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8 最果ての国へ(5)
8ー3 見捨てないで!
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8ー3 見捨てないで!
私は、部屋の中に入ってきたランスロットを睨み付けていた。
ほんとに信じられない!
普通は、ドアの外に出るもんでしょうが!
グリフォン様がランスロットに向かって告げた。
「はやく後ろを向け!エリンが恥ずかしがっているだろう!」
「あっ!は、はいっ!」
ランスロットが私に背を向けてドアの方を向いて立った。
「どうしたの?いきなりノックもせずに入ってくるなんて」
私は、急いで服を身に付けながらランスロットに訊ねた。
いつもは、もっと紳士なのにこんなときにかぎって!
ランスロットは、しゅんとして答えた。
「それは・・ローラさんからグリフォンが姉上の部屋に入っていったってきいたものだから。つい、いてもたってもいられずに・・そしたら、その」
ランスロットは、しどろもどろと答えてからきっとグリフォン様の方を睨んだ。
「なんでお前が姉上の部屋に?しかも姉上が裸で体を洗っているときに部屋を出ていきもせずにいるんだ?」
「それは、ローラにエリンとの婚約が本当だと証明するために」
「嘘つくな!」
ランスロットが激昂した。
「そもそも、それが嘘なのに何を証明するつもりだ!」
ランスロットがグリフォン様の目隠しを奪った。
睨みあう二人を横目に私は、手早く服を着ると桶を抱えてそっと部屋から出ていこうとした。
それを見たグリフォン様が私から桶を取り上げると一緒に部屋から出て行こうとした。
「エリン、俺が持ってやる」
「ちょっと待て!どこに行くつもりだ?」
ランスロットに睨まれてグリフォン様が答えた。
「桶の水を片付けに行くんだが」
「なんで姉上と一緒に出ていくんだ!」
ランスロットがきくとグリフォン様は、桶を片手に私をちらっと見た。
「これは俺が片付けてくるからお前たちは姉弟で語り合っていてくれ」
はい?
グリフォン様は、さっさと部屋から出ていくとドアを閉めた。
「姉上?」
ランスロットの低い声が私の背後から迫ってくる。
「今夜はゆっくりと話しましょうか?」
振り向くとランスロットは、笑顔を浮かべていた。
だけど。
ランスロットの目が笑ってない!
グリフォン様っ!
私は、心の中で叫んでいた。
師匠のくせに弟子を見捨てないで!
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はい?
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