裏スキルで最強異世界攻略~異世界召喚されたのだが、勇者じゃないと追い出されたので新しい国を造りました~

トモモト ヨシユキ

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1 ポンコツパーティで始める楽しい異世界旅。なんじゃそりゃ!

1ー7 湖を盗め!

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    そういうわけで、俺とガルセル一座は、翌日、南に向かって街を出た。
   南には、かつてのクリスティア王国国王の友でもあるムジク・バサラティ王が治めるバサラティ王国があるらしく、そこへ逃れれば安全なのだとナジは言った。
   だが、バサラティ王国へと向かう道には魔族の住む森があり危険なのだという。
   だから、普通は、ギルドで警護の冒険者たちを雇って旅をするらしいのだが、この貧乏一座には、もちろんそんな余裕はなかった。
   「何、どんな魔物が出ても、このジルが討伐してみせます。どうか、ご安心を」
    ジルは、そう言って荷車をひく地竜を走らせた。
     だが、俺たちの荷車は、森に入るとすぐに急停車した。
    壊れた馬車が道をふさいでいたのだ。
    「どうしたのでしょう?」
     アリサが問うと、ジルが答えた。
     「ちょっと、様子を見てきます」
      ジルは、手綱をアリサに預けると御者台から飛び降りた。
     車輪の外れた荷車の回りには、数人の褐色の肌の異国の民らしき人々が立ち尽くしていた。
    「どうやら、荷車が壊れて、そのときに馬にも逃げられ、難儀しているようです」
    それは、隣国バサラティ王国よりもさらに南にある砂漠の民のキャラバンだった。
    彼らは、砂漠の民の珍しい手芸品やら美術品やらと交換に、バサラティ王国やクリスティア王国で魔法の種を買い付けに 着たのだという。
    「あの連中の国では、雨は滅多に降りません。だから、こちらの国へ水を降らせるための魔法を買いに来たようです」
    ジルは、言った。
   「どうやら、クリスティア王国でうまく買い叩かれ、思ったほどの魔法が買えなかったようです」
    「それは、気の毒な」
     姫が溜め息をついた。
    「私が水魔法が使えさえすれば、いくらでも水を出して差し上げることができるのですが」
    それは、無理な話だった。
    なぜなら、姫は、王族でありながら無魔法能力者だったからだ。
   そのせいもあって、姫の叔母である現女王に反逆されたらしい。
    うん。
    そう思えば、少し、この姫もかわいそうなのかも。
   俺は、何の気なしに考えていた。
   俺は、水魔法が使えるのかな?
   すると、ピコンと音がしてウインドウが開いた。
   『使用可能』
     すぐに、別のウインドウが続いた。
    『裏スキル   ストレージ』
     ん?
    俺は、小首を傾げた。
    ストレージ?
    「そうだ!」
     俺は、姫たちに言った。
    「水ならただで手に入りますよ」
     俺は、どこかに水が多量にあるところがないか探したい と思っていた。すると、また、ピコンと音がして、ウィンドウが開いた。
    『異世界地図』
      俺は、地図を見て、この近くに大きな湖があることに気づいた。
     『ウルディナル湖』
      それは、クリスティア王国の水瓶の1つである、巨大な湖だった。
    俺は、ジルにその湖へと向かうようにと頼んだ。
    俺たちは、異国のキャラバンの人々を荷車に乗せて、その湖へと向かって出発した。
    ウルディナル湖は、クリスティア王国の南の国境近くにある大きな湖だった。
    それは、本当に巨大で、一瞬、海なのではないかと俺は、思った。
    「大きい・・」
      「当然ですわ」
      姫が、どや顔で言った。
     「ここは、クリスティア王国の主要な水瓶の内の1つですもの。この澄んだ水が我が王国の大地を豊かにしているのです」
    「そうなんだ」
     「このようなところに来て、どうするつもりですか?カナメ様」
    アリサに聞かれて、俺は、にやっと笑った。
   「単純だけど、すごくいい解決法があるんです」
   俺は、ウィンドウを開くとストレージを選択した。そして、この巨大なウラディナル湖の水をストレージへと収納していった。
    みるみるうちに湖の水が消えていくのを見て、人々は、息を飲んだ。
    俺も、少し、驚いていた。
    ストレージとはいえ、無限ではない筈。
   なのに、この巨大な湖を干からびさせるほどの水を収納できるとは。
    「な、何をしているのです?カナメ」
     青ざめた姫が俺にきいたので、俺は、にっこりと笑った。
    「何って、水をいただいているんですが」
     「そんなことしたら、クリスティアが困るでしょう!」
     「残念ながら」
      俺は、姫に言い放った。
    「俺は、クリスティアに何も、思い入れがないもので」
     「返しなさい!速く!」
      「姫だって、この国の逆賊として追われてるんでしょ?少しぐらい、この国が困るとこ、見たくないんですか?」
    「それは・・」
    俺が言うと、姫は、言葉を飲んだ。
    俺は、かまわず、湖の水をどんどん収納していった。
     「確かに、ここが渇れれば王国の者たちは、とても困るでしょう」
     ナジが平然として言った。
    「なるほど、これが、あなたのちょっとした意趣返しというわけですか。カネメ殿」
     俺は、ふふん、と笑った。
     ざまあみろ、あの女狐め!
     俺は、湖の水を全て収納し終わると、みんなを振り向いて言った。
    「さあ、砂漠の民の国へ行きましょうか」
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