転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護

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本編

20話 大火災の原因

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私の発案により、病気に対する大きな改善が見られたことで、カイトさんのテンションは爆上がりとなったけど、スキル[神経強化]はともかく、空魔石の再利用に関しては、トマス爺とトーイから待ったがかかる。これに関しては、貴族の手を借りて、きちんと正式な場で発表してから周囲に知らせていくことになった。

迂闊に公表すると、余計ないざこざが起こるからだと言われちゃった。
私の発案は、それだけ影響力のあるものらしい。

そして、そういった案を速攻で提起したものだから、トマス爺に転生者だとバレてしまう。逆にそのことで、2人からは安心感を持たれた。普通の4歳児が、無理難題を言われてすぐに、革命的な案を生み出せるわけがないもの。転生者の件はこの地にいる精霊様にも伝わり、現在私とトーイは、トマス爺の案内で、精霊様のもとへ向かっている。カイトさんは、孤児たちに勉強を教える時間となったため、ここにはいない。

しばらく進むと、火事の影響を受けていない建物が見えてきた。あれが教会なのはわかるけど、はっきり言ってボロい。

「前の街長様って、ここの教会を建て直すお金も持っていなかったの?」
「奴は、正真正銘のクズだ!!」
「クズ!?」

トマス爺がここまで感情を昂らせるなんて、その人は何を仕出かしたの?

「そうだ!! 約1年前、前の街長は領主様から、このスラム地区の再開発を一任され、巨額の予算をもらったにも関わらず、周辺住民に対する職の斡旋や立ち退き料などの話し合いも一切せず、一方的に叩き出そうとした!! 奴は、スラムにいる人々を日頃から忌み嫌っておったからな。我々は暴力を受けても、立ち退きを断固拒否し続けたが、奴は強硬手段に出た」

まさか、大火災の原因って……。

「放火?」

トマス爺が、怒りを込めて頷いた。

「真夜中、地区内の何処からか、火の手が突然あがった。気づいた時には、火はあちこちに燃え移り、周囲の家々が燃え盛っていた。冬で空気も乾燥し強風だったこともあり、火は瞬く間に地区全土を覆い、そこから地区外にまで燃え移った。水属性を持つ人々の必死な消化活動もあり、なんとか鎮火には成功したが、被害は甚大だ。儂を含めた大勢のスラム地区の住民たちが焼死した」

私の中に、怒りの感情が湧き上がる。
話し合いもせず、一方的に出ていけってありえないよ。
しかも、命令を無視したら、問答無用で放火って、最低な行為だ。

「宿の主人は、どうして私とトーイにそれを教えてくれなかったのかな? もしかして、原因自体も知らないの?」

「いいや、街の住民も、火災の原因となったクズ領主に関しては理解している。だからこそ、ここへ来たばかりの人間で、4歳と見た目12歳の子供に対して、そんなどろどろした裏話など話せんのだ。そもそも、この話には続きがある」

さっき聞いた話の内容だと、知っても問題ないかなと思ったけど、そこから先が重要なのかな。

「あの大火災後、スラム地区の生き残りと住民たちが団結し、これは放火だと強く訴えたことで、領主様の監査が入った。幾つかの告発と目撃証言、金銭の着服などの物的証拠を発見したことで、奴は逮捕された。火災現場での公開処刑が確定し、処刑直前になると、奴は開き直り、『スラム地区にいるのは、外の世界で生きていけない人間どもだ。火災を起こせば、家の解体と一緒に、そんな膿共も抹殺できて、一石二鳥だろうが!! 愚民ども、何故それがわからん』と叫びながら首を斬られて絶命したわ」

意味不明だよ!! なんなの、その理屈は!! 
そんな自分本位な理由で、火災を起こしたの?
前街長が殺したも同然だよ!!
トーイも黙っているけど、明らかに怒っている。

「その後、奴はすぐに悪霊化して、スラム地区内で魔物と化し周囲を脅かした」

なんてたちの悪い人間、死んでもなお人々を苦しめるんだ。
完全な逆恨みだ。

「教会の神官様方が現場へと急行し、スラム地区全土に結界を張り、奴は結界内で討伐されたが…」

え? 討伐されたのなら、それで終わりでしょ? まだ、何か続きがあるの?

「あのクズは欲望の塊だったようでな、最後の最後で恨みの言葉を発しながら、自らの身体から瘴気を放出させて息絶えおった」

どこまでクズなの?

「その瘴気が思った以上に強力で、街全土から神官たちを招集させても抑え込むだけで手一杯だった故に、聖女様が緊急招集され、スラム地区全土を覆う結界をより強固にしてもらい、光の上位となる聖魔法で瘴気を完全に浄化させた」

たった1人の人間の欲望だけで、そんな大変な事態に陥ったんだ。
宿の主人も、4歳と見た目12歳の子供に、そんな裏話を話せないよね。

でも、あの様子から察するに、街の人々は、魔物と化したクズ領主が、今でも生きていると思っているのかな?

「問題は、その後だ」

え、まだ何かあるの!?

「その問題に関しては、この中におられる精霊様に直接聞いてみるといい。儂は、家へ戻るよ」

そこから、精霊フェニックス族の話になるんだね。
いよいよ、ご対面か。
精霊フェニックス族、どんな姿なのかな?
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