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第2章 王女兼冒険者の世界を巡る旅
6 緊急依頼の発生
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私は工房に刀の受け取りに来ていた。
「ティアきたか!依頼のあった刀は出来てるぞ!確かめてみてくれ!」
ドルマさんが刀を持ってきてくれる。試しに鞘から抜いてみると白銀の刀身が輝いている。刀に魔力を纏わせてもすんなり馴染むのでびっくりした。
「短剣見た時になんとなく気がついてたが、やっぱり魔装を使えるんだな。鉄だと魔力が弾かれやすいがミスリル鋼は魔力との相性がいい。鉱石自体にも魔力を含むし、含むことができる魔力が多い分が、もしお前さんの魔力で全て上書きできれば...お前だけの唯一の刀に進化するはずだ。」
詳しく聞いてみると武器などの魔力は、1人の持ち主が長い間使っていると、徐々に持ち主の魔力に染まっていくらしい。持ち主の魔力に染まった武器に持ち主の魔力を纏わせるとより硬くなり鋭くなるとのことだった。デメリットとしては他の人が使ったときに魔力が使いづらいことだ。
この刀は私しか使わないのでかなりありがたい。
お礼を伝えて、私は冒険者支部に向かう。せっかく受け取ったので試し切りも兼ねて、依頼を受けるつもりだった。
支部に入ると、なにやら慌ただしい状態だったので近くにいた人に声を掛けてみる。
「あの...なにか騒がしいですけど、なにかあったんですか?」
「ついさっき連絡があったんだが、スタンビートが発生したらしい。今は一旦ギルドの通常業務を停止させていて、詳しいことがわかるまで待ちになるだろうな。」
スタンビートは魔物の群の暴走を指すことが多い。
王都周辺でもたまには発生していて、軍の中で王都周辺を防衛している部隊が対応にあたるだろう。過去の記録を以前読んだが、防衛壁周辺に軍が展開し最終防衛ラインを築く。冒険者たちはその前方で、遊撃に当たるのが一般的らしい。
私は、リーナに連絡を入れておく。
(リーナ聞こえる?王都周辺でスタンビートがあったみたいなの。私も依頼に参加するつもりだから、今日は離宮に戻らないかもしれないけど誤魔化しておいて。)
(かしこまりました。こちらはなんとかするので、ラティアーナ様もお気をつけて)
少し待つと、支部長が戻ってきた。
「緊急自体のため、要件のみ伝える。スタンビートの発生した。最悪の場合王都の西側に、魔物の群れが到達する可能性がある。王都の防衛には国軍がつくため、冒険者たちは森の中で遊撃、少しでも魔物の数を減らして欲しい。現在確認されている魔物は、ゴブリン、オーク、オーガ、地竜だがスタンビートが起きた原因が不明なため、注意してほしい。その点を考慮して、緊急依頼を出す。
依頼内容はDランク以下は前線に出る冒険者への資材供給、Cランク以上は資材供給もしくは討伐への参加だ。可能な限り参加してほしい。なお、討伐に参加するものは4人以上のパーティーを組んでほしい。普段パーティを組んでないものたちの班分けは...デュランに任せる。」
支部長が連絡事項を伝えると冒険者たちは動き出した。私も討伐に参加するため、デュランさんの元に向かう。
「ティア嬢ちゃんも参加するのか...となるとパーティーは...アリア!お前のパーティーは3人だよな!?ティアと一緒に組んでくれ!」
すると3人組のパーティーがやってくる。
「こいつらは、普段3人で活動していてリーダは手前にいるアリアだ。3人とも教会に所属していて、魔術戦を主とする。前衛がいなかったから、ティア嬢ちゃんと組めばバランスが取れるはずだ。」
私とアリアさんのパーティーで簡単な自己紹介をしつつ、準備を行い目的地に向かう。今回は馬車が出るため、移動に鐘1つ、その後鐘1つで戦闘が始まる予定だ。
