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呪いの皇子と森の片隅のお花屋さん
呪い花の仕組み2
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オルガは一瞬、言葉に詰まる。
説明って、ほんと難しい――全然伝わらない、と考えを巡らせてから、ぽつりと口を開く。
「うーん……呪い花が枯れるとね、その呪い“そのもの”が術者に戻るの。で、術者はね――呪いをかけた相手、今回は皇子だけど――その人と同じ目にあう、って」
「“同じ目”って……おい、まさか」
「うん、衰弱して、何日も意識が戻らないかもね。……本にはそう書いてあったよ!」
しれっと言い切るオルガに、三人は沈黙する。
やがて、ルーカスが眉を寄せたまま、低く唸るように言った。
「……えげつねぇ花だな」
ルーカスのため息まじりのつぶやきをよそに、
レオニダスは真顔のまま、疑問を投げかけた。
「……本にそう書いてあった、ということは。つまり――実際にどうなるかは、確証がないということか?」
オルガはにこりと笑って、驚いたまま固まる三人を見まわす。
悪びれた様子は、まるでない。
「うん、実践は初めて。……でも、ちゃんと咲いたし、呪いも吸ってたでしょ? だからきっとうまくいくと思うよ! 本の通りになる、はず!」
最後の「はず!」が、どこか他人事のように明るく響いて、ルーカスが思わず顔をしかめた。
「オーケイ、オーケイ……理解したよ。百歩譲って、術者に呪いが戻るとしてだ。――その呪いが、周囲の人間にまで影響したら? 感染のように広がって被害が出たら? それは、騎士団長として見過ごせない」
ルーカスの真剣な口調に、マッシモとレオニダスも「それは確かに……」とばかりに顔を見合わせ、オルガに視線を向ける。
「えー? 心配ないない!」
オルガは手を振って笑った。
「あくまで、呪いは術者だけに影響するの。ほら、植物って人間と違って、まわりを巻き込むとかそういう底意地の悪いことしないの。いたってシンプルなの。」
「シンプルね……シンプルすぎて、逆に怖いぞ?」
マッシモが、こらえきれないといった風にぼやく。
説明って、ほんと難しい――全然伝わらない、と考えを巡らせてから、ぽつりと口を開く。
「うーん……呪い花が枯れるとね、その呪い“そのもの”が術者に戻るの。で、術者はね――呪いをかけた相手、今回は皇子だけど――その人と同じ目にあう、って」
「“同じ目”って……おい、まさか」
「うん、衰弱して、何日も意識が戻らないかもね。……本にはそう書いてあったよ!」
しれっと言い切るオルガに、三人は沈黙する。
やがて、ルーカスが眉を寄せたまま、低く唸るように言った。
「……えげつねぇ花だな」
ルーカスのため息まじりのつぶやきをよそに、
レオニダスは真顔のまま、疑問を投げかけた。
「……本にそう書いてあった、ということは。つまり――実際にどうなるかは、確証がないということか?」
オルガはにこりと笑って、驚いたまま固まる三人を見まわす。
悪びれた様子は、まるでない。
「うん、実践は初めて。……でも、ちゃんと咲いたし、呪いも吸ってたでしょ? だからきっとうまくいくと思うよ! 本の通りになる、はず!」
最後の「はず!」が、どこか他人事のように明るく響いて、ルーカスが思わず顔をしかめた。
「オーケイ、オーケイ……理解したよ。百歩譲って、術者に呪いが戻るとしてだ。――その呪いが、周囲の人間にまで影響したら? 感染のように広がって被害が出たら? それは、騎士団長として見過ごせない」
ルーカスの真剣な口調に、マッシモとレオニダスも「それは確かに……」とばかりに顔を見合わせ、オルガに視線を向ける。
「えー? 心配ないない!」
オルガは手を振って笑った。
「あくまで、呪いは術者だけに影響するの。ほら、植物って人間と違って、まわりを巻き込むとかそういう底意地の悪いことしないの。いたってシンプルなの。」
「シンプルね……シンプルすぎて、逆に怖いぞ?」
マッシモが、こらえきれないといった風にぼやく。
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