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28話 ルティナは根っからの聖女体質
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この子は、根っからの聖女体質のようだ。
リノアを見ると、苦笑しながらルティナを見ている。
「わかった、協力する。ただし、今回は大規模な事故か事件だから、僕の言うことに従うこと、いいね?」
「うん!! まずは、どうするの?」
この子の純粋さが、時折危うく感じる。1人だけで行動して、こういった事件が発生した場合、真っ先に現場に飛び込みそうだ。
「ルティナ、君はエリアヒールを使えるかい?」
「使えるけど、建物の中に入れないから、ここで使っても意味ないよ?」
なんだろう、違和感を感じる。
「君ら、もしかして、エリアヒールの効果を【自分を中心とする指定した範囲内にいる仲間の体力を回復させる】と思ってない?」
魔法を使えないことを転生前から知っていた時点で、僕は魔法の知識を魔術に応用出来ないか、女神様に質問しまくり、ヒライデン家の書庫にある文献を読みまくったことで、既存魔法については熟知している。そこには、当然エリアヒールも入っている。
「そう習ったけど?」
「リノアも、ルティナと同じかい?」
「はい」
ここは、手短に説明しよう。
「いいかい、よく聞くんだ。【エリアヒール】を発動させる上で重要なのは、発動場所となる基点だ。この魔法の長所は、その基点を自由に設定出来ることにある」
「「え?」」
やはり、知らなかったか。聖女様たちが無知なのか、それとも制御能力の関係で教えていないのか不明だけど、ここで軽く説明しておこう。
「自分を基点として魔法を発動させた場合、制御しやすいという長所もあるけど、それだと、仲間たちが魔法発動者のもとへ近づかないといけないという欠点もある。逆に、自由に基点を設定した場合、その欠点を改善できるけど、その分、発動者の負担が大きくなるという欠点があるんだ」
初見の知識のせいか、2人は呆然としている。
これを聞いたら、信じられないと思うかもしれないな。
「そして、範囲指定できるのは、何も距離だけじゃない」
「「え?」」
「お兄ちゃん、どういうこと?」
「ここで質問だ。範囲を距離で指定したら、多数の人々を回復させることが可能だけど、魔物との戦闘の上で根本的な問題がある。それは、何かな?」
爆発を起こしている以上、あまり時間をかけたくない。ルティナは意味がわからないのか頭を抱えているけど、リノアが答えに辿り着けそうだ。自分が魔物だからこそ、気づけるかもしれない。
「わかった。魔物も回復させちゃうんだ」
「あ!!」
「お見事、正解だ。魔物との戦闘の場合、範囲指定するのは[人]だ。一定距離内にいる人の魔力を把握して、その人たちだけに魔法を放てばいい。いいか、物事をもっと柔軟的に考えるんだ」
年齢の関係上、この魔法の使い方を基本しか知らないのは理解できるけど、どうして知識を持っていない? 知識があるないで、自分自身の考え方だって変わってくるのに、神殿連中の方針がよくわからないな。
「そして、もう2つ伝えるべき事項がある。1つ目、指定した人や距離などの範囲には高さも入っている。つまり、建物全体を指定しての魔法を放てるということ。2つ目、この魔法は人の体力だけでなく、指定した環境も多少回復できる。流石に、大気中に漂う毒物劇物の無効化は無理だけど、温度程度なら低下させることも可能だ」
これだけ広範囲に飛び散った毒物劇物を除去するには、光属性のキュアなどの解毒魔法だけでは不完全で、聖属性の広範囲型浄化魔法が必要になる。今のルティナはそれを習得していないから、エリアヒールだけで頑張るしかない。
「「ええ!?」」
う~ん、そこも知らないのか。
これは、絶対に一人では出来ないな。
「今言ったことを参考に、魔法[エリアヒール]をルティナに使ってもらう」
「無理だよ……そんなの……制御できないよ」
いきなり、弱音を吐き、泣きそうになっている。
まあ、無理もないけどね。
効果範囲を薬学棟全体に指定し、棟内の温度低下、棟内にいる生存者たちの体力回復、これらの同時行使ともなると、子供の力量では無理だ。
「わかっているさ。高度な制御が必須である以上、僕がスキル[同調]を使い、君をフォローする。ルティナは、魔法を維持させることに集中するんだ。多分、膨大な魔力が必要とされるから、僕のフォローがあるとはいえ、身体への負担も大きい。皆を助けたいのなら、君も覚悟を決めろ」
言うだけなら、誰にでもできる。
助けると言った以上、自分も覚悟を決めないとね。
「覚悟……わかった、やってみる!! 絶対に、みんなを回復させる!!」
自分にとって、これまで扱ったことのないエリアヒールである以上、緊張感もあるだろうけど、使命感の方が優っているようだ。
「リョウトさん、私は何をすればいい?」
「リノアは魔法効果が消えたのを確認したら、コーティングを解除して建物内に入るんだ。タルパ状態なら、物理も効かないし、仮に爆発が起きてもダメージゼロだから安心してほしい。まずは空を飛んで、建物の階毎における被害を調査するんだ。その中で、一番激しい箇所から負傷者を探して僕に報告してくれ。精神的にきつい思うけどやれるかい?」
この際だから、ルティナとリノアの存在をここの人たちにも知ってもらおう。新聞沙汰になるのは確定事項だから、神殿の奴らも手出ししにくくなる。
「やる!! 生存者を見つけ出したいです!! ルティナ、お互い頑張ろうね」
「うん!!」
説明している間に、大勢の人々が薬学棟前に到着し、建物を眺めながら、色々と話し合っている。この人たちに任せれば、時間がかかる分、死者の数が多くなる。
