魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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8 楽しい休暇は、魔境から

8ー5 告白

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 8ー5 告白

 湯を沸かせて俺は、ルカと改発した固形スープをカップに入れて湯を注ぐ。
 ふわっと辺りに胃を刺激するいい匂いが漂う。
 俺は、そのカップを黙ってアンドレア様の方へと差し出した。
 「…気づいていたのですか?私が意識を取り戻していること」
 アンドレア様が震える声できいた。
 彼女は、俺の差し出すカップを受け取る。
 俺は、アンドレア様を見ることができなかった。
 「いつから、気づいていたんです?」
 今度は、俺が訊ねた。
 アンドレア様は、消え入りそうな声で答えた。
 「と、途中からです」
 いやっ!
 俺は、心の中で悶えていた。
 何の途中だよ?
 俺は、自分とニャーの分のスープを用意するとニャーのために皿に注いでやる。
 ニャーは、猫だからか熱いものは苦手だ。
 俺は、『魔法』でスープを冷ましてやった。
 ニャーが横たわったままスープをぴちゃぴちゃ、飲んでいるのを無言で見つめながら俺もスープを飲む。
 居心地の悪い静寂に包まれている。
 「あ、あの!」
 アンドレア様が口を開く。
 「あまり、気にしないで、くださいね」
 俺は、アンドレア様の言葉に思わずかぁっと頭に血がのぼるのを感じていた。
 「…気にしますよ!」
 俺は、アンドレア様に背を向ける。
 燃え盛る炎を見つめて呟く。
 「す、きな人にキスしたんだから」
 しん、と重い沈黙が漂う。
 言ってしまった後で、俺は、後悔していた。
 言うんじゃなかった。
 アンドレア様が困惑しているし!
 「というのは」
 「私も!」
 全てを冗談にしようとした俺の言葉を遮ってアンドレア様が声を発した。
 「エドワード様のことが…す、きです!」
 マジですか?
 俺は、信じられない気持ちでアンドレア様を見た。
 アンドレア様は、頬を真っ赤に染めてうつ向いている。
 俺は。
 アンドレア様の方へと手を伸ばして。
 そして、その手を引っ込めるとおもむろに立ち上がった。
 「ちょっとお花摘に行ってきます」
 俺は、そのまま歩き去る。
 ダンジョンの奥へと向かいながら俺は、憤っていた。
 俺!
 なんて意気地無しなんだ!
 でも。
 アンドレア様に触れることはできなかった。
 あれは、この世界でもっとも尊い方だ。
 俺の主、だ。
 俺は、どんどんダンジョンの奥へと進んでいった。
 魔物の気配がする。
 無意識に『魔法書』を手にして魔物を撃退しながら、俺は、歩き続けた。
 俺、なんてことを言ってしまったんだ!
 
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