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1 スローライフ始めました
1ー10 魔道具屋
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1ー10 魔道具屋
マーサは、私の希望を執事のクラウスに相談しにいったが、すぐに戻ってくると私にバケツと箒とモップを渡した。
「こんなことをしたがるなんてお嬢様は、ほんと、変わり者でごぜいますね」
私は、マーサの言葉ににっこりと微笑むと箒を受け取り掃除をはじめた。
まずは、廊下の掃き掃除と拭き掃除をさせてもらうことになった。
こうしてみると屋敷は、無駄に広かった。
廊下の掃除が終わる頃には私は、もうふらふらになっていた。
ちょっとは体力がついてきたような気がしていたのに!
マーサは、やれやれというように笑うと私から掃除道具を受け取った。
「お嬢様は、少し休んでいてくだせいませ。後は、マーサがやときますです」
私は、部屋のソファに横たえてマーサがてきぱきと働いている様子を見ながら考えていた。
どうにかしてもっと家事を楽にできないものか。
ぱっと思い付くのは前世で床掃除をしてくれていたあの丸い自立型のお掃除ロボットのことだった。
あれを魔法で作ることができないものかな。
私は、翌日の午後から街へと出掛けることにした。
魔道具のことは、魔道具のプロにきくしかない。
今度は、ちゃんとクラウスに出掛けることを告げておいた。
じゃないと、またクラウスにお叱りを受けることになるし。
クラウスは、私にマーサを連れていくようにと命じた。
いくら領地内であるとはいえ伯爵令嬢たる私が1人でふらふらすることは許されない。
お目付け役のマーサを連れて、下男のローじいさんの荷馬車に乗せてもらっての外出となった。
ちゃんとした馬車で行くようにとクラウスは言ったが、そこは私が荷馬車でいいと主張した。
だって、ちょっと街まで行くのにわざわざ馬車を用意してもらうのはおおげさで嫌だったのだ。
荷馬車で1時間ほどことことと揺られて屋敷から一番近い町クルーンへとつくと私は、マーサを連れて商店が立ち並ぶ通りへと向かった。
ローじいさんは、ジームズに買い出しを頼まれているので別行動だ。
私は、マーサに頼んで魔道具屋へと案内してもらった。
その店は、通りの中ほどにある小さな店だった。
これといって特徴のない、というかなんの看板もでていないような店だ。
「確か、ここが魔道具屋だったはずでごぜいますが」
マーサも自信なさげだった。
マーサは、私の希望を執事のクラウスに相談しにいったが、すぐに戻ってくると私にバケツと箒とモップを渡した。
「こんなことをしたがるなんてお嬢様は、ほんと、変わり者でごぜいますね」
私は、マーサの言葉ににっこりと微笑むと箒を受け取り掃除をはじめた。
まずは、廊下の掃き掃除と拭き掃除をさせてもらうことになった。
こうしてみると屋敷は、無駄に広かった。
廊下の掃除が終わる頃には私は、もうふらふらになっていた。
ちょっとは体力がついてきたような気がしていたのに!
マーサは、やれやれというように笑うと私から掃除道具を受け取った。
「お嬢様は、少し休んでいてくだせいませ。後は、マーサがやときますです」
私は、部屋のソファに横たえてマーサがてきぱきと働いている様子を見ながら考えていた。
どうにかしてもっと家事を楽にできないものか。
ぱっと思い付くのは前世で床掃除をしてくれていたあの丸い自立型のお掃除ロボットのことだった。
あれを魔法で作ることができないものかな。
私は、翌日の午後から街へと出掛けることにした。
魔道具のことは、魔道具のプロにきくしかない。
今度は、ちゃんとクラウスに出掛けることを告げておいた。
じゃないと、またクラウスにお叱りを受けることになるし。
クラウスは、私にマーサを連れていくようにと命じた。
いくら領地内であるとはいえ伯爵令嬢たる私が1人でふらふらすることは許されない。
お目付け役のマーサを連れて、下男のローじいさんの荷馬車に乗せてもらっての外出となった。
ちゃんとした馬車で行くようにとクラウスは言ったが、そこは私が荷馬車でいいと主張した。
だって、ちょっと街まで行くのにわざわざ馬車を用意してもらうのはおおげさで嫌だったのだ。
荷馬車で1時間ほどことことと揺られて屋敷から一番近い町クルーンへとつくと私は、マーサを連れて商店が立ち並ぶ通りへと向かった。
ローじいさんは、ジームズに買い出しを頼まれているので別行動だ。
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その店は、通りの中ほどにある小さな店だった。
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マーサも自信なさげだった。
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