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幼少期
52 課外授業改めトーマスとの話し合い
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「いやー、よく来てくれたねアンナ。屋敷の方にはユリアが行ってしまうから、会うのは本当に久しぶりだね」
「トーマスお兄様、お久しぶりです」
「聞いたかい!? マックス! お兄様だって」
「トーマス叔父さん、今日はかしこまった態度じゃなくていいの?」
「今日は取引じゃなくて、甥、姪として遊びに来てくれたんだろう?」
「まあ、そうだけどさ」
アンドレ商会に虫除けの実やら何やらの交渉に来た時とは別人のようだが、俺が領政に関わる前はこんな感じの人だったな。
「あ、そうだった。……マックス坊ちゃん、王都の件でお話が」
と思ったら、急にかしこまった態度になって……つまりはアンドレ商会の会頭として話があるってことか。
「今日はアンナの課外授業で来たんだけど」
「マックス坊ちゃんが居ても仕方がないでしょう。ユリアもいるのですから、少しくらい大丈夫ですよ」
「マックス、他のとこならともかく、アンドレ商会なら私が居れば大丈夫だよ」
「はあ、わかったよ。じゃあ、話を聞くよ」
「では、応接室にご案内しますね」
そう言って、トーマス叔父さんは俺を応接室の方に連れていく。あ、ユリア叔母さんはアンナと教師、ついでにレナまで連れて行ってしまったので、本当に俺だけだ。
「で、話って?」
「マックス坊ちゃん、王都で何をやらかしてきたのですか?」
「何って……あれ、言ってなかったっけ? 陛下に謁見してきたんだよ」
「それは聞いています。国王陛下や宰相閣下になにかしませんでしたか?」
ものすごい勿体ぶった言い方をされているが、陛下と宰相に……あれ? なんだっけ?
「もしかして、チョコレートボンボンのこと?」
「そうですよ!」
「確かに土産で渡したけど……」
「王宮から問い合わせが来ているんですよ。正式な発売はいつになるのかって」
「あれ、販路拡大は求めてないって言ってあるんだけど……それだけ気に入ったってことかな?」
「先に言っておいてくださいよ。こっちは試作に苦戦しているくらいなんですから」
「ごめんごめん、王都に行くって言ったら料理長がお土産にって渡してくれたから、ついね」
料理長が小型冷蔵庫に入れて渡してくれたから、陛下や宰相にホイホイ渡してきてしまったが、販売するとなったらアンドレ商会を通すんだから確かに相談すべきだったな。
だが、言い訳するならマジで出発直前に渡されたし、そもそも王都に呼ばれたのが帰ってきて直ぐだったからアンドレ商会に行く暇はなかったんだよな。
「で、どうするのです?」
「いいよ、試作中だからで断って。父上の方からも陛下に伝えてもらうし」
「良いわけないでしょう! 相手はこの国の国王陛下なのですよ!」
おー、キレてても口調を崩さない辺りは流石だな。
「でも、非公式に渡したものだしなぁ。こっちからも手紙を出しておくから、アンドレ商会からは丁寧な謝罪文だけ出しておいてよ」
「それで平気なのですか?」
「平気も何も、商会として試作品を貴族に渡すわけにはいかないでしょ。貴族であるゲルハルディ家からならともかく」
「まあ、確かに」
貴族から貴族への土産なら一点ものという言い分で試作品を分けることもあるが、商品を販売する商会が試作品を客に渡すわけにはいかない。
まあ、陛下や宰相に試作品を渡せたのも父上が陛下たちと飲み友達だからで、流石に私的な会合が無かったら渡すことはなかっただろうけど。
「あ、あと宰相に渡したのはウイスキーボンボンじゃなくて、コーヒー入りのチョコだから」
「? 豆をすり潰して混ぜたのですか?」
「じゃなくて、濃い目に煮出したコーヒーをウイスキーボンボンみたいにチョコの中に入れたの。こっちでウイスキーボンボンの試作が終わったら頼もうと思ってたんだけど」
「それを知っているのは?」
「俺、レナ、料理長、父上、母上、陛下に宰相……あとはそれぞれの使用人。全員、口は堅い」
「ふむ、これは良い商品になりそうですよ」
「だろうね」
チョコレートもそうだが、コーヒーは他国からの輸入に頼っているからゲルハルディ領の特産といっていい。
他領では量産はもちろん、原料を手に入れるにしてもウチを通すことになるから特産品として扱うにしろ、広まるにしろ、ウチにはメリットしかない。
「南辺境伯はどうされるのですか?」
ウチ以外にチョコレートとコーヒーを輸入できるのは南大陸につながる港を持っている南辺境伯だが、そこも問題ない。
「あそこは縁戚というか、元々の主家だからね。同じような商品を作られても問題ないよ。製法を求めてきたら、対価を貰うか足並みをそろえるかの商談はあるだろうけどね」
「ふむ、ではそちらも試作をしてみます」
「頼むよ。あ、あとは領内でカカオとコーヒーの栽培を始めてみようって話があるから、数年後にはゲルハルディ産のものがでまわるかも」
