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5 お家問題勃発!でも、大丈夫、うちは度量が広いので!
5ー8 奴隷、拾っちゃいました
しおりを挟む地竜は、3日3晩走り続ける。
4日目の朝には、ようやくバサラティ王国が見えてくる。
そこが地竜の旅の終点だ。
地竜は、それから4日の間、厩舎でゆっくりと休憩をとる。
そして、充分休むと、またエレクシアへと向かって旅立つのだ。
俺たちは、地竜乗り場から歩いてバサラティ王国の国境を守っている砦まで向かった。
そこで通行許可証を見せて入国する。
通行許可証は、姫が書いた本物の書類だ。
そこには、俺の名前と、年齢、そして、職業が書かれている。
カナメ・ハシダ 17才 職業 農民
なんで、農民?
だけど、まあ、詩人よりかはよほどいいか。
俺は、無事にバサラティ王国に入国できたけど、なんか、複雑だった。
その砦を出ると、そこは、もうバサラティ王国の領土だ。
バサラティ王国は、他の国に比べると領土は狭い。
だが、有名なダンジョン都市が幾つもある、冒険者の国だ。
国王ムジク・バサラティは、若い頃は、名高い冒険者だったらしい。
姫の父である前クリスティア王国国王とは、同じ魔法学園で学び、卒業後は、パーティを組んでいた友人だったのだという。
そんなバサラティ王が親友の娘である姫に嘘をつくなんてことがあるのだろうか?
俺は、バサラティ王国の第二の都市であり、問題のカリファの出身地であるクダムへと向かう乗り合い馬車へと乗り込んだ。
クダムは、バサラティ王国でも人気のあるダンジョン『火炎の宮』のあるダンジョンシティだ。
街の入り口で俺は、ギルドカードを見せた。
これは、本物の俺のギルドカードだった。
冒険者ギルドで作ったものだ。
名前と職業とランクが書かれたカードだ。
ちなみに俺は、Fランクの冒険者だ。
だって、クエストとかしてねぇしな。
俺のカードを見て門番の男は、鼻で笑った。
「Fランクの農民、ねぇ」
門番は、俺にきいた。
「今回の目的は?まさか、ダンジョンじゃねぇだろうな?止めとけよ、Fランクの農民には、ダンジョンは、無理だ。せいぜい薬草でも採集してな」
「いえ、ただの観光です。カジカ祭りの見物がしたくって」
俺がそう言うと、やっぱり、同情するような目で見られたが、門番は、俺を通してくれた。
「こいつ、逃亡奴隷だ!」
突然、俺の背後で声があがった。
俺が振り向くと、1人の猫耳族の少女が門番の兵士だちに取り押さえられていた。
「わ、わたしは、逃亡奴隷じゃない、です。主人は、旅の途中で魔物に襲撃されて死にました」
「何?」
男たちの目の色が変わった。
主人のいない奴隷は、拾った人間のものになる。
「この町に主人の友人の方がおられるので訪ねてきたのです。どうか、通してください」
「では、通行料を払ってもらおうか」
兵士がにやにや笑って言った。
「奴隷は、1人銀貨30枚だ」
「そ、そんな」
少女が泣きそうな顔になっているのを見て、俺は、割って入った。
「この子は、俺の知り合いです。通行料は払いますから、どうか、通してください」
俺は、兵士に銀貨30枚を支払うと、その少女を連れてその場を去った。
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