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幼少期
08 娘さんをくださいっ!
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「娘さんをわたしにくださいっ!」
「坊ちゃん、下さいと言われてそう易々とあげられる親はいないんですよ」
「そこをなんとかっ! わたしのできる限りの力で幸せにしますからっ!」
「ふむ、覚悟はできているのですね」
「はいっ!」
「お父様、若、一体何をしているんですか?」
「「何って、様式美だろ?」」
今日はレナの父親、テオ・フォン・バルディにレナとの婚約についての話し合いをしている。
まあ、テオは父上の影も務めているから、子供のころから面識もあるし、気心の知れた仲だ。
今さら、かしこまるような関係でもないし、こうやって子供の遊びにも付き合ってくれるのでいい大人だ。
「まあ、様式美とは言いつつも、そんな簡単に娘をやれる親がいないというのは本当ですがな。とはいえ、坊ちゃんなら安心して預けられますし、貴族関連のごたごたもクラウス様の方で面倒を見てくれるという話ですし」
「というか、家族での話し合いで婚約は良いというお話でしたよね」
「そこはそれ、やはり一度は脅しを含めた断りを入れるのが父親の務めというものだろう」
「そんな務めはいりません。……若もすみません」
「テオ様は俺にとっても父親のようなものだからな、俺も楽しんでいるよ。それに幸せにするっていうのも本当のことだからな」
「うっ……」
「はっはっは、娘がここまで恥ずかしがる姿は貴重ですな。とはいえ、影としての教育はしていても貴族の娘としては心もとないですな」
「ああ、その辺は母上が時間を取って教育すると言っていたな。貴族学園入学までに形にはできるだろうと」
「ペトラ様が……それはそれは貴重な経験ですな」
ゲルハルディ領主である父上は武力一辺倒というか、陸上戦闘においては他の追随を許さないレベルなのだが、領政に関しては門外漢。
他領との交渉から、領内の政治に関して一手に引き受けているのが、母上であるペトラ・フォン・ゲルハルディだ。
レナは影として活動するための訓練は受けているけど、普通の貴族令嬢としての教育はイマイチだから、他領の貴族に見せても恥ずかしくない程度には教育するらしい。
まあ、俺の方は貴族学園にしばらく行かなくてもよくなったから、領主としての教育に加えて騎士団での修練、それに領内の見回りといろいろとやらなくてはいけないことが増えたがな。
なーんか、最初の計画からはどんどんずれていってる気がするが、ゲーム制作というかグループでの制作活動では計画通りにいかないのはむしろ普通。
締め切り1週間前に進捗確認したら、『バッチリですよ』と豪語していたイラストレーターが締切前日に進捗50%だから締切延ばしてほしいとかザラ。
前世ではこんなことばっかりだったから、計画修正能力ばかりが育った感があるが、シナリオ通りに行かなかった段階でアドリブに移行。
基本は主人公を勇者にさせないように動きつつ、こっちの戦力を増強して討伐されないようにするのが良いんだろうな。
「話はまとまったようだな。マックスとレナは走り込みに戻りなさい。テオは私と陛下への報告書と周辺領主への通達書類を作るぞ」
「はっ」
「「はい」」
テオは父上に連れられて書斎の方に、俺とレナは走り込みのために屋敷から外に出ることにした。
「は~、書類が送られたら若と婚約なんですね」
「若じゃなくてマックスと呼んでほしいが……そうだな。周辺領主はともかく、陛下の確認と裁可が下りれば晴れて婚約者だな」
「却下されたりはしないのでしょうか?」
「陛下が? そんな話は聞いたことないなぁ。確かに父上には陛下から派閥の結束を高めてほしいとは依頼があったようだけど、やり方については特に言われてなかったみたいだし。同派閥の令嬢との婚約は十分に結束が高まるだろうからな」
「他の貴族から横やりが入ったり」
「馬車でも言ったけど、辺境伯家は近しいところは男児ばかりだし、むしろ妹の方が狙われているんだろうな。同格の伯爵家、下位の男爵家なら断れるし……多分大丈夫じゃないか?」
ちなみに、うちの父上と母上はいまだにラブラブで、俺を産んだ3年後に女児を1人、つい先日にも女児を1人産んでいる。
つまりは、俺には3歳年下と5歳年下の妹がいるんだが、政略結婚という観点で言えば、領主候補の俺よりも他領に出るだろう妹の方が狙われやすい。
ゲームではマックスが幼少期から王都周辺に住んでいたから、妹が領主候補になっていたが、シナリオが崩壊した以上、妹に領主の座がいくとは考えられないしな。
「うーん、不安です」
「まあ、レナの自己評価が低くて不安なのはわかるが、俺が選んだのはレナだからな。誰かに何か言われたら相談してくれ」
「はい、でも自分でも頑張ってみます」
「いや、情報共有は大事だから、何かあったら小さいことでも教えてくれ。レナが自分で頑張りたいのもわかるが、自分の婚約者1人も守れないというのも貴族男性として失格ものだからな」
「そうなのですか?」
「少なくとも父上にはそう言われている。士爵家から嫁入りした母上に群がる有象無象を蹴散らしたと笑いながら言われたからな」
「蹴散らさなくても良いですよ?」
「蹴散らすかどうかは相手を見てやるが、守りたいのは本当だからな」
「……はい。何かあったら相談させてもらいます」
「坊ちゃん、下さいと言われてそう易々とあげられる親はいないんですよ」
「そこをなんとかっ! わたしのできる限りの力で幸せにしますからっ!」
「ふむ、覚悟はできているのですね」
「はいっ!」
「お父様、若、一体何をしているんですか?」
「「何って、様式美だろ?」」
今日はレナの父親、テオ・フォン・バルディにレナとの婚約についての話し合いをしている。
まあ、テオは父上の影も務めているから、子供のころから面識もあるし、気心の知れた仲だ。
今さら、かしこまるような関係でもないし、こうやって子供の遊びにも付き合ってくれるのでいい大人だ。
「まあ、様式美とは言いつつも、そんな簡単に娘をやれる親がいないというのは本当ですがな。とはいえ、坊ちゃんなら安心して預けられますし、貴族関連のごたごたもクラウス様の方で面倒を見てくれるという話ですし」
「というか、家族での話し合いで婚約は良いというお話でしたよね」
「そこはそれ、やはり一度は脅しを含めた断りを入れるのが父親の務めというものだろう」
「そんな務めはいりません。……若もすみません」
「テオ様は俺にとっても父親のようなものだからな、俺も楽しんでいるよ。それに幸せにするっていうのも本当のことだからな」
「うっ……」
「はっはっは、娘がここまで恥ずかしがる姿は貴重ですな。とはいえ、影としての教育はしていても貴族の娘としては心もとないですな」
「ああ、その辺は母上が時間を取って教育すると言っていたな。貴族学園入学までに形にはできるだろうと」
「ペトラ様が……それはそれは貴重な経験ですな」
ゲルハルディ領主である父上は武力一辺倒というか、陸上戦闘においては他の追随を許さないレベルなのだが、領政に関しては門外漢。
他領との交渉から、領内の政治に関して一手に引き受けているのが、母上であるペトラ・フォン・ゲルハルディだ。
レナは影として活動するための訓練は受けているけど、普通の貴族令嬢としての教育はイマイチだから、他領の貴族に見せても恥ずかしくない程度には教育するらしい。
まあ、俺の方は貴族学園にしばらく行かなくてもよくなったから、領主としての教育に加えて騎士団での修練、それに領内の見回りといろいろとやらなくてはいけないことが増えたがな。
なーんか、最初の計画からはどんどんずれていってる気がするが、ゲーム制作というかグループでの制作活動では計画通りにいかないのはむしろ普通。
締め切り1週間前に進捗確認したら、『バッチリですよ』と豪語していたイラストレーターが締切前日に進捗50%だから締切延ばしてほしいとかザラ。
前世ではこんなことばっかりだったから、計画修正能力ばかりが育った感があるが、シナリオ通りに行かなかった段階でアドリブに移行。
基本は主人公を勇者にさせないように動きつつ、こっちの戦力を増強して討伐されないようにするのが良いんだろうな。
「話はまとまったようだな。マックスとレナは走り込みに戻りなさい。テオは私と陛下への報告書と周辺領主への通達書類を作るぞ」
「はっ」
「「はい」」
テオは父上に連れられて書斎の方に、俺とレナは走り込みのために屋敷から外に出ることにした。
「は~、書類が送られたら若と婚約なんですね」
「若じゃなくてマックスと呼んでほしいが……そうだな。周辺領主はともかく、陛下の確認と裁可が下りれば晴れて婚約者だな」
「却下されたりはしないのでしょうか?」
「陛下が? そんな話は聞いたことないなぁ。確かに父上には陛下から派閥の結束を高めてほしいとは依頼があったようだけど、やり方については特に言われてなかったみたいだし。同派閥の令嬢との婚約は十分に結束が高まるだろうからな」
「他の貴族から横やりが入ったり」
「馬車でも言ったけど、辺境伯家は近しいところは男児ばかりだし、むしろ妹の方が狙われているんだろうな。同格の伯爵家、下位の男爵家なら断れるし……多分大丈夫じゃないか?」
ちなみに、うちの父上と母上はいまだにラブラブで、俺を産んだ3年後に女児を1人、つい先日にも女児を1人産んでいる。
つまりは、俺には3歳年下と5歳年下の妹がいるんだが、政略結婚という観点で言えば、領主候補の俺よりも他領に出るだろう妹の方が狙われやすい。
ゲームではマックスが幼少期から王都周辺に住んでいたから、妹が領主候補になっていたが、シナリオが崩壊した以上、妹に領主の座がいくとは考えられないしな。
「うーん、不安です」
「まあ、レナの自己評価が低くて不安なのはわかるが、俺が選んだのはレナだからな。誰かに何か言われたら相談してくれ」
「はい、でも自分でも頑張ってみます」
「いや、情報共有は大事だから、何かあったら小さいことでも教えてくれ。レナが自分で頑張りたいのもわかるが、自分の婚約者1人も守れないというのも貴族男性として失格ものだからな」
「そうなのですか?」
「少なくとも父上にはそう言われている。士爵家から嫁入りした母上に群がる有象無象を蹴散らしたと笑いながら言われたからな」
「蹴散らさなくても良いですよ?」
「蹴散らすかどうかは相手を見てやるが、守りたいのは本当だからな」
「……はい。何かあったら相談させてもらいます」
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