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1 ポンコツパーティで始める楽しい異世界旅。なんじゃそりゃ!
1ー10 女って、わからねぇ!
しおりを挟む「さすがは、我々の勇者様です」
俺とアリサを拾うために戻ってきた荷車に乗った俺たちに姫がなぜかどや顔で言ったので、俺は、ぷいっと横を向いた。
俺は、忘れてねぇぞ。
俺は、姫を冷ややかな目で睨み付けながら思っていた。
この女は、俺を荷車から突き落とした女だ。
「あの・・」
姫がさすがに俺の怒りを察したのか、シドロモドロ言った。
「私は、信じていました。あなたがこの試練に打ち勝ち、勇者として目覚めるであろうことを」
「どうだか」
俺は、ふん、と鼻で笑った。
「どうせ、城の奴等みたいに、俺のことなんて使い捨てだと思ってたんじゃねぇの」
「ひどい。それは、ひどいです、カナメ様」
アリサが言った。
「姫様は、少し、傲慢で世間知らずではありますが、あの逆賊どもとは違います。事実、こうして我々を迎えに戻ってきてくれたではないですか」
「ゴーレムがいなくなったから様子を見に来たんじゃねぇの?」
「カナメ様!」
「よいのです、アリサ」
姫が涙ぐんで俺を見つめた。
「獅子は子をせんじんの谷へと突き落とすと聞いたことがあります。私もまた、あなたを勇者として目覚めさせるためにやったのです。悪気があったわけではありません。それだけは信じて」
ウィンドウが開く。
『鑑定 泣き真似』
「ウソつくな!」
俺が言うと、姫は、ちっと舌打ちした。
何?
この姫、ちょっと変じゃね?
「とにかく結果オーライなのです」
姫が清々しく微笑む。
「さあ、砂漠の民の幻の都、クリシュナーダ・クスタリカへ急ぐのです!」
姫の変わり身の速さに、俺は、少し、驚いていた。
なんだよ、それ?
くっと悔しさに俯く俺を子竜が覗き込む。
「きゅう?」
ああ。
お前だけだよ、アズミちゃん。
俺は、子竜を抱き寄せ、喉を撫でてやる。
「きゅるっきゅ」
喜んで俺にすり寄るアズミちゃんに、俺は、つかの間の安らぎを得ていた。
ああ、ほんとにアズミちゃんは、かわいいな。
こんな俺のちょっとした幸せを壊したのは、やっぱり姫の一言だった。
「何?ちょっと、怖い。アリサ、子竜を保護しなさい。カナメに子竜がいたづらされないうちに」
はい?
信じられない。
俺は、アズミちゃんを離すと、姫を睨んだ。
「なんで、俺が動物をいじめなきゃならないんだよ!」
「なら、いいんです」
姫は、平然として言った。
「あなたが、その溜まりに溜まった抑圧された欲望をその子竜にぶつけなければかまわないのです」
何、それ?
俺は、かあ、っと頭に血が上っていくのを感じていた。
「人を変態みたいに!」
「変態です」
姫は、言い放った。
「私のような美少女がいるのに、見向きもせずに竜と戯れているなんて、変態としか思えません」
「アズミちゃんは、お前みたいに、性格が歪んでないんだよ!」
俺は、言った。
「素直でかわいいんだよ」
「そういうのが好みなのですか?」
姫が、俺から目をそらして、少し、涙ぐんでいる。
また、ウソ泣きか!
『鑑定 マジ泣き』
ええっ?
俺は、マジで、ショックを受けていた。
ほんと。
女って、わからねぇ!
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