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13話 ルウリとの精霊契約
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目覚めると、そこは元いた宿屋のお部屋の中で、ベッド脇に置かれている椅子にルウリがいて、私を見て優しく微笑む。
「アヤナ、おかえり」
「ただいま、ルウリ」
私をルウリを…ルリルリを見て微笑み返す。
私は、現世に戻ってきた。
優斗は成長して、素敵な男性になっていたし、妹の光希も良い子で、家族仲も良好、皆が私の死を乗り越えていた。
うん、もう未練はない。
「貴方がルリルリの転生した姿なんてね」
「驚いた?」
「そりゃあ、驚くよ」
ルリルリが私を導いてくれたからこそ、今の私がいる。
「あれ? お父さんから貰った荷物がない」
やっぱり、世界間の移動には無理だったのかな?
「ああ、それなら僕の《アイテムボックス》の中にあるよ」
アイテムボックス!? あれって、空間魔法に属するものだ。
ルウリは精霊だから、そういったレア魔法も扱えるんだ。
「ていうか、届いたってこと!?」
「中身が全部ペット関係だから、特別に許可が下りたのさ。君の前世の両親は、こういったことを見越していたようだね。この世界の現文明で再現不可能な物は、転送できないんだ」
てことは、箱の中にある物全てが、この世界の物で再現可能なんだ。
ペット関係だから、需要とかはなさそうだけど。
「僕の正体がわかったことで、僕が君と契約したい理由もわかったでしょ?」
私と会って早々、契約を求めてきたのは、ルウリがルリルリだから。理由を知ったら、もうルウリに対しての蟠りもない。
「私がルウリと契約したら、貴方の持つ属性が追加されて、その属性魔法も使用可能になるんだよね?」
現世で得た私の知識、合っているかな?
「そうだよ。僕の属性は、《空間》。魔法に関しては、ある程度の技量がないと扱えない。現時点で使用可能なのは、《アイテムボックス》くらいかな」
アイテムボックス!?
それが扱えるだけで嬉しいよ!!
「あの…ルウリ、私と契約してくれますか?」
「それ、僕の言うセリフ」
「そうだっけ?」
「うん、僕と精霊契約しよう!」
「はい」
私たちは互いに笑い合うと、身体が淡く輝き出し、ルウリと繋がったかのような感覚を得た。
《精霊ルウリと契約しました。新規属性《空間》を取得、空間魔法《アイテムボックス》を取得。異世界からの帰還により、異世界交流が完全開放、それらに合わせ、新規スキルが追加され、魔力量もUPします》
あ、なんか色々と変化が起きたみたい。
「どうやら、ステータスに変化が起きたようだね」
「うん、確認してみる」
《名前》 アヤナ
《性別》 女
《年齢》 13歳
《属性》 水・空間(NEW)
《レベル》 1
《ギフト》 異世界交流(NEW:完全解放)、分析(NEW)
《スキル》 アニマルセラピー
《魔法》 アクアヒール、アイテムボックス(NEW)
《魔力量》 152 → 1152
《精霊契約》 ルウリ(フェアリーバード)
《称号》 転生者、帰還者(NEW)
4つのNEWがある。
ギフト[異世界交流]
・異世界[地球]にいる光希とタブレットを経由することで、交流が可能となる。
・タブレットのエネルギ供給源は、自身の魔力となっている。
・ギフト所持者と交流者のどちらかが死んでしまうと、交流終了となる。
・このギフトは常に異世界と繋がっているため、魔力消費量は、500/日である。
・タブレット起動時の最大交流時間は、(魔力量×分)。
・交流し、互いに善行を重ねることで、幾つもの特典を入手できる。
スキル[分析]
・スキル[鑑定]の上位スキル。
・[鑑定]は、あらゆる物体の情報を簡易的に表示させる。
・[分析]は、あらゆる物体の構成を読み解き、品質、性能、耐久性、製作方法などを表示させる。
空間魔法[アイテムボックス]
・時間の止まった異空間に、アイテムを貯蔵できる。
・貯蔵量は、《(自身の魔力量×10)㎥》
称号[帰還者]
・神から与えられし試練を突破した者に贈られる称号
・この称号を得た者は、自身の今望むスキルを入手できる。
・今回のボーナスは、スキル[分析]。
「ルウリ、称号に帰還者があって、日本に行った行為って試練に該当するの?」
「そうだよ。未練が強烈に残っていた場合、君の魂は土地と結合して、永久に帰還不可となる。そうなったら、君は光希の守護霊になっていただろうね」
……初耳なんですけど。
「それ、私に言ってないよね?」
「今の僕は、こっち側の生物。その縛りのせいで、言うに言えないの。でも、出来る範囲内でヒントを与えていたでしょ?」
そうか、フェアリーバードは神の御使と呼ばれているから、神様との距離も近い。そういう強い縛りで、言葉の制限もあった影響下で、私たちを助けてくれていたんだね。
「そうだね。あれは、色々と助かったよ。私の望むスキルも得られたしね」
「レアスキル[分析]だね。本来、[鑑定]を鍛えないと得られないから、かなり希少とされている。自分から、他人に言わない方がいい」
ステータスの説明を読んだ限り、物体の製法とかもわかるようだから、他人に言わない方がいいよね。
「OK。あと魔力量が1000もアップしているんだけど?」
「ああ、それは異世界交流が完全開放されたのと、僕と契約した影響だね。魔力が約8倍も向上している以上、まずは魔力制御能力を向上させないといけない。制御不安定のまま異世界交流を実行すると、途中で断線しちゃうんだ」
なるほど、それは重要だ。
早速、今日から練習していこう。
私にとって、ここからが新たな人生のスタート。
光希と同じで、私も自分の夢を見つけないといけない。
まずは、今いる辺境の街[リリアム]で、生活基盤を整えよう。
○○○
ここからは、中2日の投稿となります。
「アヤナ、おかえり」
「ただいま、ルウリ」
私をルウリを…ルリルリを見て微笑み返す。
私は、現世に戻ってきた。
優斗は成長して、素敵な男性になっていたし、妹の光希も良い子で、家族仲も良好、皆が私の死を乗り越えていた。
うん、もう未練はない。
「貴方がルリルリの転生した姿なんてね」
「驚いた?」
「そりゃあ、驚くよ」
ルリルリが私を導いてくれたからこそ、今の私がいる。
「あれ? お父さんから貰った荷物がない」
やっぱり、世界間の移動には無理だったのかな?
