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第二十二話……王の死後
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国王エーベルハルト四世の崩御の直後。
ゲルマー王国の有力貴族達は一斉に蠢きだした。
何故ならば、先王には子がおらず、正式な世継ぎが定まっていなかったため、有力な貴族たちによる継承戦争を予感させる空気となっていたのだ。
ゲルマー王国の軍隊や警察も、貴族の子弟を多く幹部に据えていた為、各部局単位で反目し合い、全く機能しなくなっていった。
さらに今まで政権を支えていた宰相ベッケンバウアが、王家の有力な外戚でなかったことにより失脚。
混乱に拍車を添えた。
こうして、ゲルマー王国はスラー帝国との戦争どころではなくなっていった。
そのために、王国に雇われていた傭兵たちが次々に解雇され、宇宙海賊へとその職を変貌させていったのだった。
折からの宇宙海賊の出没多数により、民間交易船が次々に襲われたため、各惑星間の交易状態は悪化。
交易による税収を無くしたくない貴族たちは、宇宙海賊の討伐を惑星間ギルドに依頼したのだった。
☆★☆★☆
――王の死後から2か月後。
多数の交易船を沈められて、物資不足に陥った惑星コローナ。
特に食品店の品薄は顕著で、住民たちからの支持率は地に落ち、反乱を危惧するレベルへとなっていた。
「皆、何か良い手はないか?」
惑星コローナの主、ベルシュミーデ伯爵は焦っていた。
内心本当は、いち早く次の国王擁立への政治活動に動きたいのだ。
しかし、足元の民情不安がそれを押しとどめていた。
「惑星間ギルドに依頼しては?」
伯爵の側近の一人が答える。
「あ奴らは、金は受け取るだけで成果が上がらんではないか! もっと素早く宇宙海賊どもを潰す手段はないのか?」
伯爵のイラつきに、別の側近が答えた。
「……では、【ミハタ社】の飯富社長に御頼みになっては如何でしょう? 彼は貴族閥に属さない軍人と聞いております」
「おおう、そうか。では早急に連れてまいれ!」
「はい、すぐに手配いたします!」
☆★☆★☆
――それから三日後。
晴信とカンスケは伯爵邸へと呼び出された。
かといって近所に住んでいるわけでもなく、飛行機と高速鉄道と乗り継いでの到着だった。
二人が伯爵邸につくと、メイドに案内され、応接室に通してもらった。
「ここの紅茶は美味しいね」
「私はブランデーの方が好きですがね。まぁ悪くありませんや……」
二人は上等な紅茶で舌鼓をうち、伯爵を待った。
そのうち奥の扉があき、伯爵が入って来る。
「失礼する。ようこそおいで下さった飯富社長」
伯爵は老齢な獣人の紳士であったが、その眼の光は野望を滾らせたもので、晴信を驚かせた。
「はじめまして、ミハタ社の飯富晴信です」
伯爵は見知ったカンスケとともに、晴信にも席に着くよう促す。
「……まぁ用はなんだ。惑星コローナの周囲で跳梁跋扈する宇宙海賊を始末して欲しいのだ。金は弾むぞ。やってみてくれんか?」
「お金も頂きますが、この地図に指示されている鉱区の開発許可をもらえませんか?」
カンスケはこんなの時にも関わらず、開発物件の許可を伯爵に求めた。
彼のそういう抜け目ない政治力を、晴信は素直に凄いと思った。
「良かろう!」
こうして会談は終了。
晴信とカンスケは、伯爵の館で豪華な夕食をご馳走になり、ミハタ社の社屋へと戻った。
――次の日。
カンスケをミハタ社に留守番で残し、晴信とディーはタテナシへと乗り込んだ。
「装甲艦タテナシ、出撃用意!」
「機関圧力正常、各種機器の値も問題なし!」
「離陸開始!」
晴信の号令一下、タテナシの巨体は離陸。
一気に大気圏を突き抜け、漆黒の宇宙空間へと船を浮かべた。
☆★☆★☆
「敵影確認! 左舷C-26俯角A-23、砲撃用意!」
「了解!」
「砲撃開始!」
【タテナシ】の主砲であるレーザーキャノン砲は、高熱を発する青白い光を曳航しつつ、宇宙海賊たちの宇宙船へと直撃。
次々に火球の塊へと変えていった。
「ハルノブ、射撃が巧くなったね!」
「ディーに褒められるとうれしいな」
晴信は照れる。
たしかに晴信の射撃は巧かったが、それには裏事情もあった。
この世界のコンピューターは、全て古代の人間が使用することを前提として作られていた。
そのため、晴信とそれらの指揮系統機器の相性は極めて良かったのだった。
すぐに、晴信の宇宙海賊退治の戦果は、伯爵の知るところとなり、伯爵が統括している惑星コローナの警備艇との連携作戦が許可されるようになった。
「次はこの航路をとるはずだから、惑星コローナの警備隊と挟み撃ちにしよう!」
「了解!」
晴信は以前に宇宙海賊と戦ったこともあり、敵の出現場所や攻撃目標の予想をつけるのが巧かった。
「掛かったな! 十字砲火を食らえ!」
晴信は、以前にアルキメデス中将に教わった艦隊運動を、宇宙海賊たちを相手に行った。
効果はテキメンだった。
多くの宇宙海賊を逮捕、もしくは宇宙の藻屑と変えていったのだった。
敵をおびき寄せての十字砲火や半包囲。
いずれも有名な戦術だが、実際に行うのは難しい。
机上で論じることは出来ても、実際に練習できる機会はなかなかにないものである。
「損害報告!」
「ありません!」
「よし、次行くぞ! 反転180度!」
「了解!」
晴信はさらに多数の宇宙海賊を撃破。
