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パルティアはゴルドーに新しく開業した施設に宿泊し、帳簿の確認に励んでいた。
ここの支配人はたまたまゾロアの知人で、信頼はもちろんしているのだが、それとこれとは別の話である。
特に開業して二月ほどで確認をすると、勝手な思い込みで経費を使われていることも多く、引き締めるのにちょうどよい頃合いだ。そのため今、アレクシオスと手分けしていくつかの施設を回っている。
「ジンを呼んで」
支配人がやって来ると、帳簿から見つけた異常を指摘した。
「これ、誰が何のために使う物かしら」
「ん?これは・・・メイドの一人が購入しておりますね、何だろう」
「メイドたち皆に必要なものならもちろんよろしくてよ。でも使うのがただ一人なら、その理由を確認して。貴方が納得できるなら是、できないのは非として次回からは認めないとして。
そして万一仕事でないことに流用されていた場合は、残念だけどその者をここに残すことは許されないわ」
ジンは固い表情でしっかりと頷くと、帳簿の名前をもう一度確認して部屋を出て行った。
その後現れたジンはますます固い顔で、口元を引き締めている。
「パルティア様、ご報告に上がりました」
「どうでした?」
「はい、それがやはり」
「やはり?」
困ったように眉を寄せながら、諦めて話さねばならないことを口にした。
「メイド全員と面談致しましたが、残念ながら・・・」
「そう」
「私の管理不行き届きでございます、この責めは如何様にでも」
「ジンは、二度とこのようなことが起きないように使用人の教育をして頂戴。次はないと心得て」
「はっ、畏まりました、寛大な処置ありがとうございます」
「それで、そのメイドは?」
「はい・・・それがまったく悪びれることなく、このくらいどうってことないなどと申しまして」
「それは・・・。
テーミアとメニアをこちらに呼び戻して、他にそのような思い違いをしている者がいないかも含めて再教育を徹底させなくては。その者に対しては?」
「はい、既に使い込んだ金を弁償させるために手配の上、解雇を申し渡しました」
「せっかく育てたのに不本意だけど、手癖の悪い者は信用おけないから仕方ないわ。商会への注文はどのようにしているの?」
パルティアからの矢継ぎ早の質問に、ジンは息切れを起こしている。
「はっ、はっ、それは」
その異変にパルティアもようやく気がついた。
「ジン、大丈夫?落ち着いて、そこにお座りなさい」
ソファに座らせると水をグラスに入れて渡し、一口飲むまで見守った。
「続きは落ち着いてからで構わないから」
帳簿に視線を戻して数字を追っていると、ジンの呼ぶ声に顔を上げる。
「取り乱しまして申し訳ございません。先ほどの話でございますが、メイドたちは個別に注文しております」
「では今後は必ずメイド長が取りまとめ、さらにジンか、そうね、帳簿をつけているロリンにしましょう。必ずどちらかが必要性を確認してから注文することとします」
「ロリンでございますか?しかしロリンに言われてメイド長が言うことを聞くでしょうか?」
それとは気づかず、ジンは組織内の問題を口にしていた。
「・・・そう。ではメイド長は降格させ、エルシドから呼び寄せます。
そしてロリンはそうね、経理長という役をつけましょう。それからジン!」
「はい」
「荷が重いようなら貴方も降りて」
「えっ!」
パルティアは、当初はただ平民たちによい仕事を与えて仲良くやっていけたらとしか考えていなかったが。しかし組織が大きくなるに連れ、面談をくり返してどれほど厳選して採用しても、このようなことを時々経験するようになった。そのためいつしかなかよしごっこは卒業し、一端の経営者に成長し始めていた。
ここの支配人はたまたまゾロアの知人で、信頼はもちろんしているのだが、それとこれとは別の話である。
特に開業して二月ほどで確認をすると、勝手な思い込みで経費を使われていることも多く、引き締めるのにちょうどよい頃合いだ。そのため今、アレクシオスと手分けしていくつかの施設を回っている。
「ジンを呼んで」
支配人がやって来ると、帳簿から見つけた異常を指摘した。
「これ、誰が何のために使う物かしら」
「ん?これは・・・メイドの一人が購入しておりますね、何だろう」
「メイドたち皆に必要なものならもちろんよろしくてよ。でも使うのがただ一人なら、その理由を確認して。貴方が納得できるなら是、できないのは非として次回からは認めないとして。
そして万一仕事でないことに流用されていた場合は、残念だけどその者をここに残すことは許されないわ」
ジンは固い表情でしっかりと頷くと、帳簿の名前をもう一度確認して部屋を出て行った。
その後現れたジンはますます固い顔で、口元を引き締めている。
「パルティア様、ご報告に上がりました」
「どうでした?」
「はい、それがやはり」
「やはり?」
困ったように眉を寄せながら、諦めて話さねばならないことを口にした。
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「そう」
「私の管理不行き届きでございます、この責めは如何様にでも」
「ジンは、二度とこのようなことが起きないように使用人の教育をして頂戴。次はないと心得て」
「はっ、畏まりました、寛大な処置ありがとうございます」
「それで、そのメイドは?」
「はい・・・それがまったく悪びれることなく、このくらいどうってことないなどと申しまして」
「それは・・・。
テーミアとメニアをこちらに呼び戻して、他にそのような思い違いをしている者がいないかも含めて再教育を徹底させなくては。その者に対しては?」
「はい、既に使い込んだ金を弁償させるために手配の上、解雇を申し渡しました」
「せっかく育てたのに不本意だけど、手癖の悪い者は信用おけないから仕方ないわ。商会への注文はどのようにしているの?」
パルティアからの矢継ぎ早の質問に、ジンは息切れを起こしている。
「はっ、はっ、それは」
その異変にパルティアもようやく気がついた。
「ジン、大丈夫?落ち着いて、そこにお座りなさい」
ソファに座らせると水をグラスに入れて渡し、一口飲むまで見守った。
「続きは落ち着いてからで構わないから」
帳簿に視線を戻して数字を追っていると、ジンの呼ぶ声に顔を上げる。
「取り乱しまして申し訳ございません。先ほどの話でございますが、メイドたちは個別に注文しております」
「では今後は必ずメイド長が取りまとめ、さらにジンか、そうね、帳簿をつけているロリンにしましょう。必ずどちらかが必要性を確認してから注文することとします」
「ロリンでございますか?しかしロリンに言われてメイド長が言うことを聞くでしょうか?」
それとは気づかず、ジンは組織内の問題を口にしていた。
「・・・そう。ではメイド長は降格させ、エルシドから呼び寄せます。
そしてロリンはそうね、経理長という役をつけましょう。それからジン!」
「はい」
「荷が重いようなら貴方も降りて」
「えっ!」
パルティアは、当初はただ平民たちによい仕事を与えて仲良くやっていけたらとしか考えていなかったが。しかし組織が大きくなるに連れ、面談をくり返してどれほど厳選して採用しても、このようなことを時々経験するようになった。そのためいつしかなかよしごっこは卒業し、一端の経営者に成長し始めていた。
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