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第63話 友のために戦うJKは強い
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「……これ、どういうこと?」
浮き輪に空気を入れて戻ってきた天音が、コートに立つ夕奈と瑞希を見て首を傾げる。
「2人が勝負を申し込んだんだよ。花音をナンパしに来た男たちに」
「お兄ちゃんは戦わないの?」
「僕が勝てると思ってる?」
「絶対無理」
「だからだよ」
まあ、戦えたらお兄ちゃんとしてもかっこよかったんだろうけど、出来ないことはやらない方がいいに決まってる。
こういうのは得意な2人に任せて、自分は花音の心のケアを頑張ることにしよう。
唯斗はそう心の中で決めると、隣でうずくまっている彼女の背中を優しく撫でてあげた。
「花音、元気だし───────」
「カノちゃん師匠、大丈夫? 夕奈師匠が何とかしてくれるから大丈夫だよ!」
「ううっ……天音ちゃん、ありがとうですぅ……」
唯斗の言葉を遮るように励ましの言葉を送った天音に、花音はぎゅっと抱きついてホッと一息。こまるも心配していたのか、一緒に抱きしめられに来た。
「……」
どうやら、こっちにも唯斗の出番はないらしい。
彼は無言で体育座りになると、風花たちが持ってきたスイカボールを抱えている夕奈へと視線を向けた。
「試合は15点マッチでいいよねー?」
「そんな長々とやんのか? お前らが恥かくだけだぞ?」
「……ふーん、そういうこと言っちゃう感じ?」
男に舐められていると理解した彼女は、ニヤリと笑って突き出した右手の人差し指を立てた。
「ならひとつ、追加しよっか。『負けた方は勝った方の言うことを聞く』ってのはどうよ」
この提案には男たちも予想以上の報酬に目を丸くして、「……いいのか?」と聞き返すほど。
夕奈はそんな2人に「もちのろんよ」と頷くと、自らの胸に手を当てながら周囲の人にも聞こえるほど大きな声で宣言した。
「君たちが勝てば、私たちのこと好きにしていいよ」
そんな彼女に瑞希は「ちょ、おま……」と戸惑ったようだったが、言葉を交わさないアイコンタクトで会話をすると、仕方ないと言ったふうに頷く。
「こ、これは……勝つしかねぇな!」
「そうだな、明日の目覚めは良さそうだぜ!」
スンスンと鼻息が荒くなるナンパ男たちに、コート上の2人は呆れたように笑い合った。
そして、夕奈はちらりと唯斗の方を見ると、ニコッと微笑んで手を振ってくる。出来れば試合に集中してもらいたいんだけど……。
「じゃあ、試合を始めるよ~♪」
審判席に座った風花がそう言うと、両チームそれぞれが配置につく。夕奈と瑞希が真剣な表情なのに比べて、男たちは明らかに余裕そうな面持ちだ。
「審判は公正なジャッジをするから安心してね~。あと、逆らったら即退場だよ~?」
「ふん、さっきの大声で観客も集まってきてる。審判が嘘をついてもバレるから関係ないぜ」
「そだね~♪」
全員が了承したのを確認して、風花が「じゃあ、スタート~」と手を叩いた。
「サーブはそっちからでいいぜ」
「どうせ勝てっこないだろうからな!」
夕奈は、女だからと完全に舐め切っているナンパ野郎に「そう?後悔しないでねー?」と呟くと、助走をつけてライン手前でボールを高く放った。
綺麗な放物線を描くスイカボール、美しい角度で飛ぶ夕奈、構える男、そして息を飲む観客たち。
ジャンプの最高到達点にて、勢いよく振りかぶられた彼女の手のひらに触れたボールは、球体から大きく形を変え──────────────。
「夕奈スペシャルサイドインアターック!!!」
デタラメな必殺技コールと共に、まるで空から急降下して獲物を狙う鷹のごとくコートの隅に突き刺さった。
「「……へ?」」
