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「まあルイーズ……とても綺麗だわ」
支度を終えた私を見て母が涙ぐんだ。
「あなたの花嫁姿が見られるなんて……本当に良かったわ」
「お母様」
「今更だけど、おめでとうルイーズ」
「ふふ、本当に今更ね」
母と二人、笑顔を交わしあう。
今更だけれど……この日を迎えられて良かった。
アレク様と結婚してから一年半。
今日は私たちのお披露目式だ。
教会での宣誓式は済ませたけれど、あの時は私もお腹が大きくて、国中の貴族が集まる長時間の式には耐えられないだろうと周囲が判断し、今日のお披露目となった。
鏡に映る、純白のドレス姿の自分を見つめる。
――こんな豪華な花嫁衣装を着たいと、一回目の式の時に正直思ったけれど。
でもあの時は普段着のままで、せっかくの結婚式だからドレス姿をエドに見て欲しいと思ったからで……もうそのエドはいなくて。
けれど、今は――
「入ってもいいかい」
「かーぁま!」
重厚な扉の向こうから、やはり純白のコート姿のアレク様が現れた。
そしてその腕の中にいる、最愛の息子。
「エドガルド。お母様は今日は抱っこはできないんだ」
小さな手を一生懸命にこちらに向かって伸ばす息子にアレク様が話しかけた。
――今の私は大公家に代々伝わる、繊細な細工のアクセサリーを身につけている。
もしも壊してしまったり、息子が怪我をしたらと思うと……可哀想だけれど我慢してもらわないと。
「ルイーズ……ああ、綺麗だ」
アレク様は私を見ると目を細めた。
「とてもよく似合っている」
「……アレク様も素敵です」
「あーう!」
「はいはい。エドガルドもとっても可愛いわよ」
柔らかな頬を撫でると嬉しそうに笑う、その笑顔は……エドによく似ている。
去年無事に産まれたエドガルドは目元こそ私似だが、それ以外は父親譲りで。
その父親によく似た異母弟のアレク様に抱かれていると、誰が見ても親子だと思うだろう。
それに安心する一方で、エドの存在がなかったことになりそうで寂しくもある。
――本当に、この複雑な心境はいつまで経っても変わらない。
「そろそろお時間です」
「エドガルド殿下をこちらへ」
息子を乳母に渡すと、アレク様は私の手を取った。
「それじゃあ行こうか、ルイーズ」
「はい」
「緊張している?」
「少し……」
「大丈夫、堂々としていて。君は世界一綺麗な花嫁なんだから」
「それは言い過ぎですわ」
「本当だよ。私は世界一幸せな花婿だ」
そっと私の手の甲に口づけを落とすと、アレク様は笑顔を見せた。
心の奥から嬉しそうなその表情に、胸の奥が熱を帯びていくように感じる。
「では行こう」
「はい」
私たちは手を取り合って。
皆が待つ扉へと向かった。
支度を終えた私を見て母が涙ぐんだ。
「あなたの花嫁姿が見られるなんて……本当に良かったわ」
「お母様」
「今更だけど、おめでとうルイーズ」
「ふふ、本当に今更ね」
母と二人、笑顔を交わしあう。
今更だけれど……この日を迎えられて良かった。
アレク様と結婚してから一年半。
今日は私たちのお披露目式だ。
教会での宣誓式は済ませたけれど、あの時は私もお腹が大きくて、国中の貴族が集まる長時間の式には耐えられないだろうと周囲が判断し、今日のお披露目となった。
鏡に映る、純白のドレス姿の自分を見つめる。
――こんな豪華な花嫁衣装を着たいと、一回目の式の時に正直思ったけれど。
でもあの時は普段着のままで、せっかくの結婚式だからドレス姿をエドに見て欲しいと思ったからで……もうそのエドはいなくて。
けれど、今は――
「入ってもいいかい」
「かーぁま!」
重厚な扉の向こうから、やはり純白のコート姿のアレク様が現れた。
そしてその腕の中にいる、最愛の息子。
「エドガルド。お母様は今日は抱っこはできないんだ」
小さな手を一生懸命にこちらに向かって伸ばす息子にアレク様が話しかけた。
――今の私は大公家に代々伝わる、繊細な細工のアクセサリーを身につけている。
もしも壊してしまったり、息子が怪我をしたらと思うと……可哀想だけれど我慢してもらわないと。
「ルイーズ……ああ、綺麗だ」
アレク様は私を見ると目を細めた。
「とてもよく似合っている」
「……アレク様も素敵です」
「あーう!」
「はいはい。エドガルドもとっても可愛いわよ」
柔らかな頬を撫でると嬉しそうに笑う、その笑顔は……エドによく似ている。
去年無事に産まれたエドガルドは目元こそ私似だが、それ以外は父親譲りで。
その父親によく似た異母弟のアレク様に抱かれていると、誰が見ても親子だと思うだろう。
それに安心する一方で、エドの存在がなかったことになりそうで寂しくもある。
――本当に、この複雑な心境はいつまで経っても変わらない。
「そろそろお時間です」
「エドガルド殿下をこちらへ」
息子を乳母に渡すと、アレク様は私の手を取った。
「それじゃあ行こうか、ルイーズ」
「はい」
「緊張している?」
「少し……」
「大丈夫、堂々としていて。君は世界一綺麗な花嫁なんだから」
「それは言い過ぎですわ」
「本当だよ。私は世界一幸せな花婿だ」
そっと私の手の甲に口づけを落とすと、アレク様は笑顔を見せた。
心の奥から嬉しそうなその表情に、胸の奥が熱を帯びていくように感じる。
「では行こう」
「はい」
私たちは手を取り合って。
皆が待つ扉へと向かった。
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