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第1章 誘拐騒動ともふもふとの出会い
4話 大盛況からの誘拐拉致事件発生
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偶然出会った女の子リリアナが、まさかのこの地を治める領主様の御息女。しかも、気軽に言った僕の提案を採用して、領主様に話す気でいる。
冗談だよね?
今、向かっている方向には、2人の男性がいる。1人は作業服、40歳くらいで雰囲気が僕のお父さんと似ていて、子供にも好かれるタイプだと思う。もう1人はスーツを着ていて、30歳くらいの銀髪イケメンで超カッコいいし、なんだか女性を優しく包み込むような包容力もありそうだから、子供だけでなく、女性にもモテそうだ。
「お父様~~」
嘘~~、この子は本当に話す気だよ!!
リリアナが大きく右手を振ると、反応したのは銀髪の男性で、こっちに来る。
「リリアナ、どうしたんだ?」
ど~しよ~~~。
僕の案なんか軽く一蹴されるに決まってるよ~~。
「この子は平民のアキト、お友達になったばかりなんだけど、彼はあの発掘イベントに参加して、面白い意見を言ったのよ。これ、春の祭りに絶対採用するべきだわ」
僕の言った案を余程気に入ったのか、リリアナは終始笑顔で、ハキハキとアピールしているけど、僕の心は不安でいっぱいだ。
「ほう、リリアナがそこまで絶賛するとは珍しい。アキト君、どんな案か聞いてもいいかな?」
「あ、はい!!」
もう、やけくそ!! なるようになれ!!
僕は夢で経験した宝探しゲームを、領主様に話す。肝心のイベント内容だけど、ある程度丈夫な紙製の箱に、男の子や女の子の遊ぶ玩具を入れて、それらを地中に埋めていき、みんなでそれらを探し当てるというもの。料金に関しては、1回500ゴルド(500円)くらいに抑えるのが無難かな。
一部の箱の中には、大人も喜ぶ高額景品の書かれた紙を用意しておき、それを掘り当てた人は見事大当たりとなって入手できる。男の子が女の子の景品を当てたとしても、周囲には大勢の女の子もいるだろうから、その人たちと話し合って交換することも可能だ。子供は喜ぶだけでなく、友達も作ることができ、時には大人たちも大喜びするわけ。看板を使って、宝探しの面白さを精一杯アピールすることも忘れずに。
僕が夢中になって喋り終わると、リリアナが目を輝かせ拍手していて、周囲からも聞こえてくる。慌てて見渡すと、僕の父さんや他の考古学者さんたち、その人たちの子供たちが集まっていて、僕の提案に乗り気になってくれている。
「素晴らしい!! アキト君、君の案を即採用しよう!! そのイベントであれば、子供用の景品、大人用の高額景品なども自由に入れ替え可能、冬以外の季節で実行可能だ」
よかった~~~領主様もご機嫌だから、これならお父さんも怒られない。
「お父様、貴族の茶会で友達からいらない物をもらって、それを修繕して景品にするのもありよね?」
「リリアナ、いいアイデアだ!! イベント自体も、公園などの広い敷地を使えば問題ない」
なんか、大人たちがいっぱい集まってきて、予算とかの話し合いをしだした。リリアナは僕と同じような子供を集めて、どんな商品が欲しいのか教えてと言ってる。子供たちが次々とあれが欲しい、これが欲しいという中、彼女の横にいるメイドさんが必死にメモを取ってる。
なんかやらかしてしまったけど、皆が笑顔だから、お母さんも許してくれるよね?
○○○
あれから時間も結構経過しているはずなのに、領主様は、僕のお父さんたちとまだ話し合いを続けている。皆が真剣なせいもあって、僕の入る余地がない。リリアナの方はようやく落ち着いたのか、1人で僕のいるベンチの方へ向かってきた。この周囲は静かだから落ち着くためにいるのだけど、彼女も同じ気持ちなのかもしれない。
「アキト、ありがとう」
「え、急にどうしたの?」
「ここ最近、淑女教育や魔法訓練ばかりで面白味のない日々が続いていて、億劫だったのよ。何か面白いことがあればな~って思ってお父様のお仕事についてきたのだけど、あなたと出会えた。こんなに感情を表に出した日は久しぶりよ。心も身体も軽いし、イライラした感覚も無くなったわ」
リリアナは辺境伯令嬢、僕の知らない教育を毎日やっているから、相当なストレスを身体に蓄積させていたのかな。
僕が言葉を発しようとした時、後方の茂みからガサガサと音が鳴る。僕たちは何かなと思い振り向くと、4つの手が茂みの中から出てきて、僕たちの顔を掴み、口を塞ぐ。あまりの突然の出来事で、僕もリリアナも声を発することができず、あっという間に茂みの中に引き込まれた。
「大人しく寝ていろ、[スリープ]」
僕たちが何か言う前に、その声が聞こえ、僕は意識を失った。
冗談だよね?