惑星コローナの周りの交易航路を一気に安全にせしめたのであった。
ゲルマー王国の有力貴族達は一斉に蠢きだした。
何故ならば、先王には子がおらず、正式な世継ぎが定まっていなかったため、有力な貴族たちによる継承戦争を予感させる空気となっていたのだ。
ゲルマー王国の軍隊や警察も、貴族の子弟を多く幹部に据えていた為、各部局単位で反目し合い、全く機能しなくなっていった。
さらに今まで政権を支えていた宰相ベッケンバウアが、王家の有力な外戚でなかったことにより失脚。
混乱に拍車を添えた。
こうして、ゲルマー王国はスラー帝国との戦争どころではなくなっていった。
そのために、王国に雇われていた傭兵たちが次々に解雇され、宇宙海賊へとその職を変貌させていったのだった。
折からの宇宙海賊の出没多数により、民間交易船が次々に襲われたため、各惑星間の交易状態は悪化。
交易による税収を無くしたくない貴族たちは、宇宙海賊の討伐を惑星間ギルドに依頼したのだった。
☆★☆★☆
――王の死後から2か月後。
多数の交易船を沈められて、物資不足に陥った惑星コローナ。
特に食品店の品薄は顕著で、住民たちからの支持率は地に落ち、反乱を危惧するレベルへとなっていた。
「皆、何か良い手はないか?」
惑星コローナの主、ベルシュミーデ伯爵は焦っていた。
内心本当は、いち早く次の国王擁立への政治活動に動きたいのだ。
しかし、足元の民情不安がそれを押しとどめていた。
「惑星間ギルドに依頼しては?」
伯爵の側近の一人が答える。
「あ奴らは、金は受け取るだけで成果が上がらんではないか! もっと素早く宇宙海賊どもを潰す手段はないのか?」
伯爵のイラつきに、別の側近が答えた。
「……では、【ミハタ社】の飯富社長に御頼みになっては如何でしょう? 彼は貴族閥に属さない軍人と聞いております」
「おおう、そうか。では早急に連れてまいれ!」
「はい、すぐに手配いたします!」
☆★☆★☆
――それから三日後。
晴信とカンスケは伯爵邸へと呼び出された。
かといって近所に住んでいるわけでもなく、飛行機と高速鉄道と乗り継いでの到着だった。
二人が伯爵邸につくと、メイドに案内され、応接室に通してもらった。
「ここの紅茶は美味しいね」
「私はブランデーの方が好きですがね。まぁ悪くありませんや……」
二人は上等な紅茶で舌鼓をうち、伯爵を待った。
そのうち奥の扉があき、伯爵が入って来る。
「失礼する。ようこそおいで下さった飯富社長」
伯爵は老齢な獣人の紳士であったが、その眼の光は野望を滾らせたもので、晴信を驚かせた。
「はじめまして、ミハタ社の飯富晴信です」
伯爵は見知ったカンスケとともに、晴信にも席に着くよう促す。
「……まぁ用はなんだ。惑星コローナの周囲で跳梁跋扈する宇宙海賊を始末して欲しいのだ。金は弾むぞ。やってみてくれんか?」
「お金も頂きますが、この地図に指示されている鉱区の開発許可をもらえませんか?」
カンスケはこんなの時にも関わらず、開発物件の許可を伯爵に求めた。
彼のそういう抜け目ない政治力を、晴信は素直に凄いと思った。
「良かろう!」
こうして会談は終了。
晴信とカンスケは、伯爵の館で豪華な夕食をご馳走になり、ミハタ社の社屋へと戻った。
――次の日。
カンスケをミハタ社に留守番で残し、晴信とディーはタテナシへと乗り込んだ。
「装甲艦タテナシ、出撃用意!」
「機関圧力正常、各種機器の値も問題なし!」
「離陸開始!」
晴信の号令一下、タテナシの巨体は離陸。
一気に大気圏を突き抜け、漆黒の宇宙空間へと船を浮かべた。
☆★☆★☆
「敵影確認! 左舷C-26俯角A-23、砲撃用意!」
「了解!」
「砲撃開始!」
【タテナシ】の主砲であるレーザーキャノン砲は、高熱を発する青白い光を曳航しつつ、宇宙海賊たちの宇宙船へと直撃。
次々に火球の塊へと変えていった。
「ハルノブ、射撃が巧くなったね!」
「ディーに褒められるとうれしいな」
晴信は照れる。
たしかに晴信の射撃は巧かったが、それには裏事情もあった。
この世界のコンピューターは、全て古代の人間が使用することを前提として作られていた。
そのため、晴信とそれらの指揮系統機器の相性は極めて良かったのだった。
すぐに、晴信の宇宙海賊退治の戦果は、伯爵の知るところとなり、伯爵が統括している惑星コローナの警備艇との連携作戦が許可されるようになった。
「次はこの航路をとるはずだから、惑星コローナの警備隊と挟み撃ちにしよう!」
「了解!」
晴信は以前に宇宙海賊と戦ったこともあり、敵の出現場所や攻撃目標の予想をつけるのが巧かった。
「掛かったな! 十字砲火を食らえ!」
晴信は、以前にアルキメデス中将に教わった艦隊運動を、宇宙海賊たちを相手に行った。
効果はテキメンだった。
多くの宇宙海賊を逮捕、もしくは宇宙の藻屑と変えていったのだった。
敵をおびき寄せての十字砲火や半包囲。
いずれも有名な戦術だが、実際に行うのは難しい。
机上で論じることは出来ても、実際に練習できる機会はなかなかにないものである。
「損害報告!」
「ありません!」
「よし、次行くぞ! 反転180度!」
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晴信はさらに多数の宇宙海賊を撃破。
惑星コローナの周りの交易航路を一気に安全にせしめたのであった。
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