黄泉津役所

祭り

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夜にみんな帰宅して、父に痣の話をすると「俺にもあるぞ？」と肘を見せてくれる。

よく似た形だが、「肘だから忘れてたよ」と笑っているが、これは遺伝なのだろうか？

「丈史、今から志那と出かけてくる。結界から出るなよ」

「高龗神探しに行くの？」

「まあな。それと祭り前の雑魚退治」

「私は付き添いです」

行ってらっしゃいと送り出して、桃ちゃんに「桃ちゃんは変なもの見えるの？」と聞くと「怖いなって思うものは見えるけど、おうちの外ならあっち行けしたら居なくなるよ？」とキョトンと言うので、普段は分からないが神様だったんだとがっくり。

でも、あんな小さい子にできるのだから、意識をしたら俺でもできるのか？と考えている間に、本を読み終え、まだ帰ってこないなぁと風呂に入り頭を拭いていると、「丈史、丈史！」と婆ちゃん。

「なに？」

「部屋に来てちょうだい」

なんだろう？と部屋に行くと古いアルバム。

「すげー、白黒」

「だんだんと今風のに変わっていくけど、ほら、これがお婆ちゃん」

「わかっ！」

「美人だろう？一目惚れでな。見合いを何度申し込んだことか」

「ほほほ。隣町の方と聞いていただけで、写真だけでしょう？怖い顔で写ってるしどんな方か分からなかったから断りまくったのよ。ほら、ここを見て」

祖母が指を指したところを見ると、神社の鳥居の前で撮った写真は今で言うところの団体写真。

「闇之助？じゃないよね？」

「でも似てるでしょう？」

「どこの写真？」

「そんな昔のこと覚えてないわよ」

帰ってきたら見せようかとリビングに置けばいいよとほかのも見ていく。

「足がない！」

「光の加減よ」

「今では心霊写真とか言うんだろう？」

「初めて見た！」

他にもないかな？とみていくと、何枚か変な写真があったので、それを見せようと机に積んでおく。