【超不定期更新】【超不定期更新】アラフォー女は異世界で「幸せ」を再履修します。〜猫と一緒にスローライフ?を満喫中〜

猫石

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7章 お受験から逃げ出したい!

ポーション作成、チート発動!(後先は考えよう)

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「フィラン、今日なんだけど、アカデミーの見学に行かないか?」

「へ?」

 日の精霊日、本日は『薬屋・猫の手』、お休みです。

 ただし、畑のお手入れやお薬の備蓄作成で、お店は休みでも、お仕事休みじゃないんですけどね。

 なんて思いながら畑の手入れを終えての朝ごはん。

 いや~先週はひっどいめにあったなぁ。

 王宮怖い、二度と行かない、っていうか貴族層怖い!

 あの後、何事にもなく一週間が過ぎたの本当に幸せだった。 やっほーい!

 なんてのんきに、兄さまの美味しい朝ご飯を堪能していた一週間目、不意打ちのように急にそんなことを言われ、手渡しの動きが止まってしまった。

 私のパンの上から、ずる……っと目玉焼きが落ちる。

「フィラン、卵が!」

「あ、あぁぁ!」

 兄さまが慌ててお皿を出してくれたので、机や床、服の上に落ちることはなく、べしょっとお皿の上でつぶれる。

「お……お皿の上だからセーフ……。」

「そうだね、食べてる最中に声をかけてごめん。」

「卵、床に落ちなくてよかったぁ。」

 スプーンでパン、ベーコンと葉野菜の上にしっかり卵を乗せなおすと、ばくん、とかぶり付いた。

 もぐもぐもぐもぐ、ごくん。 ばくん、もぐもぐ……と食べ続け……終わっちゃった。

 なんで食パンにバターたっぷり、それから野菜と厚切りベーコンと目玉焼き乗せたのっておいしいんでしょうね。 ま、鶏の卵じゃなくてコカトリスの卵だけど。

 にてる! コカトリスもバジリスクも鶏もみんな一緒! おいしい!

 この間、ベーコンの材料がオークだったってことも知ったけどね!

 いいの、美味しいから! 美味しい万歳! 果物サラダも美味しいな。

「フィラン、紅茶飲むかい?」

「のみます~。 ミルクいっぱい! あまいの!」

 はいはい、と紅茶を淹れ始めた兄さま。 私の目の前にマグカップ置いてくれたので、受け取って飲もうかな~とフーフーする。

「アカデミーの見学はお昼からなんだけど、何時にでようかな?」

 うぇん、聞かなかったふりしてたのに……。

 涙目になりながら、ミルクティのたっぷり入ったマグカップを両手で包んで、ちらりと兄さまを見る。

 はい! 今日もイケメン、しかもこっち見てるー! マグカップ持つ姿も素敵ですよー! でもそんな笑顔には負けない! 私は! 当分! 貴族層に行きたくない!

「今日はいっぱいポーションを作ろうと思っているでノーセンキューです。」

 あ、あからさまに困った顔しましたよ。 兄さま最近分かりやすいなぁ……。

 しかしここで甘い顔をするわけにはいかないのですよ。 どうしたの? なんて聞いたら連れていかれる事請け合いですからね……絶対そんなことは言わぬ!

「ごちそうさまでした。 兄さま、洗い物置いといてくださいね。」

 にこっと笑って自分が使った食器と兄さまの食器の食べ終わっている物を流しに置くと、エプロンを付ける。

 流しにお水を溜めたら、サラマンドラを呼んでお湯をあっためてもらい、水棲モンスターの海綿体を使って作られた食器用のスポンジでガシガシ洗っていく。

 溜め水作るのも簡単だな~なんて思いながら、洗い終わると、洗うのに使ったお湯を抜いて、アンダインに少しずつお水を流してもらってすすぎ、洗いざらしの布の上に並べていく。 ……訳ですが。

 背後からすっごい視線を感じます。 めっちゃやだ、めっちゃやだ。

 すっごいみています(敵意なし)ですが、どんな顔してみてるか想像ができるくらい見られている……。

 食器をきれいな布で拭きながら、丁寧に乾かして片付ける。

 うむ、水回りの後片付けも済んだ、あーすっきりした! 視線は痛いけどね。よし、ポーション作ろう!

 くるっと振り返ると、無言でお茶を飲むセディ兄さま。 気づいてほしいんでしょうね、気づいてますけどね、絶対声かけないよ……うん、くっそめんどくさい。

「兄さまは今日は何するんですか? 用事がないならお部屋でゆっくりしたらいいんじゃないですか? ここ、ポーション作るのに使いますので二階に行ってください。」

「……フィラン、何か手伝おうか?」

 マグカップを片手に、にこっと笑った兄さま。

「大丈夫! 精霊の安息日でも午前中ならみんなが手伝ってくれるから、今日はゆっくりしてね。 あ、お昼からは精霊がいない状態でもできる仕事をするから水場と店舗使うよ。 だから晩御飯は私が作るし、それまでお手伝いとかで降りてきちゃダメ! あ、でも、お散歩なら行ってらっしゃい!」

 にこにこしながらそこまで言い切ると、あからさまに肩を落として二階に上がっていきました。

 よっし! 今日は私の根気勝ちですよ! やったね!

