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第4章 黒魔術
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「黒魔術ですか……そういえばアドリアン殿下のルートに出てきましたね」
ドーナツを食べながら私の話を聞いていたシャルロットは、最後の一口を食べ終わるとそう言った。
「かなり好感度が高くなった時に起きるイベントで、殿下の命を狙う刺客が学園に潜入するんですよ」
「まあ、そんな危ないことが起きるの?!」
「その刺客は殿下のお付きの人が捕まえるんですけれど、それが黒魔術師なんです。で、巻き込まれたヒロインと殿下が学園中を逃げ回って、二人で裏庭にある倉庫に潜んでいる時に『こうやって君を危険に巻き込んでしまうけど側にいて欲しい』って告白されるんですよね」
「……それは告白していられるような状況なの?」
「まあゲームですから。あ、これデザートのキャラメルです」
「わあ、ありがとう!」
渡された、小さな包みを開いて出てきたキャラメルを口に放り込む。
ミルクの甘みが口の中に広がって……うーん、幸せだわ。
今日は殿下もカミーユも不在なので、シャルロットと二人、中庭で昼食を食べている。
いつもあの二人が側にいるからシャルロットとゲームの話や情報交換が出来ないのよね。
私を護ってくれようとするのは嬉しいけれも……過保護過ぎて、ずっと一緒にいるのは正直疲れるのだ。
「ちなみに、ゲームに出てくる黒魔術ってどういうものかしら」
「あまり詳しい描写はなかったんですけど、光の玉みたいなので攻撃してきましたね」
「光……」
「最後、画面が真っ白になるくらい大きな光の玉が飛んできて、間一髪で助かるいう展開でした」
「――そう」
大きな光の玉ということは、きっと周囲に分かるくらい激しく光るのだろう。
マリアンヌが落ちた日にアドリアン殿下の侍従が見たという光と関係あるように思えてしまう。
「でも……仮にマリアンヌ様の事件が黒魔術と関係あるとして、どうしてマリアンヌ様なんですかね」
「え?」
「マリアンヌ様とアドリアン殿下って接点なさそうじゃないですか」
「たまたま遭遇したとか?」
「あんな場所にいた理由も謎ですし」
「……そうね」
確かに、たまたま行くような場所ではないわね。
「前日の様子もおかしかったですし。マリアンヌ様と黒魔術かミジャン王国との関係が分かればいいんですけれど」
「そうね……帰ったら聞いてみるわ」
息子夫婦だったら何か知っているかもしれない。
「――なんだか、乙女ゲームというより推理ゲームみたいですね」
シャルロットは小さく笑みを浮かべた。
「美少女記憶喪失事件! 事件の背景には黒魔術師の影が?! みたいな」
「そういうゲームもやっていたの?」
「いえ、推理小説は読んでいましたけど、自分で推理するのは苦手です」
「私もどうしても犯人が分からなかったわ……」
「リリアン様って犯人のつく嘘をすぐ信じそうですよね」
「え、どうして分かるの?!」
『何でそれを信じちゃうの?』って前世の友人や、兄たちにもよく言われたのよね。
「単純そ……素直な人柄が滲み出てますから」
「単純……」
「ほ、ほらだって『愛され妹キャラ』ですし!」
――それと単純なこととどんな関係が?
「マリアンヌ・バシュラール嬢」
ちょっとモヤモヤしていると、名前を呼ぶ声が聞こえた。
「――アドリアン殿下」
声の聞こえた方を見るとアドリアン殿下が立っていた。
慌ててベンチから立ち上がり礼をとる。
「そう畏まらずとも良い。少しマリアンヌ嬢に確認したいことがあってな」
「確認ですか?」
「セベリノ」
「失礼いたします」
アドリアン殿下の背後に控えていた侍従が私の前へ立った。
大きな手が伸びると私の額に触れた、その瞬間。
バチッと――静電気が起きたような音と衝撃が身体に響いた。
ドーナツを食べながら私の話を聞いていたシャルロットは、最後の一口を食べ終わるとそう言った。
「かなり好感度が高くなった時に起きるイベントで、殿下の命を狙う刺客が学園に潜入するんですよ」
「まあ、そんな危ないことが起きるの?!」
「その刺客は殿下のお付きの人が捕まえるんですけれど、それが黒魔術師なんです。で、巻き込まれたヒロインと殿下が学園中を逃げ回って、二人で裏庭にある倉庫に潜んでいる時に『こうやって君を危険に巻き込んでしまうけど側にいて欲しい』って告白されるんですよね」
「……それは告白していられるような状況なの?」
「まあゲームですから。あ、これデザートのキャラメルです」
「わあ、ありがとう!」
渡された、小さな包みを開いて出てきたキャラメルを口に放り込む。
ミルクの甘みが口の中に広がって……うーん、幸せだわ。
今日は殿下もカミーユも不在なので、シャルロットと二人、中庭で昼食を食べている。
いつもあの二人が側にいるからシャルロットとゲームの話や情報交換が出来ないのよね。
私を護ってくれようとするのは嬉しいけれも……過保護過ぎて、ずっと一緒にいるのは正直疲れるのだ。
「ちなみに、ゲームに出てくる黒魔術ってどういうものかしら」
「あまり詳しい描写はなかったんですけど、光の玉みたいなので攻撃してきましたね」
「光……」
「最後、画面が真っ白になるくらい大きな光の玉が飛んできて、間一髪で助かるいう展開でした」
「――そう」
大きな光の玉ということは、きっと周囲に分かるくらい激しく光るのだろう。
マリアンヌが落ちた日にアドリアン殿下の侍従が見たという光と関係あるように思えてしまう。
「でも……仮にマリアンヌ様の事件が黒魔術と関係あるとして、どうしてマリアンヌ様なんですかね」
「え?」
「マリアンヌ様とアドリアン殿下って接点なさそうじゃないですか」
「たまたま遭遇したとか?」
「あんな場所にいた理由も謎ですし」
「……そうね」
確かに、たまたま行くような場所ではないわね。
「前日の様子もおかしかったですし。マリアンヌ様と黒魔術かミジャン王国との関係が分かればいいんですけれど」
「そうね……帰ったら聞いてみるわ」
息子夫婦だったら何か知っているかもしれない。
「――なんだか、乙女ゲームというより推理ゲームみたいですね」
シャルロットは小さく笑みを浮かべた。
「美少女記憶喪失事件! 事件の背景には黒魔術師の影が?! みたいな」
「そういうゲームもやっていたの?」
「いえ、推理小説は読んでいましたけど、自分で推理するのは苦手です」
「私もどうしても犯人が分からなかったわ……」
「リリアン様って犯人のつく嘘をすぐ信じそうですよね」
「え、どうして分かるの?!」
『何でそれを信じちゃうの?』って前世の友人や、兄たちにもよく言われたのよね。
「単純そ……素直な人柄が滲み出てますから」
「単純……」
「ほ、ほらだって『愛され妹キャラ』ですし!」
――それと単純なこととどんな関係が?
「マリアンヌ・バシュラール嬢」
ちょっとモヤモヤしていると、名前を呼ぶ声が聞こえた。
「――アドリアン殿下」
声の聞こえた方を見るとアドリアン殿下が立っていた。
慌ててベンチから立ち上がり礼をとる。
「そう畏まらずとも良い。少しマリアンヌ嬢に確認したいことがあってな」
「確認ですか?」
「セベリノ」
「失礼いたします」
アドリアン殿下の背後に控えていた侍従が私の前へ立った。
大きな手が伸びると私の額に触れた、その瞬間。
バチッと――静電気が起きたような音と衝撃が身体に響いた。
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