チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第3章 アレクを狙って

チート薬学4巻発売中!第951話 最後の足掻きと目覚めてもアレクはアレク!

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上位体の道化師以外は全てヴィドインの球体に吸収された。残るは、上位体のみだったが、上位体は自らを犠牲にし、街を飲み込むほどの大爆発を起こした。

「コア破損......一部再生不能」

バラバラになった道化師の肉片がゆっくりと集まり、再生されていく。しかし、いつものように即再生ではなく、力を使い切ったことやコアの破損で、かなりゆっくりと再生していた。

「任務達成!街の破壊、大王の消滅。魔神様喜ぶ」

「勝手に殺されては困るな。こんなもので消滅をしてみろ。ヴァンドームに笑われてしまうわ」

道化師が話し終えたと同時に、ヴィドインの元気そうな声が煙の中から聞こえた。

「何故生きてる!地獄の力消えたはず」

「地獄の力が感じられなかったのは、こいつのせいであるな。人間だけを守ればいいものを......もう一人のヒルコいやアレクと言うべきか」

ヴィドインの周りを覆う神力の膜を鬱陶しそうに破壊した。そして、晴れてくる視界の中で後ろを振り返りアレクの名を口にする。

「はじめまして地獄の大王様!夢現《ゆめうつつ》ながら貴方が現れ、皆を守ってくれていた勇姿を感じ取っていました。本当にありがとうございます」

晴れた視界から現れたのは、ただ神力で輝いているわけではなく、光沢や艶感があるような輝きを放つアレクであった。

「魔神が生き残っていたのは俺達の過ちであるからな。その過程の一部に人間がいたに過ぎない!礼などいらん。こいつは、貰っていくが問題ないな?」

ヴィドインは、アレクが神力以上の何かに目覚めたのは気付いているが、全く触れようとはせず、しかもマルティル達を助けたのも本意ではないと嘘の言葉を話した。

「それでも、助かったのに代わりありません。ありがとうございます。はい!持っていってもらって構いませんよ」

「フンッ、人間は変わっておる。本意でない者にまで、わざわざ礼を申すとはな。ならば、こいつは貰っていくとしよう」

ヴィドインは、アレクに向かって鼻で笑ったあと、道化師の再生している肉片を球体に吸収させて頭の部分を鷲掴みした。

「捕まるなら死を選ぶ」

弦馬によって生み出されてから初めて、恐怖を覚えた道化師は、勝てないことを悟った。しかし、何もしないまま捕まる気はないと、残った力を呪いに変えて最後の抵抗を見せる。

「ほう、こいつは面倒であるな。神力を持たん人間ならば、即座に呪いの影響を受けるであろう。アレク、見えるか?私の中を必死に駆け回る滑稽なこいつが」

ヴィドインは、オーラ体なので体内部で何が起きているか全て見える状態にあった。そして、呪いを受けているにも関わらず、表情一つ変えることなくアレクに見せつけていた。

「大丈夫なのですか?俺が受けた呪いに比べれば大したことはないですが、何の抵抗手段を持たない者が受ければ、即死するレベルですよ」

「俺を誰だと思っておる。地獄の大王だぞ!この程度の呪いでどうにかなる程弱くはないわ。フンッ、そろそろ呪いを吸収するとしよう」

ヴィドインは、話し終えると何もなかったかのようにオーラ体へ呪いを吸収させた。

「アハハハ、大王様は何でもありですね。まさか、呪いをあっさり吸収するなんて。俺の呪いも大王様にお願いすればよかったですよ」

「他人の呪いを吸収出来る程、万能ではない。それに、この呪いを吸収出来るのは、俺とヴァンドームとウォルターくらいであろう。それよりも、後ろの元神に土下座をした方がいいと思うぞ」

アレクは、あまりに突飛な出来事に自然と笑いが込み上げてきた。しかし、ヴィドインの一言で一気に血の気が引き、引き攣った顔でゆっくりと後ろを振り返った。

「随分と楽しそうだな。ア・レ・ク!」

「薬学神様!大変遅くなって申し訳ございませんでした!で、でも、無事解決出来ましたし......ね?」

アレクが振り向くと般若の顔をした薬学神が仁王立ちで立っており、アレクはすぐ様土下座をした。

「無事解決だと!?何人が犠牲になったと思ってるんだ!そんな薄情なやつを弟子にした覚えはない!正座しろ!説教だ」

「薬学神さまー、申し訳ございませーん」

アレクは、素早く正座をして地面に頭を擦り付けながら謝罪をした。その様子を見ていたマルティルや兵士達は、悲観的な表情から一点少し笑みが溢れるのであった。
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