加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護

文字の大きさ
6 / 61

6話 幽霊から幼女を救出せよ

しおりを挟む
とりあえず、宿屋を見つけて、幼女を部屋へ入れ、ベッドに寝かせたけど、さっきからずっとうなされている。

多分、タルパ共に悪夢でも見せられているのだろう。このままだと、この子の意志が減弱し、魂汚染が始まるのも時間の問題だ。最悪、魂を全て食われ、身体を乗っ取られてしまうから、早急な対処が必要だ。

前世では先生と出会い、霊力という存在を知るまで、この対処ができなかったことで、散々苦しめられてきた。僕にできたことは、心身を強く鍛えること。心と身体を強靭にすることで、たとえ憑かれても、幽霊の放つ悪意を受け流せるようにしていた。

この世界には、霊力と似た魔力が存在する。
そして、僕は多大な魔力とギフト[加工]を所持している。

前世の記憶に覚醒して以降、真っ先に考えたのが幽霊への対処だ。この世界で構築された魔法を使えないのなら、僕が自分の魔力を加工して、僕専用の魔法、いや【魔術】を作ればいいのだ。その原案を幾つも考え、加工に耐えうる魔力制御を身につけ、残すはギフトを得て以降の実戦のみとなっているけど、流石に初手の魔術を幼女に仕掛けるわけにはいかない。

僕は、マッドサイエンティストではないのだから。
とは言っても、この子の容態は極めて悪い。

この場で討伐しないといけない以上、僕自身が魔術の贄になればいい。
大丈夫、理論上上手くいくはずだ。
自分を信じろ!!

「まさか、魔術の人体実験第1号が自分自身とはね」

タルパへの対処として、始めに考案したのが魔術【暴食】だ。

この術は闇属性で、僕の魔力に攻撃機能を持たせ、指定した対象だけを食べて分解し、魔力に変換させることで、僕自身の魔力を回復させるだけでなく、最大魔力量を向上させる効果を持つ。僕自身の魔力属性が闇である以上、魔術の発現自体は可能なはずだ。

ここでキーとなるのが、魔力の【質と量】。

魔力自体が弱ければ、加工しても逆に敵に食べられて終わってしまう。5歳以降、僕は魔力の質を高める鍛錬を続け、今では一万を超える量もあるのだから自信を持とう。

「まずは、タルパを僕の身体へと誘い出す」

ここからは、全神経を研ぎ澄ませよう。
失敗は、この子の死を意味するのだから。

この世界の生物は、例外なく魔力を持っている。魔力というものは独特な気配を持っており、一人一人異なっていて、同一のものを持つ者は存在しない。僕は先生に習い、それを波長と呼んでいる。

僕は女の子の左手を優しく握り、特有の波長を解析し覚え、自分の魔力の波長を同調させていく。完全一致させてから、そっと魔力をこの子の身体全体に流していく。その瞬間、彼女に憑いていた4体のタルパが、より利用しやすい僕へと矛先を変え抜け出てきて、僕の身体内へと入ってきた。

『貴族を殺せ。貴族は、皆殺しだ。殺せ殺せ殺せ~~~~~』

案の定、タルパどもは僕の意志を弱めようと、殺意と憎悪を込めて、脳内に叫びを放つ。こういった類いは、男女関係なく、恨みを込め低く威圧感ある声で延々と[殺せ]と語り、殺意を飛ばしてくるけど、これが定番の乗っ取り言葉なのか? 

だとしたら、拍子抜けだ。
もう、それは前世で聞き飽きている。
前世の悪霊の方が、まだ[殺す]という言葉に重みを感じたかな。

「君らの恨みを聞いていられるほど、僕も暇じゃないんだ。潔く僕の餌、ゴホン、糧になってくれ」

さあ、ここからが本番だ。
体内でやる以上、制御をミスったら、暴食が僕自身を食べてしまう。

僕は闇属性を使い、体内でより暗く黒く圧縮させた蛇を作り、そこに殺意と攻撃性を込めて全身へと放ち、逃げられないよう魔力で身体を覆う。タルパ共も異常な黒き蛇に気付いたのか、逃げようとしているけど時既に遅しだ。僕の身体自体が監獄となっている以上、もう2度と出られない。

「捕獲完了、それでは初めての実食だ」

黒き蛇が、身体中に蔓延るタルパ共を食っていく。

「おお、タルパ共から味を感じるぞ。いいじゃないか、複雑に絡み合う濃厚な怨恨が実に美味だ。叫び声が、良いスパイスになっている」

僕の脳内では、奴らの叫び声が響き渡る。
これこれ、人々を苦しめるタルパ共の散りゆく無様な叫び声がたまらない。

こいつらも元人族で、理不尽な死に方をしたことで魔物化した気の毒な連中なのだろうけど、僕はそんな事を気にしない。

僕に殺意を抱き、襲い来る連中は全て敵だ。
相手が誰だろうと関係ない。

【魔術[暴食]を習得しました】
【ルティナを掌握しました】

「はあ~~美味しかった~~~」

全て食べ終えると、僕の魔力量がほんの少しだけ増え、新規魔術を覚えた。実験の成功は嬉しいけど、予期せぬ事態が起きたな。

「魔術の余波で、幼女を掌握するとは」

人や魔物に対して僕の魔力を流し込み、力で支配出来れば、ギフト[加工]の効果で、支配した相手のステータスを自由に閲覧できるし、その気になれば加工も出来ると女神から聞いているけど、こればかりは転生前の時点では試しようがないから、何処まで加工可能かは試さないとわからない。女神に質問しても、『全ては、あなたの技量次第です』と言われ、人への使い方だけは教えてくれなかった。

今回、タルパに憑かれていたこともあって、僕の魔力がタルパを通して彼女に影響を及ぼしたのかもしれない。まあ、こんな幼女を加工する加虐趣味は僕にないから、何もせず解放してあげよう。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される

向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。 アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。 普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。 白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。 そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。 剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。 だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。 おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。 俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。 身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。 そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと! これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。 ※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...