額に焦りを滲ませるナンパ男たちを横目に、夕奈と瑞希は軽快にハイタッチをするのであった。
浮き輪に空気を入れて戻ってきた天音が、コートに立つ夕奈と瑞希を見て首を傾げる。
「2人が勝負を申し込んだんだよ。花音をナンパしに来た男たちに」
「お兄ちゃんは戦わないの?」
「僕が勝てると思ってる?」
「絶対無理」
「だからだよ」
まあ、戦えたらお兄ちゃんとしてもかっこよかったんだろうけど、出来ないことはやらない方がいいに決まってる。
こういうのは得意な2人に任せて、自分は花音の心のケアを頑張ることにしよう。
唯斗はそう心の中で決めると、隣でうずくまっている彼女の背中を優しく撫でてあげた。
「花音、元気だし───────」
「カノちゃん師匠、大丈夫? 夕奈師匠が何とかしてくれるから大丈夫だよ!」
「ううっ……天音ちゃん、ありがとうですぅ……」
唯斗の言葉を遮るように励ましの言葉を送った天音に、花音はぎゅっと抱きついてホッと一息。こまるも心配していたのか、一緒に抱きしめられに来た。
「……」
どうやら、こっちにも唯斗の出番はないらしい。
彼は無言で体育座りになると、風花たちが持ってきたスイカボールを抱えている夕奈へと視線を向けた。
「試合は15点マッチでいいよねー?」
「そんな長々とやんのか? お前らが恥かくだけだぞ?」
「……ふーん、そういうこと言っちゃう感じ?」
男に舐められていると理解した彼女は、ニヤリと笑って突き出した右手の人差し指を立てた。
「ならひとつ、追加しよっか。『負けた方は勝った方の言うことを聞く』ってのはどうよ」
この提案には男たちも予想以上の報酬に目を丸くして、「……いいのか?」と聞き返すほど。
夕奈はそんな2人に「もちのろんよ」と頷くと、自らの胸に手を当てながら周囲の人にも聞こえるほど大きな声で宣言した。
「君たちが勝てば、私たちのこと好きにしていいよ」
そんな彼女に瑞希は「ちょ、おま……」と戸惑ったようだったが、言葉を交わさないアイコンタクトで会話をすると、仕方ないと言ったふうに頷く。
「こ、これは……勝つしかねぇな!」
「そうだな、明日の目覚めは良さそうだぜ!」
スンスンと鼻息が荒くなるナンパ男たちに、コート上の2人は呆れたように笑い合った。
そして、夕奈はちらりと唯斗の方を見ると、ニコッと微笑んで手を振ってくる。出来れば試合に集中してもらいたいんだけど……。
「じゃあ、試合を始めるよ~♪」
審判席に座った風花がそう言うと、両チームそれぞれが配置につく。夕奈と瑞希が真剣な表情なのに比べて、男たちは明らかに余裕そうな面持ちだ。
「審判は公正なジャッジをするから安心してね~。あと、逆らったら即退場だよ~?」
「ふん、さっきの大声で観客も集まってきてる。審判が嘘をついてもバレるから関係ないぜ」
「そだね~♪」
全員が了承したのを確認して、風花が「じゃあ、スタート~」と手を叩いた。
「サーブはそっちからでいいぜ」
「どうせ勝てっこないだろうからな!」
夕奈は、女だからと完全に舐め切っているナンパ野郎に「そう?後悔しないでねー?」と呟くと、助走をつけてライン手前でボールを高く放った。
綺麗な放物線を描くスイカボール、美しい角度で飛ぶ夕奈、構える男、そして息を飲む観客たち。
ジャンプの最高到達点にて、勢いよく振りかぶられた彼女の手のひらに触れたボールは、球体から大きく形を変え──────────────。
「夕奈スペシャルサイドインアターック!!!」
デタラメな必殺技コールと共に、まるで空から急降下して獲物を狙う鷹のごとくコートの隅に突き刺さった。
「「……へ?」」
額に焦りを滲ませるナンパ男たちを横目に、夕奈と瑞希は軽快にハイタッチをするのであった。
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