今、向かっている方向には、2人の男性がいる。1人は作業服、40歳くらいで雰囲気が僕のお父さんと似ていて、子供にも好かれるタイプだと思う。もう1人はスーツを着ていて、30歳くらいの銀髪イケメンで超カッコいいし、なんだか女性を優しく包み込むような包容力もありそうだから、子供だけでなく、女性にもモテそうだ。
「お父様~~」
嘘~~、この子は本当に話す気だよ!!
リリアナが大きく右手を振ると、反応したのは銀髪の男性で、こっちに来る。
「リリアナ、どうしたんだ?」
ど~しよ~~~。
僕の案なんか軽く一蹴されるに決まってるよ~~。
「この子は平民のアキト、お友達になったばかりなんだけど、彼はあの発掘イベントに参加して、面白い意見を言ったのよ。これ、春の祭りに絶対採用するべきだわ」
僕の言った案を余程気に入ったのか、リリアナは終始笑顔で、ハキハキとアピールしているけど、僕の心は不安でいっぱいだ。
「ほう、リリアナがそこまで絶賛するとは珍しい。アキト君、どんな案か聞いてもいいかな?」
「あ、はい!!」
もう、やけくそ!! なるようになれ!!
僕は夢で経験した宝探しゲームを、領主様に話す。肝心のイベント内容だけど、ある程度丈夫な紙製の箱に、男の子や女の子の遊ぶ玩具を入れて、それらを地中に埋めていき、みんなでそれらを探し当てるというもの。料金に関しては、1回500ゴルド(500円)くらいに抑えるのが無難かな。
一部の箱の中には、大人も喜ぶ高額景品の書かれた紙を用意しておき、それを掘り当てた人は見事大当たりとなって入手できる。男の子が女の子の景品を当てたとしても、周囲には大勢の女の子もいるだろうから、その人たちと話し合って交換することも可能だ。子供は喜ぶだけでなく、友達も作ることができ、時には大人たちも大喜びするわけ。看板を使って、宝探しの面白さを精一杯アピールすることも忘れずに。
僕が夢中になって喋り終わると、リリアナが目を輝かせ拍手していて、周囲からも聞こえてくる。慌てて見渡すと、僕の父さんや他の考古学者さんたち、その人たちの子供たちが集まっていて、僕の提案に乗り気になってくれている。
「素晴らしい!! アキト君、君の案を即採用しよう!! そのイベントであれば、子供用の景品、大人用の高額景品なども自由に入れ替え可能、冬以外の季節で実行可能だ」
よかった~~~領主様もご機嫌だから、これならお父さんも怒られない。
「お父様、貴族の茶会で友達からいらない物をもらって、それを修繕して景品にするのもありよね?」
「リリアナ、いいアイデアだ!! イベント自体も、公園などの広い敷地を使えば問題ない」
なんか、大人たちがいっぱい集まってきて、予算とかの話し合いをしだした。リリアナは僕と同じような子供を集めて、どんな商品が欲しいのか教えてと言ってる。子供たちが次々とあれが欲しい、これが欲しいという中、彼女の横にいるメイドさんが必死にメモを取ってる。
なんかやらかしてしまったけど、皆が笑顔だから、お母さんも許してくれるよね?
○○○
あれから時間も結構経過しているはずなのに、領主様は、僕のお父さんたちとまだ話し合いを続けている。皆が真剣なせいもあって、僕の入る余地がない。リリアナの方はようやく落ち着いたのか、1人で僕のいるベンチの方へ向かってきた。この周囲は静かだから落ち着くためにいるのだけど、彼女も同じ気持ちなのかもしれない。
「アキト、ありがとう」
「え、急にどうしたの?」
「ここ最近、淑女教育や魔法訓練ばかりで面白味のない日々が続いていて、億劫だったのよ。何か面白いことがあればな~って思ってお父様のお仕事についてきたのだけど、あなたと出会えた。こんなに感情を表に出した日は久しぶりよ。心も身体も軽いし、イライラした感覚も無くなったわ」
リリアナは辺境伯令嬢、僕の知らない教育を毎日やっているから、相当なストレスを身体に蓄積させていたのかな。
僕が言葉を発しようとした時、後方の茂みからガサガサと音が鳴る。僕たちは何かなと思い振り向くと、4つの手が茂みの中から出てきて、僕たちの顔を掴み、口を塞ぐ。あまりの突然の出来事で、僕もリリアナも声を発することができず、あっという間に茂みの中に引き込まれた。
「大人しく寝ていろ、[スリープ]」
僕たちが何か言う前に、その声が聞こえ、僕は意識を失った。
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