異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――

黒鯛の刺身♪

文字の大きさ
16 / 55

第十六話……鋼鉄の巨人ゴーレム

しおりを挟む
「よし! これでしばらく大丈夫だろう!」

「有難うございます」

 老人ジャブローは貴重な部品を分けてくれるだけでなく、ディーのメンテナンスまで丁寧に行ってくれた。
 ディーは青色のランプを点灯させて喜ぶ。


「うんうん、懐かしい形式のロボットだな。昔はこのタイプのロボットが沢山いてな。小さいころよく遊び相手になってもらったもんだよ……」

「……へぇ、そうなんですね」

「……あと、俺様が人間だってことを他人に言うなよ! なにしろ人間の生き残りは少ない。お前も気を付けて生きろよ」

「は、はい」

 人間だとバレてしまうと何かあるのだろうか。
 老人に言われ、晴信は少し怖くなった……。



☆★☆★☆

「お前、結構お金持っているな!」

「……ええ」

 部品代の支払いの段になって、老人ジャブローは晴信の所持金の多さに驚く。
 事実、晴信はディーのお陰もあって結構貯めていたのだ。

「じゃあお前、あれも買ってみないか?」

「あれってなんですか?」

 老人ジャブローが指さした先にあったのは、鋼の巨人を思わせる戦闘用兵器だった。
 全高は20mもあり、どうやら中にパイロットが乗って操縦するシステムらしかった。

「古の人間たちが使った地上用兵器ゴーレムだよ。先日、地中より掘り出したんだ。安くしとくぜ!」

「じゃあ、それも【タテナシ】に積んでください」

「毎度あり!」

 老人ジャブローはお金を貰ってニコニコ顔だ。
 きっと彼は商人が天職なのだろう。
 他にもいろいろなものを晴信に勧めては購入させた。
 その点、ディーは晴信の散財に少し不満顔であったが……。

「また欲しいものがあったらうちに来い、安くしてやるぞ!」

「ありがとうございます」

 晴信とディーは老人に御礼を言って別れ、この星の中心街へと戻った。
 そして夕食を街のレストランでとった時に、情報用の端末で地上用兵器のゴーレムについて調べたのだった。



☆★☆★☆

 太古より、古の人間たちは惑星を攻撃する際、衛星軌道上からの攻撃を禁止していた。

 宇宙戦艦の強大な火力で惑星を攻撃すれば、惑星上の貴重な資源を壊滅させてしまうからであり、それは今の文明においても守られている不文律だ。

 よって惑星占領戦は、降下させた兵器群や兵士たちによって担われた。
 地上用戦車や気圏戦闘機、装甲服を纏った歩兵たちの出番であった。

 その時分、最新鋭の地上兵器として作られたのがゴーレムだった。
 ゴーレムは小型核融合炉を心臓に持ち、複合セラミックの鎧をまとった戦場の巨人だった。

 巨大な体は敵の格好の的となると考えられたが、多様な電子装備や防御用電磁バリアなどで攻撃を跳ね返し、逆に高火力で敵を蹂躙するに至った。

 さらには強力な手足によって、飛行場用の整地や陣地構築も出来た。
 とりわけ入り組んだ地形や敵陣地など、大型の戦車が入れない地域においてゴーレムは活躍していった。

 ……まさにその姿は戦場の勇姿たる風格だった。


 人間たちがこの世から去った後も、その後に文明を立ち上げた者たちがゴーレムを運用。
 期待通りの多大な戦果を挙げた。

 しかし、その生産手段は古の人間たちしか持ち得ず、よって整備も満足にできずにゴーレムは戦場にて次々に数を減らしていった。

 そのため、今も動いているゴーレムは希少な兵器であり、むしろ貴族階級の嗜好用の兵器となることも多かった。



☆★☆★☆

「へぇ、ゴーレムって凄いんだね!」

 晴信は喜び、ディーに話しかける。

「……でも、空は飛べませんよ」

「なーんだ。詰まんないなぁ」

「……さらに、足も遅いですよ」

「えー」

 晴信は地球のアニメにあるような万能感のある無敵ロボットを思い浮かべたが、どうやらそれは違ったようだ。
 その後、晴信は【タテナシ】に乗り込み、この資源惑星を後にしたのだった。


 【タテナシ】は航行を順調に行い、準惑星ディーハウスへと接近。
 着陸の為に交信を行う。

「着陸用意!」

『誘導ビーム照射。OK!』

 準惑星ディーハウスは、古の人間たちの造船工場だったこともあり、いかなる宇宙航路図にもその場所は記されていなかった。
 さらには、その工場を守るために、視覚的にも電磁波的にもカモフラージュされており、その星の姿は主たる晴信たちにしか見えないようになっていた。

 つまり、他の宇宙船から見れば、レーダーにも映らない何もない空間であったのだ。
 準惑星ディーハウスは、まさに秘密の工場であるとともに、忍者屋敷のようなシステムで守られていたのであった。


『天頂ドームオープン! 港湾用ハッチ開きます!』

「了解! 降下開始!」

 【タテナシ】の巨大な艦影は、誘導ビームに導かれ、漆黒の宇宙へと吸い込まれるように姿を消したのだった……。


「着陸完了! 接舷用意!」

『OK!』

 晴信はゴーレムの他、資源惑星で買いこまれた製品たちを、次々に工場の倉庫に運び込んだ。
 よって倉庫のロボットたちは整理に追われた。


 ……そんな折、
 
『緊急通信入ります!』

 通信士のお掃除ロボットが叫ぶ。
 晴信が通信室に急ぐと、映像モニターに映ったのはアルキメデス中将の姿だった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

銀河太平記

武者走走九郎or大橋むつお
SF
 いまから二百年の未来。  前世紀から移住の始まった火星は地球のしがらみから離れようとしていた。火星の中緯度カルディア平原の大半を領域とする扶桑公国は国民の大半が日本からの移民で構成されていて、臣籍降下した扶桑宮が征夷大将軍として幕府を開いていた。  その扶桑幕府も代を重ねて五代目になろうとしている。  折しも地球では二千年紀に入って三度目のグローバリズムが破綻して、東アジア発の動乱期に入ろうとしている。  火星と地球を舞台として、銀河規模の争乱の時代が始まろうとしている。

航空自衛隊奮闘記

北条戦壱
SF
百年後の世界でロシアや中国が自衛隊に対して戦争を挑み,,, 第三次世界大戦勃発100年後の世界はどうなっているのだろうか ※本小説は仮想の話となっています

蒼穹の裏方

Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し 未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~

アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」 中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。 ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。 『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。 宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。 大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。 『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。 修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

処理中です...