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16 メメント・モリ
16ー4 戦友?
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16ー4 戦友?
すごく年下でイケメンのお貴族様の婚約者がわたしには重荷だったのかもな。
わたしは、夕食の用意をしながら自嘲した。
夕食は、パスタ料理とサラダとガーリックトーストだ。
葉野菜をちぎりながらわたしは、ぶんぶんと頭を振った。
ライナス先生は、戦友みたいなものだ。
あの地獄みたいだった治療院を一緒に改革した仲間だ。
そして。
こんなわたしを無条件で受け入れてくれた。
本当にすごく好い人。
きっと結婚すれば幸せになれること間違いない。
だけど。
わたしは、まだ彼に嘘をついていた。
というか、本当のことを話せずにいた。
わたしが異世界から来たということ。
そして、精霊の愛人であることも。
それに。
いつか、もとの世界に帰るつもりだということもな。
今、わたしは、心が揺らいでいる。
もし、もとの世界に帰れるとしたらわたしは、どうするのだろうか?
この世界にも友人や仲間が増えてきた。
そして、愛する人もいる。
わたしは、この世界に未練があったんだ。
だけど。
帰らずにこの世界に骨を埋めるのはちょっと戸惑われる。
もとの世界には、高齢者となりつつある両親がいるのだ。
どうして帰らずにいられるのか?
きっと二人とも心配していることだろう。
もとの職場の連中だってそう。
突然、姿をけしたわたしのことを待っているにちがいないっ!
いや、職場の連中は待ってないか。
だけど、間違いなく両親は待っている筈だ!
わたしは、独り言のように呟いた。
「どうすればいいんだろうねぇ?」
だが、それに答えるものは誰もいなかった。
ルゥのやつ、こういうときにはきやしねぇ!
あんがい精霊様は、冷たい連中なんだな!
夜が来て夕食の準備もできた頃、玄関の呼び鈴がなった。
扉を開けるとそこには、ライナス先生の姿があった。
本当に、輝くばかりに美しい男だな!
「ただいま、トガー」
いたずらっぽく言ったライナス先生にわたしは、答えた。
「おかえりなさい、ライナス先生」
こんなやり取りがなんだか気恥ずかしい。
なにしろ、わたしは、もう何年も恋すらしていなかったんだし!
すごく年下でイケメンのお貴族様の婚約者がわたしには重荷だったのかもな。
わたしは、夕食の用意をしながら自嘲した。
夕食は、パスタ料理とサラダとガーリックトーストだ。
葉野菜をちぎりながらわたしは、ぶんぶんと頭を振った。
ライナス先生は、戦友みたいなものだ。
あの地獄みたいだった治療院を一緒に改革した仲間だ。
そして。
こんなわたしを無条件で受け入れてくれた。
本当にすごく好い人。
きっと結婚すれば幸せになれること間違いない。
だけど。
わたしは、まだ彼に嘘をついていた。
というか、本当のことを話せずにいた。
わたしが異世界から来たということ。
そして、精霊の愛人であることも。
それに。
いつか、もとの世界に帰るつもりだということもな。
今、わたしは、心が揺らいでいる。
もし、もとの世界に帰れるとしたらわたしは、どうするのだろうか?
この世界にも友人や仲間が増えてきた。
そして、愛する人もいる。
わたしは、この世界に未練があったんだ。
だけど。
帰らずにこの世界に骨を埋めるのはちょっと戸惑われる。
もとの世界には、高齢者となりつつある両親がいるのだ。
どうして帰らずにいられるのか?
きっと二人とも心配していることだろう。
もとの職場の連中だってそう。
突然、姿をけしたわたしのことを待っているにちがいないっ!
いや、職場の連中は待ってないか。
だけど、間違いなく両親は待っている筈だ!
わたしは、独り言のように呟いた。
「どうすればいいんだろうねぇ?」
だが、それに答えるものは誰もいなかった。
ルゥのやつ、こういうときにはきやしねぇ!
あんがい精霊様は、冷たい連中なんだな!
夜が来て夕食の準備もできた頃、玄関の呼び鈴がなった。
扉を開けるとそこには、ライナス先生の姿があった。
本当に、輝くばかりに美しい男だな!
「ただいま、トガー」
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「おかえりなさい、ライナス先生」
こんなやり取りがなんだか気恥ずかしい。
なにしろ、わたしは、もう何年も恋すらしていなかったんだし!
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