 ぐっと握りこぶしを握ってから、みんなでポーションつくりです。

 えっと、乾燥した薬草と、アンダインにだしてもらったお水と……と、用意しながら機材の消毒と乾燥を始めてもらい、からからと中の羽が動いたのを確認する。

 「この機材の用意とか、粉砕とか、濾過とか、蒸留とか本当に面倒くさい……」

 と、つい愚痴を漏らしながら、大きめの薬研を使って、乾燥したデオリ草の花びらを粉砕していく。

「そういえばヒュパムさんのところから資材の納品が来るから、用意しなきゃ……あ、工芸茶の仕込みもそろそろしたいな。 お花摘んでおかないと……」

 カレンダーを見ながらこの後のスケジュールを組んでいく。

 ……安息日二日間は仕込みだし、ほかの日はお仕事だし、朝は畑仕事もあるし……

 と、考えてニヤッとしちゃった。

 わたし、アカデミーの勉強する暇なくない? って気が付いた!

 やっぱりお仕事が忙しいから行けませんっ(本音はお貴族様とか本当に思考回路が解らな過ぎて怖いから行きたくなくなりました!)て言って許されるかもしれない!

「よしよし、その路線で行こう!」

 ぎゅっとこぶしを握って決心していると、機械の準備で来たよ~と声をかけてくれたシルフィードのところに向かっていく。

『フィラン、今日は何作るの~?』

「体力ポーションと魔力ポーションの納品分~。 それから、やってみたい実験もあるんだ。」

『実験?』

 アンダインがひょこっと顔を出してくるのをなでながら、うふふっと笑う。

「みんなの力は借りるとして、機材を使わなくても調剤できるのかなぁって。」

『それが出来たらすごく楽だね!』

「でしょ?」

 すごいすごーい、と言ってくれたエーンートに、にかっと笑ってから、とりあえずいつも通りの手順でどんどん作っていく。

 錬金スキルを使うとき以外は五精霊たちがコックをひねってくれたり、湿度を管理してくれたりするから断然楽勝!

 お昼を前に、納品分の上級魔力、上級体力ポーション二百本を作り終わった。

「どうだ!」

『『『『『フィランすごーい!』』』』』

「みんなのおかげだよぉ!」

 みんなでハイタッチをしながら、納品用の木箱にポーションを梱包材を入れながらつめておく。

 ついでに傷薬の塗るタイプも入れておいて、ふたを閉める。

「これで出来上がりで……後で兄さまに転送してもらうとして、次はこの機材を使わない調合なんだけど……とりあえず下級ポーションの材料を一つのでかい瓶に入れます!」

『はい!』

 シルフィードが手伝ってくれて、とっても大きな瓶に水と、薬草と……と50本分ずつ入れていく。

『フィラン、これ失敗したらすごくもったいないね。』

「大丈夫! 失敗したらスライムを濾過しまくって浄化しまくって作った保湿水があるから、それとまぜて、化粧水にする予定!!」

 材料を無駄にしてはいけません。 ちゃんとそこまで考えてあるよ。

「では、いきます! みんな、お手伝いよろしくね。 スキル展開・錬金調薬スキル『下級ポーション作成』! 『神の祝福』と『神の恩恵』ぃぃっ!」

 力いっぱい集中して唱えると、薬草と水、蜂蜜等々混ざった瓶の中がぱあっと金色に光った。

 あんまりのまぶしさに目を閉じる。

「きゃーー! 大失敗っ!」

 あんまりもまぶしくて、昔見たアニメを思い出しながら目を閉じたまま光が収まるのを待つ。

『フィラン、フィラン! 見て見て!』

「え? もう光、大丈夫?」

『大丈夫!』

 確認して大丈夫と教えてもらってから目を開けると……目の前の大きな瓶には、みっちりと下級ポーションができている。

 相変わらず、アルムヘイムの加護できらきらした光を放つ下級ポーション。

 ちょっとなめてみるけれど、味も私が作る美味しいポーションだった。

「やったー! 大成功! これでだいぶん時短できるね! じゃあ、これも兄さまに運んでもらお……う?」

 はた、っと、そこで気が付いた。

「運ぶ……? これを?」

 回りで五精霊が瓶の周りでふわふわしているけど……。

 200mlくらい×50本分ですよ? 何キロですか? 換算で!

 私、なんでこんな量を、こんなでっかい、しかも重さもある瓶で床の上で作っちゃったの?

「……ちゃんと後の事を考えて作らないとだめだね……今度から机の上に作って、ワインとかビールサーバーみたいにコック開けると出るようにしよう……」

 さて、床の上の瓶に大量に作ってしまった下級ポーション、塗り薬の材料として使っても消費できる日は来るでしょうか?

 神様、どうも私は思い付きで行動して反省することが最近多いです。

 なので、もう少し思慮深くなれるようなポーションの作成方法を私に教えてください!

 と、おっきな瓶を抱きかかえて窓の外にわずかに見える空を眺めてみました。
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