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「おはようございます。セフィリア様。本日は午後より大地の間にて、実りの儀式に参加していただく予定でございます。それと、あの、本日もエベレン伯爵より、謁見の申し込みが来ておりますが、そちらはいかがいたしましょうか」
「そうね、もうしわけないけどそれは断っておいて。『儀式で疲れている』 とでも言っておけばいいわ。あの豚伯爵、いつも舐めまわすような目で見てくるし、鼻とおでこが油でギラギラと光っていて気持ち悪いのよね」
「かしこまりました。丁重にお断りしておきますね」
「よろしくね」
「そしてこの後は、どうされますか?」
「まだ時間もある事だし、少し外の空気を吸いたい気分だからいつもの場所に行ってくるわ。一人で大丈夫よ。神殿内だもの。それに、少ししたら戻ってくるわ」
「わかりました。では戻られましたらお茶にいたしますので、またお声掛けください」
「わかったわ、ありがとう」
そこでふと考える。
「ねえ、今日はあなたの作るベリータルトが食べたいわ」
「ではご用意しておきますね。でも、午後には儀式がありますので、食べ過ぎは厳禁ですよ?」
この神殿に来てからずっとそばで仕えてくれている。私よりも五つ年上の彼女はとにかくお菓子作りが上手で、特に彼女の作るベリータルトは絶品。いつも食べ過ぎないように、とは気を付けているのだけれど、ついついワンホールをペロッと食べてしまうのだ。
もちろんわかっているわよ? と、ふふっと微笑んで部屋を出た。
外用の履物に変えてから庭に出て、胸いっぱいに空気を吸う。庭には色とりどりの花があちらこちらに植えられているため、空気を吸うと甘い香りが身体全体に染み渡った感じがするから、とても心地がいい。
午後からの儀式のことを考えるとどうしても憂鬱な気分になってしまうため、ここに来て気分転換がしたかったのだ。
少し気分が晴れやかになった気がする。
この国では王と教皇が手を取り互いに協力し合い国を治めている。だから当然神殿はとても力があり、また、王国の人々はみな一日に三回は祈りを捧げているくらい神を信仰しているため、国の人々からも支えられて神殿は成り立っている。信仰心がなければ罰せられるというわけでもないのだが、人々は何かあると無意識に祈りを捧げてしまうほど、祈りは生活の一部となっている。
儀式には様々な種類があり、国を挙げた祭りのような儀式から、祭殿で行われる厳かな儀式など様々な形式の儀式がある。
神への祈りをささげる儀式は人々の祈りの象徴であり、とても大切なものとして扱われている。そして人々の思いを神と捧げる役目として聖女がいる。まさに神の使いという大役のため、当然身分も高く、教皇の次に偉い立場である。
ちなみに私は元は貧乏伯爵家の娘である。人のいい父親は、誰彼構わずに困っている人がいればすぐにお金を渡してしまう人なため、わが家はいつも貧しかった。新しいドレスを買うことはせず、おさがりは当然、お直ししながら来ていたから、同じ年頃の令嬢たちからはよく馬鹿にされていた。
ただ、困っている人を決して見捨てることをしない父親は、領地の人たちからはとても慕われていて、町を歩けばみんなが野菜やパンをくれるため食べ物に困ることはなかった。
人を疑うことはせずに、すぐにお金をあげちゃう父親には困ったものだとは思いつつも、家族みんなそんな父親を誇らしくもあった。ただ、やっぱりいつも貧乏だったけれど。
でも、今なら言える、
私、貧乏伯爵令嬢から一気に成り上がりました!
この容姿で生んでくれたお母さん、ありがとう!
いつも徳を積んでくれていたお父さん、ありがとう!
私、立派に聖女をこなして見せますね!!
「おはようございます。セフィリア様。本日は午後より大地の間にて、実りの儀式に参加していただく予定でございます。それと、あの、本日もエベレン伯爵より、謁見の申し込みが来ておりますが、そちらはいかがいたしましょうか」
「そうね、もうしわけないけどそれは断っておいて。『儀式で疲れている』 とでも言っておけばいいわ。あの豚伯爵、いつも舐めまわすような目で見てくるし、鼻とおでこが油でギラギラと光っていて気持ち悪いのよね」
「かしこまりました。丁重にお断りしておきますね」
「よろしくね」
「そしてこの後は、どうされますか?」
「まだ時間もある事だし、少し外の空気を吸いたい気分だからいつもの場所に行ってくるわ。一人で大丈夫よ。神殿内だもの。それに、少ししたら戻ってくるわ」
「わかりました。では戻られましたらお茶にいたしますので、またお声掛けください」
「わかったわ、ありがとう」
そこでふと考える。
「ねえ、今日はあなたの作るベリータルトが食べたいわ」
「ではご用意しておきますね。でも、午後には儀式がありますので、食べ過ぎは厳禁ですよ?」
この神殿に来てからずっとそばで仕えてくれている。私よりも五つ年上の彼女はとにかくお菓子作りが上手で、特に彼女の作るベリータルトは絶品。いつも食べ過ぎないように、とは気を付けているのだけれど、ついついワンホールをペロッと食べてしまうのだ。
もちろんわかっているわよ? と、ふふっと微笑んで部屋を出た。
外用の履物に変えてから庭に出て、胸いっぱいに空気を吸う。庭には色とりどりの花があちらこちらに植えられているため、空気を吸うと甘い香りが身体全体に染み渡った感じがするから、とても心地がいい。
午後からの儀式のことを考えるとどうしても憂鬱な気分になってしまうため、ここに来て気分転換がしたかったのだ。
少し気分が晴れやかになった気がする。
この国では王と教皇が手を取り互いに協力し合い国を治めている。だから当然神殿はとても力があり、また、王国の人々はみな一日に三回は祈りを捧げているくらい神を信仰しているため、国の人々からも支えられて神殿は成り立っている。信仰心がなければ罰せられるというわけでもないのだが、人々は何かあると無意識に祈りを捧げてしまうほど、祈りは生活の一部となっている。
儀式には様々な種類があり、国を挙げた祭りのような儀式から、祭殿で行われる厳かな儀式など様々な形式の儀式がある。
神への祈りをささげる儀式は人々の祈りの象徴であり、とても大切なものとして扱われている。そして人々の思いを神と捧げる役目として聖女がいる。まさに神の使いという大役のため、当然身分も高く、教皇の次に偉い立場である。
ちなみに私は元は貧乏伯爵家の娘である。人のいい父親は、誰彼構わずに困っている人がいればすぐにお金を渡してしまう人なため、わが家はいつも貧しかった。新しいドレスを買うことはせず、おさがりは当然、お直ししながら来ていたから、同じ年頃の令嬢たちからはよく馬鹿にされていた。
ただ、困っている人を決して見捨てることをしない父親は、領地の人たちからはとても慕われていて、町を歩けばみんなが野菜やパンをくれるため食べ物に困ることはなかった。
人を疑うことはせずに、すぐにお金をあげちゃう父親には困ったものだとは思いつつも、家族みんなそんな父親を誇らしくもあった。ただ、やっぱりいつも貧乏だったけれど。
でも、今なら言える、
私、貧乏伯爵令嬢から一気に成り上がりました!
この容姿で生んでくれたお母さん、ありがとう!
いつも徳を積んでくれていたお父さん、ありがとう!
私、立派に聖女をこなして見せますね!!
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