5 / 16
翌日
しおりを挟む
そして次の日の夜、俺はいつものようにリビングのソファーに寝転び、遥香が寝室に向かおうとした時、どうしても確認しておきたいことがあって遥香を呼び止めた。
「はる?」
「んぁ?」
「あのさー、はるって今彼女いないの?」
「…いねぇけど」
「遊ぶ相手は?」
「は?お前と一緒にすんな」
「紹介してやろっか?」
「いっ、いいよ…別に…っ、てか何でそんな事聞くんだよ…」
「あ、いや…家にいる事多いよなぁって思って?もっと外出て遊べばさ?楽しいんじゃねぇかなぁ~とか?」
「余計なお世話。あぁ…てかお前、出ていかないらいい加減、家賃払え」
「へっ…?あーぅ…もうちょい待ってぇ…はる
ちゃん♡お願ぁい…」
「甘えんな!んで、ちゃんはやめろって言ってんだろっ!」
遥香は縋り付く俺を軽く振り払い、さっさと寝室に向かい襖をパタンと閉めた。
余計なお世話…か。
もしかして女に興味無いのか?
いや、でも昔いたよな?彼女…
そういやあれからそんな話、聞かないような気もする…
まさか男に目覚めたとかそんな事ないよな!?
でもそれならそれで…!?
…は?いや、俺、今何考えてた?
あんなもん見ちゃったから、ちょっと頭おかしくなっちゃったのかもしんない!?
「あ"ーーーーーっっ!!」
「うるさいっ!!早く寝ろっ!!」
キャパオーバーになって大声を上げた俺に向かって、襖の向こうから遥香の怒鳴り声を浴びせられる。
「んぅ…はるのばか。お前のせいだろ…」
聞こえないくらい小さな声でそう呟くと、俺はソファーにうつ伏せになり、考え込んだまま眠りについた。
「はる?」
「んぁ?」
「あのさー、はるって今彼女いないの?」
「…いねぇけど」
「遊ぶ相手は?」
「は?お前と一緒にすんな」
「紹介してやろっか?」
「いっ、いいよ…別に…っ、てか何でそんな事聞くんだよ…」
「あ、いや…家にいる事多いよなぁって思って?もっと外出て遊べばさ?楽しいんじゃねぇかなぁ~とか?」
「余計なお世話。あぁ…てかお前、出ていかないらいい加減、家賃払え」
「へっ…?あーぅ…もうちょい待ってぇ…はる
ちゃん♡お願ぁい…」
「甘えんな!んで、ちゃんはやめろって言ってんだろっ!」
遥香は縋り付く俺を軽く振り払い、さっさと寝室に向かい襖をパタンと閉めた。
余計なお世話…か。
もしかして女に興味無いのか?
いや、でも昔いたよな?彼女…
そういやあれからそんな話、聞かないような気もする…
まさか男に目覚めたとかそんな事ないよな!?
でもそれならそれで…!?
…は?いや、俺、今何考えてた?
あんなもん見ちゃったから、ちょっと頭おかしくなっちゃったのかもしんない!?
「あ"ーーーーーっっ!!」
「うるさいっ!!早く寝ろっ!!」
キャパオーバーになって大声を上げた俺に向かって、襖の向こうから遥香の怒鳴り声を浴びせられる。
「んぅ…はるのばか。お前のせいだろ…」
聞こえないくらい小さな声でそう呟くと、俺はソファーにうつ伏せになり、考え込んだまま眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
まるでおとぎ話
志生帆 海
BL
追い詰められて……もう、どうしたら……どこへ行けばいいのか分からない。
病弱な弟を抱えた僕は、怪しげなパーティーへと向かっている。
こちらは2018年5月Twitter上にて募集のあった『絵師様アンソロジー企画』参加作品の転載になります。1枚の絵師さまの絵に、参加者が短編を書きました。
15,000程度の短編になりますので、気軽にお楽しみいただければ嬉しいです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
偽りの愛
いちみやりょう
BL
昔は俺の名前も呼んでくれていたのにいつからか“若”としか呼ばれなくなった。
いつからか……なんてとぼけてみなくても分かってる。
俺が14歳、憲史が19歳の時、俺がこいつに告白したからだ。
弟のように可愛がっていた人間から突然告白されて憲史はさぞ気持ち悪かったに違いない。
だが、憲史は優しく微笑んで初恋を拗らせていた俺を残酷なまでに木っ端微塵に振った。
『俺がマサをそういう意味で好きになることなんて一生ないよ。マサが大きくなれば俺はマサの舎弟になるんだ。大丈夫。身近に俺しかいなかったからマサは勘違いしてしまったんだね。マサにはきっといい女の子がお嫁さんに来てくれるよ』
わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される
水ノ瀬 あおい
BL
若くして王となった幼馴染のリューラと公爵令息として生まれた頃からチヤホヤされ、神童とも言われて調子に乗っていたサライド。
昔は泣き虫で気弱だったリューラだが、いつの間にか顔も性格も身体つきも政治手腕も剣の腕も……何もかも完璧で、手の届かない眩しい存在になっていた。
年下でもあるリューラに何一つ敵わず、不貞腐れていたサライド。
リューラが国民から愛され、称賛される度にサライドは少し憎らしく思っていた。
恋は突然に愛は永遠に 【若当主アルファ×訳ありオメガ】 ~ツンデレ同士の両片思いは、実るんですか?~
大波小波
BL
花菱 拓真(はなびし たくま)は、名門・花菱家の若き当主だ。
たとえ国家が転覆しても、この一族だけは滅びることは無い、と噂されるほどの名門、花菱家。
早くに両親を亡くした拓真は、その財と権力を誇っていた。
そのうえ彼は、稀有な美貌と品格を備えた男性だ。
黄金比で整った、彫りの深い端正な面立ち。
緩くウェーブのかかった、ダークブラウンの髪。
180cm越えの長身は、鍛え抜かれた筋肉で引き締まっている。
そして、ヒトという種で王者たる、アルファのオーラを身に纏っていた。
そんな拓真は、28歳のバースディ・パーティーの帰りに、月島 琉果(つきしま るか)と出会う。
彼の乗った高級車の前に、ふらりと現れた少年。
それが、琉果だった。
轢いたわけではないが、意識のない彼を、拓真は車に同乗させる。
そこで、琉果の美しさに改めて息を飲んだ。
綺麗な顔立ちに、きめ細やかな肌。
栗色の髪に、淡い珊瑚の唇。
何より、深い琥珀色の瞳に、拓真は心を射抜かれていた。
拓真は琉果を、屋敷へと連れて帰った。
美しいオメガの彼を、そこに囲うハーレムの一員にするつもりだったのだ。
しかし気の強い琉果は、拓真に好意を感じながらも真っ向から反発する。
拓真もまた、琉果に惹かれながらも反抗的な彼に激怒する。
こんな二人の間に、果たして恋は芽生えるのか。
そして、愛に育つのか……?
テメェを離すのは死ぬ時だってわかってるよな?~美貌の恋人は捕まらない~
ちろる
BL
美貌の恋人、一華 由貴(いっか ゆき)を持つ風早 颯(かざはや はやて)は
何故か一途に愛されず、奔放に他に女や男を作るバイセクシャルの由貴に
それでも執着にまみれて耐え忍びながら捕まえておくことを選んでいた。
素直になれない自分に嫌気が差していた頃――。
表紙画はミカスケ様(https://www.instagram.com/mikasuke.free/)の
フリーイラストを拝借させて頂いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる