17 / 176
第2章 聖女の騎士
2ー6 母
しおりを挟む
2ー6 母
わたしがアルタス様とウルティア様と共に竜車にのって王都を目指し旅立つ日がやってきた。
ルドクリフ辺境伯のお屋敷の皆さんやギリウス先生に見送られてわたしたちがのった竜車は出発した。
ちょっとしたリビングぐらいの広さのある竜車の中には、ソファやテーブルが置かれていて旅の間もわたしたちは、ゆったりと過ごすことができた。
わたしたちは、執事のダニエルさんがいれてくれたおいしいお茶を飲みながらのんびりと旅をした。
わたしは、竜車の端にある大きな窓に張り付いて外の景色を眺めていた。
流れていく景色は、広大な緑の農地から徐々に離れていき果ての見えない草原に変わっていく。
「この平原は、我が領地の南の果て、ラクロス平原だ。この平原の向こうに冒険者たちが集うダンジョンの街カリムがある」
わたしの横から窓の外をみていたアルタス様が説明してくれた。
「カリムは、自由都市でね。我が領土にありながら領主の私ではなく冒険者ギルドが統治しているという変わった街だ」
自由都市。
わたしは、遠く、草原の果てへと目をこらした。
「いや、さすがに街道からは、カリムの街は見えないよ。カイラは、カリムの街に興味があるのか?」
アルタス様に問われてわたしは、首を傾げた。
「わたしは、ずっと孤児院のある街から出たことがなかったんです。アルタス様のお屋敷のある領都もまだお屋敷以外は、よく知りません」
わたしは、ゆっくりと考えながら答えた。
「だけど、新しい場所に行くことはなんだかとてもどきどきします」
「そう」
ウルティア様がにっこりと微笑んだ。
「きっとあなたは、これから私たちの想像もできないような冒険をするんでしょうね。そしたら、必ず私たちのあのお屋敷に帰ってきていろんなお話をきかせてね、カイラ」
わたしは、なんだか暖かなものに包まれるような気持ちがしていた。
もし。
前世のお母様が生きていたならこんな感じだったのだろうか。
わたしは、なんだか涙が出そうな胸が締め付けられるような気持ちになった。
わたしがアルタス様とウルティア様と共に竜車にのって王都を目指し旅立つ日がやってきた。
ルドクリフ辺境伯のお屋敷の皆さんやギリウス先生に見送られてわたしたちがのった竜車は出発した。
ちょっとしたリビングぐらいの広さのある竜車の中には、ソファやテーブルが置かれていて旅の間もわたしたちは、ゆったりと過ごすことができた。
わたしたちは、執事のダニエルさんがいれてくれたおいしいお茶を飲みながらのんびりと旅をした。
わたしは、竜車の端にある大きな窓に張り付いて外の景色を眺めていた。
流れていく景色は、広大な緑の農地から徐々に離れていき果ての見えない草原に変わっていく。
「この平原は、我が領地の南の果て、ラクロス平原だ。この平原の向こうに冒険者たちが集うダンジョンの街カリムがある」
わたしの横から窓の外をみていたアルタス様が説明してくれた。
「カリムは、自由都市でね。我が領土にありながら領主の私ではなく冒険者ギルドが統治しているという変わった街だ」
自由都市。
わたしは、遠く、草原の果てへと目をこらした。
「いや、さすがに街道からは、カリムの街は見えないよ。カイラは、カリムの街に興味があるのか?」
アルタス様に問われてわたしは、首を傾げた。
「わたしは、ずっと孤児院のある街から出たことがなかったんです。アルタス様のお屋敷のある領都もまだお屋敷以外は、よく知りません」
わたしは、ゆっくりと考えながら答えた。
「だけど、新しい場所に行くことはなんだかとてもどきどきします」
「そう」
ウルティア様がにっこりと微笑んだ。
「きっとあなたは、これから私たちの想像もできないような冒険をするんでしょうね。そしたら、必ず私たちのあのお屋敷に帰ってきていろんなお話をきかせてね、カイラ」
わたしは、なんだか暖かなものに包まれるような気持ちがしていた。
もし。
前世のお母様が生きていたならこんな感じだったのだろうか。
わたしは、なんだか涙が出そうな胸が締め付けられるような気持ちになった。
30
あなたにおすすめの小説
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
yukataka
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!
白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、
《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。
しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、
義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった!
バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、
前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??
異世界転生:恋愛 ※魔法無し
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
【完結】憧れの異世界転移が現実になったのですが何か思ってたのと違います
Debby
ファンタジー
【全話投稿済み】
私、山下星良(せいら)はファンタジー系の小説を読むのが大好きなお姉さん。
好きが高じて真剣に考えて作ったのが『異世界でやってみたい50のこと』のリストなのだけど、やっぱり人生はじめからやり直す転生より、転移。転移先の条件として『★剣と魔法の世界に転移してみたい』は絶対に外せない。
そして今の身体じゃ体力的に異世界攻略は難しいのでちょっと若返りもお願いしたい。
更にもうひとつの条件が『★出来れば日本の乙女ゲームか物語の世界に転移してみたい(モブで)』だ。
これにはちゃんとした理由があって、必要なのは乙女ゲームの世界観のみで攻略対象とかヒロインは必要ないし、もちろんゲームに巻き込まれると面倒くさいので、ちゃんと「(モブで)」と注釈を入れることも忘れていない。
──そして本当に転移してしまった私は、頼もしい仲間と共に、自身の作ったやりたいことリストを消化していくことになる。
いい年の大人が本気で考え、万全を期したハズの『異世界でやりたいことリスト』。
なんで私が転移することになったのか。謎はいっぱいあるし、理想通りだったり、思っていたのと違ったりもするけれど、折角の異世界を楽しみたいと思います。
----------
覗いて下さり、ありがとうございます!
2025.4.26
女性向けHOTランキングに入りました!ありがとうございます(๑•̀ㅂ•́)و✧
7時、13時、19時更新。
全48話、予約投稿しています。
★このお話は旧『憧れの異世界転移が現実になったのでやりたいことリストを消化したいと思います~異世界でやってみたい50のこと』を大幅に加筆修正したものです(かなり内容も変わってます)。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました
Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。
そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。
それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。
必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが…
正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる