16 / 45
共通ルート
15話 卒業
しおりを挟む
「ねぇねぇ、一つ聞いていい?」
「何?」
いつもの他愛もない会話の中、彩華さんは特に深い意味はない質問をしようとしているかのようなリラックスした様子で、そう切り出してきた。
だから俺も特に深く考えずに無防備な状態で彼女に質問を促した。でも実際に飛んできた「質問」は俺にとってあまりにも予想外でかつ唐突なものだった。
「もしかしてさ、今日は手を出さないつもり?」
「!?」
もし俺が何か飲み物を口に含んでいた状態だったら、漫画のように噴き出していたと思う。
「そんなにびっくりすること?」
「いや、えっ? あの、えーっと……」
「あー、なるほどねぇ、うん。……ごめんね? 私、颯太くんのことをちょっと誤解してたのかも」
彩華さんは俺の慌てふためく俺の様子を見てどうやら何かを勝手に理解し、納得した様子だった。
そして次の瞬間、急に自分の顔を俺の顔に近づけて、左手で俺の顔を軽く触ってきた。
――ドクン!!
心臓が破裂しそうな勢いで鼓動する。
「だって颯太くん、こんなにカッコいいんだもん。こういうことには慣れてるんじゃないかなって思うじゃん?」
彩華さんは左手の親指で、俺の唇を軽くなぞってきた。そして次の瞬間、俺の耳元で甘美な言葉を囁く。
「大丈夫。今日は私にまかせて」
――ドクン!! ドクン!!
心臓の鼓動がますます激しくなる。そして、そんな俺の心臓にトドメを刺すかのように、彩華さんは耳元から少し顔を移動させて俺の頬に軽く口づけをしてから……
「……キス、しよう?」
俺の目を見つめながら、至近距離でそんな言葉を囁いてきた。この世のものとは思えないくらい妖艶な表情をして。
そこからの俺の記憶はやけに鮮明だけど、同時にひどくあいまいだった。完全にオスとしての本能に支配され、どん欲に彩華さんの体を貪り尽くしたことだけは覚えている。
そして気がついたら俺も彩華さんもヘトヘトになってベッドでぐったりしていた。
童貞のくせに何の問題もなくスムーズに最後までできちゃったのは、きっと彩華さんのリードが完璧だったから。
まあ、俺が変な見栄を張ったりしないで、彩華さんの言うことを素直に聞いていたのもよかったかもしれないけど。
一つだけ残念だったのは、順番が逆になってしまったこと。できれば体の関係を持つ前に、ちゃんと彩華さんに告白して彼氏彼女の関係になっておきたかった。
でも過ぎたことを後悔しても仕方ない。今からでもちゃんと言うべきことを言っておかないと。
「彩華さん」
「うん?」
「好きです。俺と付き合ってもらえませんか」
その時、俺は安心しきっていた。きっとOKの返事をもらえると信じて疑わなかった。彩華さんと俺は両思いで、断られるはずがないと確信していた。
でも現実はそんなに甘くはなかった。
「ごめん、それは無理」
「何?」
いつもの他愛もない会話の中、彩華さんは特に深い意味はない質問をしようとしているかのようなリラックスした様子で、そう切り出してきた。
だから俺も特に深く考えずに無防備な状態で彼女に質問を促した。でも実際に飛んできた「質問」は俺にとってあまりにも予想外でかつ唐突なものだった。
「もしかしてさ、今日は手を出さないつもり?」
「!?」
もし俺が何か飲み物を口に含んでいた状態だったら、漫画のように噴き出していたと思う。
「そんなにびっくりすること?」
「いや、えっ? あの、えーっと……」
「あー、なるほどねぇ、うん。……ごめんね? 私、颯太くんのことをちょっと誤解してたのかも」
彩華さんは俺の慌てふためく俺の様子を見てどうやら何かを勝手に理解し、納得した様子だった。
そして次の瞬間、急に自分の顔を俺の顔に近づけて、左手で俺の顔を軽く触ってきた。
――ドクン!!
心臓が破裂しそうな勢いで鼓動する。
「だって颯太くん、こんなにカッコいいんだもん。こういうことには慣れてるんじゃないかなって思うじゃん?」
彩華さんは左手の親指で、俺の唇を軽くなぞってきた。そして次の瞬間、俺の耳元で甘美な言葉を囁く。
「大丈夫。今日は私にまかせて」
――ドクン!! ドクン!!
心臓の鼓動がますます激しくなる。そして、そんな俺の心臓にトドメを刺すかのように、彩華さんは耳元から少し顔を移動させて俺の頬に軽く口づけをしてから……
「……キス、しよう?」
俺の目を見つめながら、至近距離でそんな言葉を囁いてきた。この世のものとは思えないくらい妖艶な表情をして。
そこからの俺の記憶はやけに鮮明だけど、同時にひどくあいまいだった。完全にオスとしての本能に支配され、どん欲に彩華さんの体を貪り尽くしたことだけは覚えている。
そして気がついたら俺も彩華さんもヘトヘトになってベッドでぐったりしていた。
童貞のくせに何の問題もなくスムーズに最後までできちゃったのは、きっと彩華さんのリードが完璧だったから。
まあ、俺が変な見栄を張ったりしないで、彩華さんの言うことを素直に聞いていたのもよかったかもしれないけど。
一つだけ残念だったのは、順番が逆になってしまったこと。できれば体の関係を持つ前に、ちゃんと彩華さんに告白して彼氏彼女の関係になっておきたかった。
でも過ぎたことを後悔しても仕方ない。今からでもちゃんと言うべきことを言っておかないと。
「彩華さん」
「うん?」
「好きです。俺と付き合ってもらえませんか」
その時、俺は安心しきっていた。きっとOKの返事をもらえると信じて疑わなかった。彩華さんと俺は両思いで、断られるはずがないと確信していた。
でも現実はそんなに甘くはなかった。
「ごめん、それは無理」
10
あなたにおすすめの小説
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編7が完結しました!(2026.1.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
彼氏がヤンデレてることに気付いたのでデッドエンド回避します
八
恋愛
ヤンデレ乙女ゲー主人公に転生した女の子が好かれたいやら殺されたくないやらでわたわたする話。基本ほのぼのしてます。食べてばっかり。
なろうに別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたものなので今と芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
一部加筆修正しています。
2025/9/9完結しました。ありがとうございました。
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる