【完結】花咲く手には、秘密がある 〜エルバの手と森の記憶〜

ソニエッタ

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呪いの皇子と森の片隅のお花屋さん

眠りの皇子様

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通されたのは、城の最奥――“沈黙の間”と呼ばれる、魔封じの隔離空間だった。

大理石の廊下を抜けたその先の扉には、幾重にも魔法陣が刻まれ、強い結界が張られている。

空気が重く、冷たい。

 

「……ここに?」

「中に入った者は、皆、同じ症状にかかった。すでに数名が昏睡している。今は誰も近づけない」

 

「へー……それじゃ、なおさら私が行くしかないね」

 

「待て、結界はまだ――」

 

オルガは騎士たちの静止を聞かず、すいっと扉に手を触れた。

次の瞬間、扉の結界がふわりとほどけて消える。

 

「えっ」

 

レオニダスとゼーレの目が見開かれた。

 

「魔法師さんたちとはちょっと魔力?の種類が違うの。うーんと、説明できないけど。
だから結界は素通りできちゃう。」

 

オルガはそう言って、扉を押し開けた。

しん……と静まり返った部屋の中に、彼女の足音だけが響いていく。

 

 

――そして、そこに、皇子が眠っていた。
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