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1 ポンコツパーティで始める楽しい異世界旅。なんじゃそりゃ!
1ー6 教育って、なんですか?
しおりを挟む「我々は、今では、逆賊に乗っ取られてしまった故国を取り戻すために、こうして身分を偽って国から逃げ延びているのです。しかし、この度、予言の書にある勇者が召喚されるときき、この元王国魔導士であるアリサ・ナウヴィス、今では、吟遊詩人ですが、彼女があなた様をお迎えにいったという次第でございます」
「でも、俺、勇者じゃないって城から追い出されたんですけど」
俺が言うと、彼等は、にやり、と悪い笑いを浮かべた。
「奴等が、あなた様のことを勇者と気づかずに追い払うであろうということも予言されておりました」
「なんだよ?それ」
俺は、きいた。
「なんで、勇者と気づかないわけ?」
「あなた様のギフトは、心正しき者にのみ知らされるものだからです。悪しき者たちからは隠されているのです」
マジでか?
俺は、ナジに訊ねた。
「ところで、勇者って、何をすればいいわけ?」
「簡単です」
マージニア姫が微笑んだ。
「逆賊どもを討ち滅ぼし、我らがクリスティア王国を我々の手に取り戻していただければよいだけです」
はい?
俺は、半笑いで答えた。
「無理ですよ」
「はい?」
姫の微笑みが凍りついていった。よろめく彼女をそっと支えつつ、アリサが声をかけた。
「しっかり、姫様」
「ああ、アリサ」
姫が涙ぐんで言った。
「どうしたらいいのです?勇者様にまで見捨てられてしまったのです、私たちは」
「大丈夫です、姫様」
アリサが姫に囁いた。
「この勇者様は、少し、ヘタレ・・いや、まだ、勇者となって日が浅いために己の背負うものに気づかれてはいないだけなのです。いましばらく様子を見ながら、我々が教育していくしかないのです」
はい?
俺は、信じられないものを見るような目でアリサと姫のことを見つめていた。
教育?
どういうこと?
「あー、とにかく、この街に留まり続けることは危険です。一度、この国を出て隣国へと向かいましょう」
アリサが言うと、姫は、頷いた。
「そうですね。我々は、まず、生き延びねばならないのですから」
姫がきっ、と俺の方を見据えた。
「しばらくの間、あなたは、勇者ではなく、この一座の詩人兼下働きです。よろしくって?」
はい?
俺は、呆気にとられていたが、なんとか姫に訊ねることができた。
「俺、もとの世界に戻してもらいたいんですけど、ダメですか?」
「それは」
姫の表情が曇った。
「我々の力では、いかんともしがたいのです」
「どういうこと?」
俺が問うと、姫は、言いにくそうに言った。
「あなたは、もう、もとの世界には戻れません」
はぁ?
俺は、フリーズしてしまった。
マジですか?
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