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第1章
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しおりを挟む○月✖日
今日、廊下で「御門君に告白した」と聞こえて、つい立ち止まってしまった。
振られたみたいだけど、その理由が「今は、そういうの考えられない」って断られたらしい。
蓮なら部活で忙しいとかあるかもしんないけど。
そこに「俺のヒートの相手」が無いこと、無いよな。
蓮はいつまで「頼って良い」って言ってくれるんだろ。
今さら「もう無理」とか言いづらくなってるだけなんじゃないか?
つか、そもそもヒートの相手を何回も頼むもんじゃないよな。
恋人でもないのに。
蓮は相変わらず、自主練にも付き合ってくれてる。
一緒にいられるのは、嬉しい。
けどこれも、このまま甘えてたら良くない気がする。
自主練、日曜だけでもやめるって言おうかな。
いきなりやめたら蓮も不自然に思うかもだから、とりあえず日曜だけ。
少しずつ、俺もちゃんと距離を戻していかないと。
○月✖日
久しぶりに広瀬先輩に会った。
土日も塾で1日勉強してるらしい。
いつも通り、ご飯行って、遊んで。それで帰りに、告白された。
冗談かと思ったら、本気だって言われて、抱きしめられた。
「初めて会った時から、好きだった」って?
そんなの、気付かなかった。
その後、蓮に会ったけど、告白されたことは言えなかった。
○月✖日
先輩に告白の返事をしに行った。
でも「返事はすぐしなくて良いから、もう少し考えてほしい」と言われてしまった。
「これから俺のこと意識して欲しい」「ただの良い先輩だと思ってたでしょ?」と、
そう言われて、図星だった。結局、返事は出来なかった。
でも、俺は蓮が好きだ。先輩の気持ちには応えられない。
蓮は「何かあったなら聞くよ」と言ってくれた。
でも、先輩に告白されたなんて言えるわけない。
もし蓮に言って、喜ばれたら、どうする?
「じゃあ、俺はもう必要ないな」なんて冗談っぽくでも言われたら、たぶん、泣く。
俺は、蓮が好きだから、ヒートの相手になってくれることが嬉しい。
でも、オメガやヒートを理由に蓮を縛りたくないとも思う。
蓮だって、きっとこの先、好きな人は出来るだろうし、
その時に、蓮を困らせたくない。
今から、もう離れた方が良いのかもしれない。
悩んでたら、伊吹達にも心配された。
伊吹に「香りが強くなってる」と言われて、
ヒートが近いことを思い出した。
○月✖日 (点々と、涙の乾いた跡のようなヨレがある)
いつも通りにしてるはずなのに、蓮が心配そうな目で見てたがした。
先輩の気持ちには応えられない。
蓮のことも困らせたくない。
やっぱり、俺には施設に行くしかないんだと思った。
知らない人に抱かれるのを想像すると涙が出る。
でも、大丈夫だ。怖いことじゃない。
すぐ終わる。大丈夫。
蓮の両親だって施設で会ったって言ってた。2人とも幸せそうだし。
俺も運が良ければ、優しいアルファが相手してくれるかもしれない。
大丈夫。きっと、大丈夫だから。
迷ってる時間は、もうないんだ。
もうすぐヒートがくる。
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