ここからは、時間との戦いだ。
僕が統率して、少しでも死者の数を減らしていこう。
リノアを見ると、苦笑しながらルティナを見ている。
「わかった、協力する。ただし、今回は大規模な事故か事件だから、僕の言うことに従うこと、いいね?」
「うん!! まずは、どうするの?」
この子の純粋さが、時折危うく感じる。1人だけで行動して、こういった事件が発生した場合、真っ先に現場に飛び込みそうだ。
「ルティナ、君はエリアヒールを使えるかい?」
「使えるけど、建物の中に入れないから、ここで使っても意味ないよ?」
なんだろう、違和感を感じる。
「君ら、もしかして、エリアヒールの効果を【自分を中心とする指定した範囲内にいる仲間の体力を回復させる】と思ってない?」
魔法を使えないことを転生前から知っていた時点で、僕は魔法の知識を魔術に応用出来ないか、女神様に質問しまくり、ヒライデン家の書庫にある文献を読みまくったことで、既存魔法については熟知している。そこには、当然エリアヒールも入っている。
「そう習ったけど?」
「リノアも、ルティナと同じかい?」
「はい」
ここは、手短に説明しよう。
「いいかい、よく聞くんだ。【エリアヒール】を発動させる上で重要なのは、発動場所となる基点だ。この魔法の長所は、その基点を自由に設定出来ることにある」
「「え?」」
やはり、知らなかったか。聖女様たちが無知なのか、それとも制御能力の関係で教えていないのか不明だけど、ここで軽く説明しておこう。
「自分を基点として魔法を発動させた場合、制御しやすいという長所もあるけど、それだと、仲間たちが魔法発動者のもとへ近づかないといけないという欠点もある。逆に、自由に基点を設定した場合、その欠点を改善できるけど、その分、発動者の負担が大きくなるという欠点があるんだ」
初見の知識のせいか、2人は呆然としている。
これを聞いたら、信じられないと思うかもしれないな。
「そして、範囲指定できるのは、何も距離だけじゃない」
「「え?」」
「お兄ちゃん、どういうこと?」
「ここで質問だ。範囲を距離で指定したら、多数の人々を回復させることが可能だけど、魔物との戦闘の上で根本的な問題がある。それは、何かな?」
爆発を起こしている以上、あまり時間をかけたくない。ルティナは意味がわからないのか頭を抱えているけど、リノアが答えに辿り着けそうだ。自分が魔物だからこそ、気づけるかもしれない。
「わかった。魔物も回復させちゃうんだ」
「あ!!」
「お見事、正解だ。魔物との戦闘の場合、範囲指定するのは[人]だ。一定距離内にいる人の魔力を把握して、その人たちだけに魔法を放てばいい。いいか、物事をもっと柔軟的に考えるんだ」
年齢の関係上、この魔法の使い方を基本しか知らないのは理解できるけど、どうして知識を持っていない? 知識があるないで、自分自身の考え方だって変わってくるのに、神殿連中の方針がよくわからないな。
「そして、もう2つ伝えるべき事項がある。1つ目、指定した人や距離などの範囲には高さも入っている。つまり、建物全体を指定しての魔法を放てるということ。2つ目、この魔法は人の体力だけでなく、指定した環境も多少回復できる。流石に、大気中に漂う毒物劇物の無効化は無理だけど、温度程度なら低下させることも可能だ」
これだけ広範囲に飛び散った毒物劇物を除去するには、光属性のキュアなどの解毒魔法だけでは不完全で、聖属性の広範囲型浄化魔法が必要になる。今のルティナはそれを習得していないから、エリアヒールだけで頑張るしかない。
「「ええ!?」」
う~ん、そこも知らないのか。
これは、絶対に一人では出来ないな。
「今言ったことを参考に、魔法[エリアヒール]をルティナに使ってもらう」
「無理だよ……そんなの……制御できないよ」
いきなり、弱音を吐き、泣きそうになっている。
まあ、無理もないけどね。
効果範囲を薬学棟全体に指定し、棟内の温度低下、棟内にいる生存者たちの体力回復、これらの同時行使ともなると、子供の力量では無理だ。
「わかっているさ。高度な制御が必須である以上、僕がスキル[同調]を使い、君をフォローする。ルティナは、魔法を維持させることに集中するんだ。多分、膨大な魔力が必要とされるから、僕のフォローがあるとはいえ、身体への負担も大きい。皆を助けたいのなら、君も覚悟を決めろ」
言うだけなら、誰にでもできる。
助けると言った以上、自分も覚悟を決めないとね。
「覚悟……わかった、やってみる!! 絶対に、みんなを回復させる!!」
自分にとって、これまで扱ったことのないエリアヒールである以上、緊張感もあるだろうけど、使命感の方が優っているようだ。
「リョウトさん、私は何をすればいい?」
「リノアは魔法効果が消えたのを確認したら、コーティングを解除して建物内に入るんだ。タルパ状態なら、物理も効かないし、仮に爆発が起きてもダメージゼロだから安心してほしい。まずは空を飛んで、建物の階毎における被害を調査するんだ。その中で、一番激しい箇所から負傷者を探して僕に報告してくれ。精神的にきつい思うけどやれるかい?」
この際だから、ルティナとリノアの存在をここの人たちにも知ってもらおう。新聞沙汰になるのは確定事項だから、神殿の奴らも手出ししにくくなる。
「やる!! 生存者を見つけ出したいです!! ルティナ、お互い頑張ろうね」
「うん!!」
説明している間に、大勢の人々が薬学棟前に到着し、建物を眺めながら、色々と話し合っている。この人たちに任せれば、時間がかかる分、死者の数が多くなる。
ここからは、時間との戦いだ。
僕が統率して、少しでも死者の数を減らしていこう。
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