スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第716話 スライムの菓子は

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 お師匠さんのところは、オークションで競り落とす方法に決まったのはいいとして。

 僕は僕のほうで、これ以上の効能をコントロールできないか。自分で挑戦してみようと思ったんだ。

 そのために、まずは自分の相棒たちの腕前を知らなくちゃいけない。


「あっしのクッキーですかい?」
「今まで気にしてなかったけど……もしかして、と思ってね?」


 生地の作り方はいつも通りだったので、最後の焼成の部分をじっくり見ておくことにした。カウルのオーブンでものの数秒で焼きあがるそれを……僕が取り出して、鑑定のスキルでしっかり効能を見れば。


【『素朴なチョコチップクッキー』

 ・気鬱軽減

 ・火傷完治

[エンシェントスライム;カウルの作成により、付与]

 以上の効能となります】


 効能としては低いけど……やっぱり、ポーションとしての効能がきちんと付与されていた!?

 元のスライムに戻ったカウルは僕の様子を見て、『え?』って顔をしていたから……ちゃんと教えてあげよう。


「け、ケン兄さん?」
「うん。少しだけど、効能付与されてた」
「えぇえ?? あっし、ひとりだけで?」
「僕と合同じゃなくても……だけど。パンの場合は僕のスキルが強く左右されるんだと思う」
「……でやんすか」


 となると、もうひとつ確認したいのはラティスト。大精霊の彼の腕前は初回に比べれば、段違いに料理上手になったからね? スインはもともと付与されることはわかっていたから、今回は除外。


「……出来たぞ」


 ラティストにも同じクッキーを作ってもらったけど……効能はだいたい似ていた。ケガの完治とかが二個くらい。

 これはこれは、イーシャ様は彼らにもスキルを付けさせて……どうしたいのかな? 休みはちゃんと取っているし、育成機関として学園も最近開校したというのに??


「……何がしたいんだろうねぇ? お師匠さんにもだし」
「意図が読めんな。……カウル、また腕を上げたな」
「ラティスト兄さんのもうんまいでやんすよ?」
「「「う~~~ん」」」


 三人寄れば文殊の知恵というかもしれないけど、その三人でこの事態。

 ここは、やっぱり外野からの指摘がほしいところだと思っていると、裏口がいきなり開いたのだ。


「はぁい? いい匂いしたから、お茶の時間かしらん?」


 そろそろ寒い時期になるというのに、相変わらずのビキニアーマーでのご登場というルゥさん。人妻になってもスタンス変えないのはいいけど……寒くないのかな?


「お茶の時間ではないですが。実は」


 カウルたちのことを話せば、『ふぅん』と考える仕草をとり……クッキーをひとつぽいっと口に入れたけど。なにか確認したいのもあってか、効果が出た証拠に体からしゅばっと光が。


「効能は確かに効いているわぁ。あたしが口の中噛んだの……消えたもの」
「口内炎ですか?」
「……んふ。ちょっとね?」


 なんか艶っぽいことかもしれないので、必要以上にツッコミを入れるのをやめておいた。


「けど。このクッキーは学園の購買がいいかもしれませんよね? 勉強すると、小腹が空きますし」
「いい考えだと思うわぁ。ここだと、ほかのパンでいっぱいだもの~」
「あ、あっしのクッキーが学園に!?」
「……であれば、カウル印とやらにすればいいのでは? カウルはケントの獣魔なのは知れ渡っているから、人気とやらが出るだろう」
「ラティスト、いい案だね!」


 ということで、ロイズさんやお師匠さんと改めて相談し合ってから『購買限定』で売りがしたところ……マリアナちゃんたちの宣伝の甲斐もあって、すぐ売り切れる人気商品になってしまい。

 その好評さが知れ渡って、街でも売ってほしいと言われるのは止められそうになかった。

 なので、ここは店長として『申し訳ございません』と言い切って、売る場所を定めるしか出来なかった。獣魔が人気になるのはいいけど……ここまでとは予想外過ぎでしたぁ。
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