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最終章
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しおりを挟む○月✖日
蓮に、知られた。
青木から「御門が全部解決してくれたぞ! 学校に来いよ!」ってメッセージが来た。
「解決」って、何の?
全部? まさか、教科書も、メモも、全部見たのか?
うそだ。やめてくれ。なんで蓮に。
見られたくなかった。知られたくなかった。
蓮は俺のこと、どう思ったんだろう。引いたよな。幻滅したよな。
蓮からは何の連絡もない。
もう、俺のことなんか、好きじゃなくなったのかもしれない。
○月✖日
「解決」の後も、ずっと学校に行ってない。
親に「皆と会わなくて良いから学校に行ってみないか」って言われた。
保健室とかで良いらしい。
誰にも会わないなら。蓮にも。
「もし駄目だったら、転校しても良いし、
引っ越しても良いと思ってる」とも言われた。
別に、そこまでしなくても。
俺もこのままじゃダメなのは分かってる。
どこかで、踏み出さないと。
○月✖日
保健室まで行けた。
門の前で何度か立ち止まったけど、なんとか。
学校に入れない日も、まだあるけど。
今日は、保険の先生と少し話して、帰った。
少しだけ、前に進めた気がした。
○月✖日
最近、保健室に行くと蓮の香りがする。
気になって先生に聞いたら、「会ってみる?」って言われて。
カーテン越しだけど、少し話した。
俺はまだ嫌われてないのかもしれないって、思った。
そう思ったら、嬉しいような、怖いような……息が詰まりそうだった。
でも、俺、まだ蓮の隣に立つ自信ない。
蓮には、きっと、俺よりもふさわしい子がいるよ。
俺は、蓮にふさわしくない。
○月✖日
もうすぐヒートが来る。
でも、俺の中で、選べる道はもうひとつしか残ってない。
両親に「施設に行きたい」と話した。
驚いた顔をされた。
親は、「蓮君は知ってるのか?」
「話し合ったのか?」って言ってくる。
そんなの言えるわけ無い。
相談なんかもっと出来ない。
両親には「蓮は嫌だ」とだけ言った。
施設に連絡してもらった。
○月✖日~○月✖日
ヒートだった。
今回は、施設で紹介されたアルファの、篠原さんと過ごした。
初めて会ったときから、悪い人じゃないと思った。
俺のこと、ちゃんと聞いてくれて、
「そんな環境なら、うちに来ないか」って言ってくれて。
ヒートのあと、そのまま1か月、
篠原さんのマンションに泊まらせてもらった。
静かで、優しくて、あの人と暮らす日々は
不思議なくらい落ち着いた。
番の話をされたときは、ちょっと驚いた。
でも、篠原さんは焦らせたりしなかった。
「蓮くんのこと、まだ好きでもいい」
「でも、もし可能なら、俺と番になることを考えてほしい」
「俺が君を守るよ」って。
その言葉を聞いたとき、涙が出て、少し泣いた。
こんな俺でも、いいのかなって。
そう思わせてくれた。
今日、家に戻ったら、玄関の前に蓮がいた。
でも、俺はまだ、蓮の目をまっすぐ見ることができなかった。
親は、篠原さんに好印象を持ったみたいだった。
「ちゃんとした仕事に就いてるし、陽が成人するまで待つって言ってくれてる」
「誠実な人だと思うよ」
「陽のそばにいてくれるのは、あの人かもしれないね」って。
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