「ああ、それなら僕の《アイテムボックス》の中にあるよ」
アイテムボックス!? あれって、空間魔法に属するものだ。
ルウリは精霊だから、そういったレア魔法も扱えるんだ。
「ていうか、届いたってこと!?」
「中身が全部ペット関係だから、特別に許可が下りたのさ。君の前世の両親は、こういったことを見越していたようだね。この世界の現文明で再現不可能な物は、転送できないんだ」
てことは、箱の中にある物全てが、この世界の物で再現可能なんだ。
ペット関係だから、需要とかはなさそうだけど。
「僕の正体がわかったことで、僕が君と契約したい理由もわかったでしょ?」
私と会って早々、契約を求めてきたのは、ルウリがルリルリだから。理由を知ったら、もうルウリに対しての蟠りもない。
「私がルウリと契約したら、貴方の持つ属性が追加されて、その属性魔法も使用可能になるんだよね?」
現世で得た私の知識、合っているかな?
「そうだよ。僕の属性は、《空間》。魔法に関しては、ある程度の技量がないと扱えない。現時点で使用可能なのは、《アイテムボックス》くらいかな」
アイテムボックス!?
それが扱えるだけで嬉しいよ!!
「あの…ルウリ、私と契約してくれますか?」
「それ、僕の言うセリフ」
「そうだっけ?」
「うん、僕と精霊契約しよう!」
「はい」
私たちは互いに笑い合うと、身体が淡く輝き出し、ルウリと繋がったかのような感覚を得た。
《精霊ルウリと契約しました。新規属性《空間》を取得、空間魔法《アイテムボックス》を取得。異世界からの帰還により、異世界交流が完全開放、それらに合わせ、新規スキルが追加され、魔力量もUPします》
あ、なんか色々と変化が起きたみたい。
「どうやら、ステータスに変化が起きたようだね」
「うん、確認してみる」
《名前》 アヤナ
《性別》 女
《年齢》 13歳
《属性》 水・空間(NEW)
《レベル》 1
《ギフト》 異世界交流(NEW:完全解放)、分析(NEW)
《スキル》 アニマルセラピー
《魔法》 アクアヒール、アイテムボックス(NEW)
《魔力量》 152 → 1152
《精霊契約》 ルウリ(フェアリーバード)
《称号》 転生者、帰還者(NEW)
4つのNEWがある。
ギフト[異世界交流]
・異世界[地球]にいる光希とタブレットを経由することで、交流が可能となる。
・タブレットのエネルギ供給源は、自身の魔力となっている。
・ギフト所持者と交流者のどちらかが死んでしまうと、交流終了となる。
・このギフトは常に異世界と繋がっているため、魔力消費量は、500/日である。
・タブレット起動時の最大交流時間は、(魔力量×分)。
・交流し、互いに善行を重ねることで、幾つもの特典を入手できる。
スキル[分析]
・スキル[鑑定]の上位スキル。
・[鑑定]は、あらゆる物体の情報を簡易的に表示させる。
・[分析]は、あらゆる物体の構成を読み解き、品質、性能、耐久性、製作方法などを表示させる。
空間魔法[アイテムボックス]
・時間の止まった異空間に、アイテムを貯蔵できる。
・貯蔵量は、《(自身の魔力量×10)㎥》
称号[帰還者]
・神から与えられし試練を突破した者に贈られる称号
・この称号を得た者は、自身の今望むスキルを入手できる。
・今回のボーナスは、スキル[分析]。
「ルウリ、称号に帰還者があって、日本に行った行為って試練に該当するの?」
「そうだよ。未練が強烈に残っていた場合、君の魂は土地と結合して、永久に帰還不可となる。そうなったら、君は光希の守護霊になっていただろうね」
……初耳なんですけど。
「それ、私に言ってないよね?」
「今の僕は、こっち側の生物。その縛りのせいで、言うに言えないの。でも、出来る範囲内でヒントを与えていたでしょ?」
そうか、フェアリーバードは神の御使と呼ばれているから、神様との距離も近い。そういう強い縛りで、言葉の制限もあった影響下で、私たちを助けてくれていたんだね。
「そうだね。あれは、色々と助かったよ。私の望むスキルも得られたしね」
「レアスキル[分析]だね。本来、[鑑定]を鍛えないと得られないから、かなり希少とされている。自分から、他人に言わない方がいい」
ステータスの説明を読んだ限り、物体の製法とかもわかるようだから、他人に言わない方がいいよね。
「OK。あと魔力量が1000もアップしているんだけど?」
「ああ、それは異世界交流が完全開放されたのと、僕と契約した影響だね。魔力が約8倍も向上している以上、まずは魔力制御能力を向上させないといけない。制御不安定のまま異世界交流を実行すると、途中で断線しちゃうんだ」
なるほど、それは重要だ。
早速、今日から練習していこう。
私にとって、ここからが新たな人生のスタート。
光希と同じで、私も自分の夢を見つけないといけない。
まずは、今いる辺境の街[リリアム]で、生活基盤を整えよう。
○○○
ここからは、中2日の投稿となります。
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