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61話 両親
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ジョリーズとテリーエは、夫婦の部屋で睨み合っている。
正確にはジョリーズは背中を丸めて俯き、テリーエは胸を張って熱り立っているのだが。
「だから私は嫌だったのよ!あれほど何度も言ったのに」
「よくわかってる。リーエの言うとおりにすべきだったよ、すまなかった」
「あなたはいつもそうよ。私が注意をしても、それを気にしたことなんてない。いつも事が起きて、「ああリーエすまなかった!君の言うとおりにしておけばよかったよ」って。何度も何度も!」
興奮して止まらなくなったテリーエは、より一層甲高くなった声で、ジョリーズに罵声を浴びせ続けた。
「あの、リーエ。貴族は感情を抑えるのが美徳っていつも君が」
「はあっ?娘の人生の一大事なのに感情を抑えろですって?ふざけないでよ!ナミが命を落としていたかもしれないのよ、あなたが選んだあの不愉快な男のせいで」
奥歯を噛みしめる鈍いギリっという音が聞こえ、ジョリーズは寒気が背中をじりじりと登ってくるのを感じて身震いしてしまう。
それを見咎めたテリーエは意地悪そうに口角を上げながら、ジョリーズに詰め寄った。
「あらあなた顔色悪いわよ、寒いのかしら?でもわたしたちのかわいいナミは、寒さを感じるどころか危うく冷たくなってしまうところだったのだから、そのくらいで済んでよかったわねえ」
妻の嫌味砲に、ジョリーズは思わず崩折れてしまう。
人のよさそうなローズリーに限ってそんなことをするはずがないと、ぼんやりと思っていた。
しかし数時間に渡りテリーエに追及され続けて、頭が冷めたジョリーズは言葉の重みをひしひしと感じ、ナミリアを失う恐怖を実感し始めたのだ。
なんということか。
今日一日だけでも、ミヒア然りテリーエ然り、何度も聞かされてきたのに。
ジョリーズは自分の失態に目を向けたくなかった。
自分が人を見誤ったせいで、愛娘を一生失うところだったなんて恐ろしくて、また己の愚かさに腹が立ちすぎて。
「申し訳ない。・・・私はガーザーに爵位を渡し隠居する」
僅かな時間で、ジョリーズなりの責任の取り方を導き出し、テリーエに告げると。
「バチン!」
いきなり平手が飛んできてジョリーズの左頬を打ち付けた。
よろけたジョリーズに冷たい目のままもう一度腕を振り上げる妻。
「ま、待った待った、待ってくれよ痛いじゃないか!なんだというんだよ」
「あら起きていたの?」
「ずっと起きていたじゃないか」
一瞬妻がチラと舌を出したように見えて、ジョリーズは自分の目を疑った。
「まあ!あまりにも愚かなことを口走るものだから、てっきり寝言を吐いているのかと思って、起こしてあげようとしただけよ」
くつくつと笑うテリーエは、まさにレンラ子爵家を裏で牛耳る黒幕に相応しい、とても悪い顔をしていた。
正確にはジョリーズは背中を丸めて俯き、テリーエは胸を張って熱り立っているのだが。
「だから私は嫌だったのよ!あれほど何度も言ったのに」
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奥歯を噛みしめる鈍いギリっという音が聞こえ、ジョリーズは寒気が背中をじりじりと登ってくるのを感じて身震いしてしまう。
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妻の嫌味砲に、ジョリーズは思わず崩折れてしまう。
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しかし数時間に渡りテリーエに追及され続けて、頭が冷めたジョリーズは言葉の重みをひしひしと感じ、ナミリアを失う恐怖を実感し始めたのだ。
なんということか。
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ジョリーズは自分の失態に目を向けたくなかった。
自分が人を見誤ったせいで、愛娘を一生失うところだったなんて恐ろしくて、また己の愚かさに腹が立ちすぎて。
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「まあ!あまりにも愚かなことを口走るものだから、てっきり寝言を吐いているのかと思って、起こしてあげようとしただけよ」
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