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第5章 神の息吹。
海賊船。
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その日の夜は、トルマリンの宿屋に泊まった。
テントの方が居心地がいいし、猫達も出しておけるのだが、少しはこっちの世界に馴染まないとな。
決して、オパール王国に行くのが嫌で時間稼ぎをしているわけでは……。
「とりあえず、寝よう」
質素だが清潔なベッドに潜り込む。
すぐに眠気が訪れ、うとうととし始めた。
せりがキャットハウスから顔を出した。
「んー、せり……?」
イカミミで、毛を逆立てている。
〈気配察知〉だ!
慌ててベッドから起き上がり、身支度を整える。
こんな夜中に何だ?
外が騒がしくなってきた。
窓を開けると、明かりを手にした町の人達が叫んでいた。
「海賊だ!」
「!」
港の方へ目を向けると、大きな船が近付いて来ているのが見えた。
あれか?
暗くて、よく見えないな……。
「おこん、〈創成魔法〉。でっかいミニ懐中電灯!」
……相反する指示だということは分かっている。
だが、猫達を遊ばせていたのはミニ懐中電灯の光だったので仕方がない。
「にゃん!」
おこんが鳴くと、両手で抱えるほどの大きさのミニ懐中電灯が部屋の中に現れた。
窓の所に置いて、明かりを船の方へ向けた。
大きくて黒い船のマストには、何も描かれていない黒い旗が掲げられていた。
船の壁面に付いているのは、巨大な大砲。
間違いない。
海賊船だ!
大砲が撃たれたらマズい。
「キング、港まで〈空間転移〉!」
キングがぱちりと両目を閉じると、微妙な浮遊感と共に私達は港に移動した。
海賊に気付いたトルマリンの町の人達が、明々と火を灯したのでさっきよりはよく見える。
大砲がこちらを向いている。
多分、上陸準備もしているだろう。
しかし、昨日の今日だって言うのにずいぶんと耳が早いな。
国単位ならともかく、町などに神様が加護を授けると、そこを悪党どもが狙ってやって来る事がまれにある。
だから、加護を授かった町は最大限の警戒をする。
トルマリンの町の人達の対応が素早かったのも、それのおかげだ。
おそらく松明を大量に用意し、港に見張り番を置いていたのだろう。
それにしても。
「タイミングがいいというか、悪いというか……」
私達がいる時に襲って来るとはな。
「みんな、出ておいで」
ストレス発散に、付き合ってもらいましょうか?
テントの方が居心地がいいし、猫達も出しておけるのだが、少しはこっちの世界に馴染まないとな。
決して、オパール王国に行くのが嫌で時間稼ぎをしているわけでは……。
「とりあえず、寝よう」
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〈気配察知〉だ!
慌ててベッドから起き上がり、身支度を整える。
こんな夜中に何だ?
外が騒がしくなってきた。
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「海賊だ!」
「!」
港の方へ目を向けると、大きな船が近付いて来ているのが見えた。
あれか?
暗くて、よく見えないな……。
「おこん、〈創成魔法〉。でっかいミニ懐中電灯!」
……相反する指示だということは分かっている。
だが、猫達を遊ばせていたのはミニ懐中電灯の光だったので仕方がない。
「にゃん!」
おこんが鳴くと、両手で抱えるほどの大きさのミニ懐中電灯が部屋の中に現れた。
窓の所に置いて、明かりを船の方へ向けた。
大きくて黒い船のマストには、何も描かれていない黒い旗が掲げられていた。
船の壁面に付いているのは、巨大な大砲。
間違いない。
海賊船だ!
大砲が撃たれたらマズい。
「キング、港まで〈空間転移〉!」
キングがぱちりと両目を閉じると、微妙な浮遊感と共に私達は港に移動した。
海賊に気付いたトルマリンの町の人達が、明々と火を灯したのでさっきよりはよく見える。
大砲がこちらを向いている。
多分、上陸準備もしているだろう。
しかし、昨日の今日だって言うのにずいぶんと耳が早いな。
国単位ならともかく、町などに神様が加護を授けると、そこを悪党どもが狙ってやって来る事がまれにある。
だから、加護を授かった町は最大限の警戒をする。
トルマリンの町の人達の対応が素早かったのも、それのおかげだ。
おそらく松明を大量に用意し、港に見張り番を置いていたのだろう。
それにしても。
「タイミングがいいというか、悪いというか……」
私達がいる時に襲って来るとはな。
「みんな、出ておいで」
ストレス発散に、付き合ってもらいましょうか?
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