【完結】御令嬢、あなたが私の本命です!

やまぐちこはる

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第46話 受付開始!

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 エルロールの読み書き教室が整った日。
ドキドキしながら、エルロールとテューダーは潜んで見守っていた。

 今日は授業を受けたい者の申し込みを受け付ける初めての日である。
子供は無料、大人はテキストや文具代のみ負担で誰もが学べるのだ。
 今日に先駆けてちらしを配ろうと言ったエルロールに、メリンダが教える。

「ちらしに書かれていることが読めないのですわ」

 考えの浅さに落ち込みつつ、メリンダに勧められたように教会、役場やギルド、様々な商店、警ら隊など生活に密着したところに声をかけさせ、読み書きを学びたい者、学ばせたい者に知らせるよう手を回した。




「来るかな?」
「来ますよ絶対」

 受付にどれくらい来るか、ふたりで賭けたのだ。

「来たっ!」

 こども三人を連れた母親、ひとり連れた母親、またひとり連れた母親・・・
子連れの母親たちがどんどんと受付を済ま   せて簡単なテストをし、時間割を選んでいく。
 基本的に選んだコマに毎日通う。
急病や大人の場合は仕事で来られない時は、同じレベルのクラスなら変更できると決められていて、そのためにとても簡単なものだがテストを受けてもらうのだ。
1-Aというと朝一番8時のゆっくり進むクラス。2-Bは朝9時からのクラスだがAより少し早く進むので、AかBかを見て変更すれば同じ進み具合のクラスで違う時間に受けられるし、Bクラスにいても、おさらいしたければAクラスを受けてもよい。
 エルロールがメリンダと相談した上で、ソージェと決めたが、我ながらよく練れていると思っていた。



 受付には年齢様々な大人たちも現れ始め、読み書きの学びの場の必要性は年代を問わないと改めて気づかされたエルロールが、ほかの地域で読み書き教室の準備をさせるべく採用した者たちからの報告を早めるようテューダーに言いつける。

「取り分けた予算はまだ十分あるよな?」
「あと十軒くらい一気に建てても大丈夫だ」

 テューダーからの返事を聞いて、エルロールはふと複雑な気持ちになった。

 生まれながらに王子である自分、貧しい平民として生まれた民と一体何が違うのだろう?
 何故自分はこれほどの地位や権力、富を手にし、彼らは何も持つことがなかったのだろうと。
 運命の神が定めたとしか言いようがないことはエルロールもわかっていたが、敢えて自らに問いかけ、わかりきった答えをまた自らに言い聞かせていた。


 ─王族として生まれたことには何かの意味がある、民の人生を背負う責を求められたのなら全うしなくてはならない─


 なんと堅苦しく生真面目なのかと、誰もが思うことだろう。
 そんなエルロールが落ちた恋、不器用に誠実に進んでいく姿を、誰もが手を握りしめて応援していた。
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