スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第342話 納得出来ない

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 色々あったらしい。あり過ぎたと言うべきか。

 だからって、重要なことを先延ばしにしてはいけないと思うのだーけーど!?


「そのままにしてるの!? エリー!!」


 私は依頼の仕事が落ち着いたので、久しぶりにエリーを拠点にしている宿屋へと呼んだのだが。彼女から、その後の進展は? と聞けば、特にないと言ったのには驚いたわ! 理由が理由なので、わからなくもないけれど……ケントさんのお師匠さんの恋人さん関連の問題は落ち着いたのに、自分達のは放置ってどう言うこと!?


「……だって、まあ。急ぐ問題じゃないし」

「ケントさんだから大丈夫にしても、婚期を逃すかもしれないのよ!?」

「……そう?」

「そうよ!」


 十九歳が成人年齢でも、その年齢より前に結婚する男女はいなくもない。一般的じゃないだけで、ほとんどは貴族や豪族だけれど。でも、エリーは豪族の家柄だからそれに当てはまるのに……全然焦っていないのよね? 根が冒険者だっていうのもあるからだろうけど。


「けど、今結婚しても……あたし、冒険者辞めないわよ?」

「そうは言ってないわ。けど、関係のけじめはつけた方がいいんじゃない?」

「んー。じゃあさ? 君はいいの? シェリー」

「……私?」

「ジェフと今すぐ結婚とか、レイザーらに言われて出来る?」

「うっ」


 たしかに、私もエリーのことをとやかく言えた立場ではない。皆を巻き込んでまで、恋仲にはなれたジェフとだけど……キス以外の進展は特になく、関係はむしろ停滞している。

 デートはするが、それだけ。私は『シリウスの風』に加わったからだろうけど、ジェフはもともと知名度の高い冒険者だったから……街を歩くと男女問わず人気者だった。私がいても、付け狙う美人さんがほいほい群がるくらい。その度に、ジェフは『俺にはこいつが居る』って主張してくれるから大丈夫にはなっているけど。


(……ジェフと結婚?)


 小さい頃から、夢見ていたことだけど……いざ、現実になるかもしれないと考えたら、すっごく顔が熱くなってきたわ!!


「ほらほら? あたしより、君達が先じゃない?」

「……そう言って、はぐらかそうとしてない?」

「……誤魔化されないか」

「なーい!」


 けど、お互いの恋人はそれぞれひと癖ありそうな男性には変わりないので……仕方がないけど、ゆっくり進めていこうと落ち着くことになったのだった。


「……そういえば。レイザーはいずれ国王でしょ? トラディスの方はどうなのかしら?」


 話題を切り替えて、エリーはトラディスさんの事を出したのだけれど。

 実は、王子様のトラディスさんの立場って微妙らしいのよね? 第二王子様って真実は、まだごく一部しか知られていないもの。
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