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メンシアの新しい施設で会談したカーライル・エンダライン侯爵とランバルディ・セリアズ公爵は、パルティアがイエスと言ったらすぐ政略的婚約を結ぼうと約束を交わした。
パルティアと話すのはスーラ夫人である。
「それで、貴女はどう思っているの?」
「・・・アレクシオス様は素敵な方だと思っておりますわ」
「パルティア、私は貴女にもう辛い思いをしてほしくないの。貴族にはなかなか難しいことですが、パルティアには貴女が心から望む幸せな結婚を手にして欲しいわ」
「お母さま、ありがとうございます」
母と娘は手を取り合って微笑みを交わし合う。
「貴女の気持ちを教えてくれる?」
こくんと、ゆっくり頷いたパルティアが躊躇いながらも口にする。
「お慕い・・・しております」
「そう!それはよかったわ。ランバルディ様からアレクシオス様との婚約のお申し出があって。お受けしても?」
愛娘が俯きながらも目を瞠ったのがわかる。
小さく頷いてから、熱く火照る頬を掌で包んで、ふうっと息をついてから答えた。
「はい、よろしくお願い致します」
ランバルディは、エンダライン家からの返書を見てアレクシオスを呼んだ。
─どんな顔をするかな。
蕩けるように笑うだろうか─
幸せな想像をしながらアレクシオスを待ち侘びた。
「お呼びでしょうか」
来たっ!
「おお、アレクシオス。こちらへ。話があるのだよ」
部屋に入ったアレクシオスは怪訝な顔をした。何しろ父が、いままで見たことがないほど上機嫌なのである。
「そろそろ前に進んでも良い頃かと思ってな」
「前に進むですか?メンシアの事業ならあと少しで開業できますが」
「事業の話ではないぞ。おまえの婚姻だ」
えっ!と小さく声を漏らしたアレクシオスは、わかりやすく顔を顰めた。
政略結婚しろと言われたら断れない立場だが、今アレクシオスには大切な想い人がいる。父も知っているはずなのにと唇を噛んだ。
「そんな顔をするな。あのようなことがあったおまえに、私が選ぶのは一人しかいないだろう?」
父の言葉に視線を上げる。
「素晴らしい令嬢だから、お前が結婚しないと言うなら独身の私が申し込んでもいいな」
「え?ええっまさか?」
息子をからかったランバルディは表情を引き締めると、愛息の白い頬が赤く染まっていくのを眺める。
「冗談に決まっておる。
おまえがパルティア嬢にプロポーズしたと聞いてな、エンダライン侯爵に話を通しておいたのだ」
─うれしいだろう?ほうら、うれしそうな顔だ─
ランバルディは心のうちの笑いが止まらない。
古くからの家同士の対立に気を取られ、エンダライン家の当主家族の本質を見ようともしていなかったが、しがらみ無しで冷静に付き合えばシリドイラなどよりずっと上等で信頼できる人々だった。
「私はそもそものおまえの婚約者選びを間違えた。古き悪しき流れなど断ち切り、本当に結ばれるべき家を選んでおれば、あのような辛い目に遭わせることもなかったのだとずっと悔やんでおる。
しかし、おまえは見事に立ち直ってくれた!今はおまえが無事でいてくれることだけで十分だ。本当に愛おしいと思える相手と幸せになってほしいと、心からそう思っておる」
もちろん本心である。
しかし、素晴らしい政略的結婚でもあるとは口にしなかった。
「父上・・・うっうぅっ」
アレクシオスは父の愛に包まれて感極まり、小さく嗚咽を漏らす。
「パルティア嬢と結婚するな?」
こくこくと首を振ってから頷いた。
「よし、では早速結納を手配しよう」
「え?あのパルティア様のお気持ちを確かめなくともよいのですか?」
「既に確認済なのだ」
くふっと音を漏らしながら、ランバルディが楽しげに笑った。
パルティアと話すのはスーラ夫人である。
「それで、貴女はどう思っているの?」
「・・・アレクシオス様は素敵な方だと思っておりますわ」
「パルティア、私は貴女にもう辛い思いをしてほしくないの。貴族にはなかなか難しいことですが、パルティアには貴女が心から望む幸せな結婚を手にして欲しいわ」
「お母さま、ありがとうございます」
母と娘は手を取り合って微笑みを交わし合う。
「貴女の気持ちを教えてくれる?」
こくんと、ゆっくり頷いたパルティアが躊躇いながらも口にする。
「お慕い・・・しております」
「そう!それはよかったわ。ランバルディ様からアレクシオス様との婚約のお申し出があって。お受けしても?」
愛娘が俯きながらも目を瞠ったのがわかる。
小さく頷いてから、熱く火照る頬を掌で包んで、ふうっと息をついてから答えた。
「はい、よろしくお願い致します」
ランバルディは、エンダライン家からの返書を見てアレクシオスを呼んだ。
─どんな顔をするかな。
蕩けるように笑うだろうか─
幸せな想像をしながらアレクシオスを待ち侘びた。
「お呼びでしょうか」
来たっ!
「おお、アレクシオス。こちらへ。話があるのだよ」
部屋に入ったアレクシオスは怪訝な顔をした。何しろ父が、いままで見たことがないほど上機嫌なのである。
「そろそろ前に進んでも良い頃かと思ってな」
「前に進むですか?メンシアの事業ならあと少しで開業できますが」
「事業の話ではないぞ。おまえの婚姻だ」
えっ!と小さく声を漏らしたアレクシオスは、わかりやすく顔を顰めた。
政略結婚しろと言われたら断れない立場だが、今アレクシオスには大切な想い人がいる。父も知っているはずなのにと唇を噛んだ。
「そんな顔をするな。あのようなことがあったおまえに、私が選ぶのは一人しかいないだろう?」
父の言葉に視線を上げる。
「素晴らしい令嬢だから、お前が結婚しないと言うなら独身の私が申し込んでもいいな」
「え?ええっまさか?」
息子をからかったランバルディは表情を引き締めると、愛息の白い頬が赤く染まっていくのを眺める。
「冗談に決まっておる。
おまえがパルティア嬢にプロポーズしたと聞いてな、エンダライン侯爵に話を通しておいたのだ」
─うれしいだろう?ほうら、うれしそうな顔だ─
ランバルディは心のうちの笑いが止まらない。
古くからの家同士の対立に気を取られ、エンダライン家の当主家族の本質を見ようともしていなかったが、しがらみ無しで冷静に付き合えばシリドイラなどよりずっと上等で信頼できる人々だった。
「私はそもそものおまえの婚約者選びを間違えた。古き悪しき流れなど断ち切り、本当に結ばれるべき家を選んでおれば、あのような辛い目に遭わせることもなかったのだとずっと悔やんでおる。
しかし、おまえは見事に立ち直ってくれた!今はおまえが無事でいてくれることだけで十分だ。本当に愛おしいと思える相手と幸せになってほしいと、心からそう思っておる」
もちろん本心である。
しかし、素晴らしい政略的結婚でもあるとは口にしなかった。
「父上・・・うっうぅっ」
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「パルティア嬢と結婚するな?」
こくこくと首を振ってから頷いた。
「よし、では早速結納を手配しよう」
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「既に確認済なのだ」
くふっと音を漏らしながら、ランバルディが楽しげに笑った。
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