スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第614話 マブダチの危機!のはずが?

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 食休み、とそれぞれのカップルとで、のんびり昼寝……のはずが。

 ケントの意識が消えた感覚に俺はすぐに起き上がった! リリアもエリーのが消えたと告げてきたんで、二人ですぐに確認したが。


「……ケント?」

「エリー……さん?」


 のんきに寝こけているわけではないが、まるで死んでいるかのようにほとんど息をしていない!? 揺さぶってはみたが、まるで氷のように冷たくなっているのに驚き以上に焦った。特に、レイスが漂っていたわけでもねぇし、他の死霊系の魔物が結界をすり抜けるわけがない。

 リリアが結界を確認してくれていたが、特に破損の箇所はないようだった。とくれば、これは内部の干渉。


「ケント!! エリー!! 起きてくれ!!」


 俺は念の為に、治癒魔法を使いまくって二人の肉体に熱伝導になるものを送り込んだが、起きる気配がなかった。


「……エリシオン様!! 湖の方に渦が!!」

「は?」


 ケントらの処置に必死になり過ぎて反応が遅れたが、リリアのいう通り爆発的な水の渦巻く音が聞こえてくる。そっちを見れば、中央に渦が巻き……何かが下にあるのかポッカリと穴が空いていく。

 しかし俺はケントたちの方が優先だと治癒魔法を進めていたが……熱を送ってもなかなか冷えが消えない。湖の事態もあるが、リリアも途中から手伝ってくれた。


「ケント様方が何に利用されたかはわかりませんが、今は!」

「ああ!」


 大事なマブダチとその恋人を助けたい。その願いが届いたのか……顔の震えが幾度か見られた後に、二人揃って目を覚ましてくれた。あれだけ肉体の機能が停止しかけていたのに、二人は一気に身体を起こしたが。


「あのドラゴンは!?」

「ケントのこと主だって」

「……は?」

「ドラゴン……というのは?」


 俺とリリアはなんのことだと顔を合わせたが、湖の方からけたたましい咆哮が聞こえてきたため、あの渦のことをすっかり忘れていた。

 リリアと振り返れば、渦は消えておらずに奥の方から咆哮が聞こえるばかりだ。



「まさか、この咆哮」

「ドラゴンがこのような地に? 封印でしょうか」

「親父たちから聞いてねぇぞ? つか、ケント。なんでドラゴンのこと?」

「えっと……僕とエリーの意識が。多分、あの中にいるドラゴンに引き寄せられた?」

「は?」

「多分そうね。しかも、水を使ったからケントが自分の主人に相応しいとかも言ってたわね?」

「そう……なのですか?」

「順を追って聞きたいが! まずはあのドラゴンを宥めるしかないな!」


 咆哮と渦以外、ドラゴンは出て来る気配がないでいた。リリアの言っていたように、何かに封印されているだろうが、この事態は解けかけている? あと何を解けば解放出来るかわかり兼ねるが……どうしたってドラゴンが完全に害悪とも断定出来ない。

 今は国王の俺は国のためにも無責任な発言や行動が出来ない。

 ケントを主人と認めていたとしても、それは意識体の中でのはず。肉体であるドラゴン自体が、混濁した中での現状はそうとも限らない。そこは、俺個人で断言出来ねぇんだよな?


「エリシオン様! 飛行の魔法であの上に行きましょう!」

「だな!」


 エリーにはケントを任せて、俺はリリアと魔法で渦の前に飛んでみたが。

 渦を覗けば、かなり下まで見えることが出来たぜ。奥底には、緑の巨体に歪な鎖が巻き付いてる姿が見えたが。


「やはり、封印」

「人柱ならぬ、竜ってやつか? なんのためにわざわざ」

『ご主人様ぁああああああ!!』

「「わっ!?」」


 無闇に退治出来んと思っていたら、頭の中に子供の叫び声が聞こえてきやがった。リリアも同じだったのか、よろけそうだったので抱えたが。


「……子ども?」

「の声、でしたが」


 ケントが気に入られていたとしたら……エリーが言ってた発言も合っているはず。

 それなら、とリリアは岸に戻って俺はケントを連れて同じ位置に戻ることにした。
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