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彩華ルート
彩華エピローグ
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「ただいま…っ!?」
「おかえり」
部屋に入った瞬間、驚きで目を見開く俺の様子を見て、彩華さんはいたずらに成功した子供のように得意げな笑みを浮かべた。
俺が驚いた理由は二つ。一つ目は部屋がまるで誰かの誕生日会でもあるかのようにおしゃれなバルーンで飾られていたこと。二つ目は俺を出迎えてくれた彩華さんがなぜか本気で着飾った姿であったこと。
今日の彩華さんは在宅勤務日だったはずで、在宅勤務日の彩華さんは基本的にラフな格好をしているけど……、今日の彩華さんはなぜかホテルのディナーにでも行くような気合いの入った服装とメイクをしていた。
……やば、完全に見惚れてしまった。もちろん普段のラフな格好の彩華さんも綺麗だけど、やっぱりフル装備の彩華さんはちょっと近寄りがたいほどの美しさがある。ちょっとこの世のものとは思えないくらい。
「お疲れ様。手洗ってきて。ご飯できてるよ」
「……!? わかった」
彩華さんにそう言われて一瞬ダイニングテーブルを確認した俺は、またしても驚かされてしまった。
そこには豪華なディナーが用意されていた。しかもおそらくほとんどが彩華さんの手作りなんだと思う。
彩華さん、料理ができない訳じゃないけど好きじゃないから、基本的に食事は元飲食店従業員の俺の方が担当しているんだけど……。これ、明らかに時間をかけて作ってくれてるよな。
ど…どうしたんだろう?
「そろそろ本題に入るね」
彩華さんが作ってくれた食事を終えてしばらくしてから、彩華さんはやや緊張した様子でそう切り出した。
ちなみに彩華さんの料理はとても美味しかった。本人は「颯太くんが普段作ってくれている料理の足元にも及ばないと思うけど」と謙遜していたけど、絶対にそんなことはない。少なくとも俺にとっては世界一美味しい料理だった。
「私から言うべきかどうか最後まで迷ったけど……、でも今までずっと颯太くんにもらってばかりだったから、今度はどうしても私から伝えたかったの。もし颯太くんも何か考えてくれていたならごめんね?」
「う、うん……」
「では、言いますね。…えっと、あと一か月で颯太くんと一緒に暮らすようになって一年になりますけど……、私、毎日すごく幸せです。自分がこんな毎日を過ごしているのが信じられないくらい幸せ。いつも本当にありがとう。……私はもう、颯太くんがいないと生きていけないくらい颯太くんのことを愛しています」
えっ? ちょっと待って。これってもしかして……!?
「予定より少し早いし、あの時『颯太くんの気持ちが変わらなければ』とか言っていたくせに私の気持ちを押し付けるような形になっちゃうけど……。それでも言わせてください」
「……はい」
「汐見颯太さん。これからもずっとあなたと一緒にいたいです。あなたに相応しい妻になれるように努力しますので、私と結婚してください」
これは予想外。いくらなんでも予想外。
二人で暮らすようになって一年になる日にまた俺からプロポーズしようと思ってたし、正直今まで一筋縄ではいかなかった経験があるからその返事が「やっぱりまだ自分自身のことを信じられないからもう少し時間がほしい」になることも覚悟してた。
それが、まさかの一か月前倒しの逆プロポーズだなんて。何これ、俺は夢を見ているのか? それとも何か脳に問題が発生して自分にとって都合の良い幻覚が見えるようになったのか?
…いや、そんなこと今はどうでも良い! それよりも今の彩華さんの言葉にちゃんと返事をしないと! もちろん俺の返事は決まっている。
「はい、俺でよければ喜んで!」
「おかえり」
部屋に入った瞬間、驚きで目を見開く俺の様子を見て、彩華さんはいたずらに成功した子供のように得意げな笑みを浮かべた。
俺が驚いた理由は二つ。一つ目は部屋がまるで誰かの誕生日会でもあるかのようにおしゃれなバルーンで飾られていたこと。二つ目は俺を出迎えてくれた彩華さんがなぜか本気で着飾った姿であったこと。
今日の彩華さんは在宅勤務日だったはずで、在宅勤務日の彩華さんは基本的にラフな格好をしているけど……、今日の彩華さんはなぜかホテルのディナーにでも行くような気合いの入った服装とメイクをしていた。
……やば、完全に見惚れてしまった。もちろん普段のラフな格好の彩華さんも綺麗だけど、やっぱりフル装備の彩華さんはちょっと近寄りがたいほどの美しさがある。ちょっとこの世のものとは思えないくらい。
「お疲れ様。手洗ってきて。ご飯できてるよ」
「……!? わかった」
彩華さんにそう言われて一瞬ダイニングテーブルを確認した俺は、またしても驚かされてしまった。
そこには豪華なディナーが用意されていた。しかもおそらくほとんどが彩華さんの手作りなんだと思う。
彩華さん、料理ができない訳じゃないけど好きじゃないから、基本的に食事は元飲食店従業員の俺の方が担当しているんだけど……。これ、明らかに時間をかけて作ってくれてるよな。
ど…どうしたんだろう?
「そろそろ本題に入るね」
彩華さんが作ってくれた食事を終えてしばらくしてから、彩華さんはやや緊張した様子でそう切り出した。
ちなみに彩華さんの料理はとても美味しかった。本人は「颯太くんが普段作ってくれている料理の足元にも及ばないと思うけど」と謙遜していたけど、絶対にそんなことはない。少なくとも俺にとっては世界一美味しい料理だった。
「私から言うべきかどうか最後まで迷ったけど……、でも今までずっと颯太くんにもらってばかりだったから、今度はどうしても私から伝えたかったの。もし颯太くんも何か考えてくれていたならごめんね?」
「う、うん……」
「では、言いますね。…えっと、あと一か月で颯太くんと一緒に暮らすようになって一年になりますけど……、私、毎日すごく幸せです。自分がこんな毎日を過ごしているのが信じられないくらい幸せ。いつも本当にありがとう。……私はもう、颯太くんがいないと生きていけないくらい颯太くんのことを愛しています」
えっ? ちょっと待って。これってもしかして……!?
「予定より少し早いし、あの時『颯太くんの気持ちが変わらなければ』とか言っていたくせに私の気持ちを押し付けるような形になっちゃうけど……。それでも言わせてください」
「……はい」
「汐見颯太さん。これからもずっとあなたと一緒にいたいです。あなたに相応しい妻になれるように努力しますので、私と結婚してください」
これは予想外。いくらなんでも予想外。
二人で暮らすようになって一年になる日にまた俺からプロポーズしようと思ってたし、正直今まで一筋縄ではいかなかった経験があるからその返事が「やっぱりまだ自分自身のことを信じられないからもう少し時間がほしい」になることも覚悟してた。
それが、まさかの一か月前倒しの逆プロポーズだなんて。何これ、俺は夢を見ているのか? それとも何か脳に問題が発生して自分にとって都合の良い幻覚が見えるようになったのか?
…いや、そんなこと今はどうでも良い! それよりも今の彩華さんの言葉にちゃんと返事をしないと! もちろん俺の返事は決まっている。
「はい、俺でよければ喜んで!」
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ありがとうございます。
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続きが楽しみです。
今回も読んでいただき、ありがとうございます。
雨沢様のためにも最後まで投稿できるよう頑張ります。