「そちらの動静も注視しておけということですね」
ホント、トーマス叔父さんは優秀で話が早くて助かるよ。
「トーマスお兄様、お久しぶりです」
「聞いたかい!? マックス! お兄様だって」
「トーマス叔父さん、今日はかしこまった態度じゃなくていいの?」
「今日は取引じゃなくて、甥、姪として遊びに来てくれたんだろう?」
「まあ、そうだけどさ」
アンドレ商会に虫除けの実やら何やらの交渉に来た時とは別人のようだが、俺が領政に関わる前はこんな感じの人だったな。
「あ、そうだった。……マックス坊ちゃん、王都の件でお話が」
と思ったら、急にかしこまった態度になって……つまりはアンドレ商会の会頭として話があるってことか。
「今日はアンナの課外授業で来たんだけど」
「マックス坊ちゃんが居ても仕方がないでしょう。ユリアもいるのですから、少しくらい大丈夫ですよ」
「マックス、他のとこならともかく、アンドレ商会なら私が居れば大丈夫だよ」
「はあ、わかったよ。じゃあ、話を聞くよ」
「では、応接室にご案内しますね」
そう言って、トーマス叔父さんは俺を応接室の方に連れていく。あ、ユリア叔母さんはアンナと教師、ついでにレナまで連れて行ってしまったので、本当に俺だけだ。
「で、話って?」
「マックス坊ちゃん、王都で何をやらかしてきたのですか?」
「何って……あれ、言ってなかったっけ? 陛下に謁見してきたんだよ」
「それは聞いています。国王陛下や宰相閣下になにかしませんでしたか?」
ものすごい勿体ぶった言い方をされているが、陛下と宰相に……あれ? なんだっけ?
「もしかして、チョコレートボンボンのこと?」
「そうですよ!」
「確かに土産で渡したけど……」
「王宮から問い合わせが来ているんですよ。正式な発売はいつになるのかって」
「あれ、販路拡大は求めてないって言ってあるんだけど……それだけ気に入ったってことかな?」
「先に言っておいてくださいよ。こっちは試作に苦戦しているくらいなんですから」
「ごめんごめん、王都に行くって言ったら料理長がお土産にって渡してくれたから、ついね」
料理長が小型冷蔵庫に入れて渡してくれたから、陛下や宰相にホイホイ渡してきてしまったが、販売するとなったらアンドレ商会を通すんだから確かに相談すべきだったな。
だが、言い訳するならマジで出発直前に渡されたし、そもそも王都に呼ばれたのが帰ってきて直ぐだったからアンドレ商会に行く暇はなかったんだよな。
「で、どうするのです?」
「いいよ、試作中だからで断って。父上の方からも陛下に伝えてもらうし」
「良いわけないでしょう! 相手はこの国の国王陛下なのですよ!」
おー、キレてても口調を崩さない辺りは流石だな。
「でも、非公式に渡したものだしなぁ。こっちからも手紙を出しておくから、アンドレ商会からは丁寧な謝罪文だけ出しておいてよ」
「それで平気なのですか?」
「平気も何も、商会として試作品を貴族に渡すわけにはいかないでしょ。貴族であるゲルハルディ家からならともかく」
「まあ、確かに」
貴族から貴族への土産なら一点ものという言い分で試作品を分けることもあるが、商品を販売する商会が試作品を客に渡すわけにはいかない。
まあ、陛下や宰相に試作品を渡せたのも父上が陛下たちと飲み友達だからで、流石に私的な会合が無かったら渡すことはなかっただろうけど。
「あ、あと宰相に渡したのはウイスキーボンボンじゃなくて、コーヒー入りのチョコだから」
「? 豆をすり潰して混ぜたのですか?」
「じゃなくて、濃い目に煮出したコーヒーをウイスキーボンボンみたいにチョコの中に入れたの。こっちでウイスキーボンボンの試作が終わったら頼もうと思ってたんだけど」
「それを知っているのは?」
「俺、レナ、料理長、父上、母上、陛下に宰相……あとはそれぞれの使用人。全員、口は堅い」
「ふむ、これは良い商品になりそうですよ」
「だろうね」
チョコレートもそうだが、コーヒーは他国からの輸入に頼っているからゲルハルディ領の特産といっていい。
他領では量産はもちろん、原料を手に入れるにしてもウチを通すことになるから特産品として扱うにしろ、広まるにしろ、ウチにはメリットしかない。
「南辺境伯はどうされるのですか?」
ウチ以外にチョコレートとコーヒーを輸入できるのは南大陸につながる港を持っている南辺境伯だが、そこも問題ない。
「あそこは縁戚というか、元々の主家だからね。同じような商品を作られても問題ないよ。製法を求めてきたら、対価を貰うか足並みをそろえるかの商談はあるだろうけどね」
「ふむ、ではそちらも試作をしてみます」
「頼むよ。あ、あとは領内でカカオとコーヒーの栽培を始めてみようって話があるから、数年後にはゲルハルディ産のものがでまわるかも」
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ホント、トーマス叔父さんは優秀で話が早くて助かるよ。
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