一緒に組むのは、聖魔術を得意とするアリアさん、雷光を得意とするノアさん、魔力弾を得意とするドムさんの3人で、教会にいる孤児たちにかかるお金を稼ぐために、冒険者をしているらしい。
「ティアきたか!依頼のあった刀は出来てるぞ!確かめてみてくれ!」
ドルマさんが刀を持ってきてくれる。試しに鞘から抜いてみると白銀の刀身が輝いている。刀に魔力を纏わせてもすんなり馴染むのでびっくりした。
「短剣見た時になんとなく気がついてたが、やっぱり魔装を使えるんだな。鉄だと魔力が弾かれやすいがミスリル鋼は魔力との相性がいい。鉱石自体にも魔力を含むし、含むことができる魔力が多い分が、もしお前さんの魔力で全て上書きできれば...お前だけの唯一の刀に進化するはずだ。」
詳しく聞いてみると武器などの魔力は、1人の持ち主が長い間使っていると、徐々に持ち主の魔力に染まっていくらしい。持ち主の魔力に染まった武器に持ち主の魔力を纏わせるとより硬くなり鋭くなるとのことだった。デメリットとしては他の人が使ったときに魔力が使いづらいことだ。
この刀は私しか使わないのでかなりありがたい。
お礼を伝えて、私は冒険者支部に向かう。せっかく受け取ったので試し切りも兼ねて、依頼を受けるつもりだった。
支部に入ると、なにやら慌ただしい状態だったので近くにいた人に声を掛けてみる。
「あの...なにか騒がしいですけど、なにかあったんですか?」
「ついさっき連絡があったんだが、スタンビートが発生したらしい。今は一旦ギルドの通常業務を停止させていて、詳しいことがわかるまで待ちになるだろうな。」
スタンビートは魔物の群の暴走を指すことが多い。
王都周辺でもたまには発生していて、軍の中で王都周辺を防衛している部隊が対応にあたるだろう。過去の記録を以前読んだが、防衛壁周辺に軍が展開し最終防衛ラインを築く。冒険者たちはその前方で、遊撃に当たるのが一般的らしい。
私は、リーナに連絡を入れておく。
(リーナ聞こえる?王都周辺でスタンビートがあったみたいなの。私も依頼に参加するつもりだから、今日は離宮に戻らないかもしれないけど誤魔化しておいて。)
(かしこまりました。こちらはなんとかするので、ラティアーナ様もお気をつけて)
少し待つと、支部長が戻ってきた。
「緊急自体のため、要件のみ伝える。スタンビートの発生した。最悪の場合王都の西側に、魔物の群れが到達する可能性がある。王都の防衛には国軍がつくため、冒険者たちは森の中で遊撃、少しでも魔物の数を減らして欲しい。現在確認されている魔物は、ゴブリン、オーク、オーガ、地竜だがスタンビートが起きた原因が不明なため、注意してほしい。その点を考慮して、緊急依頼を出す。
依頼内容はDランク以下は前線に出る冒険者への資材供給、Cランク以上は資材供給もしくは討伐への参加だ。可能な限り参加してほしい。なお、討伐に参加するものは4人以上のパーティーを組んでほしい。普段パーティを組んでないものたちの班分けは...デュランに任せる。」
支部長が連絡事項を伝えると冒険者たちは動き出した。私も討伐に参加するため、デュランさんの元に向かう。
「ティア嬢ちゃんも参加するのか...となるとパーティーは...アリア!お前のパーティーは3人だよな!?ティアと一緒に組んでくれ!」
すると3人組のパーティーがやってくる。
「こいつらは、普段3人で活動していてリーダは手前にいるアリアだ。3人とも教会に所属していて、魔術戦を主とする。前衛がいなかったから、ティア嬢ちゃんと組めばバランスが取れるはずだ。」
私とアリアさんのパーティーで簡単な自己紹介をしつつ、準備を行い目的地に向かう。今回は馬車が出るため、移動に鐘1つ、その後鐘1つで戦闘が始まる予定だ。
一緒に組むのは、聖魔術を得意とするアリアさん、雷光を得意とするノアさん、魔力弾を得意とするドムさんの3人で、教会にいる孤児たちにかかるお金を稼ぐために、冒険者をしているらしい。
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