポイントを回る手順をざっくり組み立てた。
一番近いところは徒歩でいけるな、とそこから回ることにする。
「ダリオさん、どちらへ」
既視感のするような呼びかけに、ダリオは振り返りもせず歩いた。ぞっとするような黒髪の美青年が、ハイブランドスーツを身にまとい、涼しい顔でダリオの隣に並ぶ。
「今お前、いきなり横に現れたよな」
「空間跳躍を多少嗜みますので……」
「この会話デジャビュ過ぎる。前、いきなり現れるの遠慮してくれって言って、納得してただろ」
本当に、空間跳躍を嗜むってなんだ。テオドールが横に並ぶと、周囲からの視線もきつい。往来の人々がぽーっと見惚れるように視線を寄越し、中には黄色い悲鳴を上げ倒れる人も見えたが、今回は見なかったことにしようとダリオは諦めた。
「ここからですと、セントラル・リバーの第四番目被害者が発見されたポイントから回られますか?」
「なにげに全部状況把握してないかお前……」
ダリオは呆れた。テオドールはそれこそ、しれっとした顔で、平然と口にする。
「ダリオさんに嫌われたくありませんが、昨晩から落ち込まれていたようなので、状況把握を優先しようかと」
「ああそう……ありがとよ」
感謝したらいいのか、人外能力をフル駆使して、凄い精度のストーカー行為をされた告白を呆れたらいいのか。ダリオは心中複雑に礼を言った。
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