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幼少期
96 メーリング領のこれから
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「ところで、爺様。メーリング領はこれからどうするのですか?」
ゴールディ国の特使は交易を済ませ全員帰ってしまったので、俺はかねてから懸念だったことを爺様に聞く。
爺様が言うにはメーリング領の領主は南大陸からの侵略者がやってきた時点で王都へと逃げてしまい、現在この領には責任者がいない状態らしい。
「騎士爵持ちが何人かいるからのう。そいつらに任せるべきなんじゃが、陛下は嫌がりそうじゃのう」
「元々の領主が戻ってくる可能性は?」
「ないのう。いや、本人は戻ってくるじゃろうが、陛下が許さんよ。貴族は税を集めるものにあらず、国民を守る者。これがヴァイセンベルク王国の理念じゃからの」
まあ、そうなんだよね。貴族っていうと特権階級で、贅沢をしてるだけの人間って思われがちだが、権利には義務がつきものだ。
ヴァイセンベルク王国では領民、領土を守れない人間は貴族失格というのは、貴族学園で一番初めに教わる項目らしいしな。
「メーリング領に残っている人間の意見はどうなっています?」
「ふむ、ゲルハルディ領の庇護を求めるのが半分、とある騎士に治めてほしいのが半分というとこかの」
「へー、人望がある騎士がいるんですね……ちなみに、本人は?」
「拒否しておるの。剣も握れぬ領地貴族にはなりたくないと」
ちなみに、騎士爵は領地を持たない貴族の最下位だが、領地貴族としての教育を受けなければなれない。
そのため貴族学園では領地貴族の跡取りと騎士希望が、領地騎士科に通うんだが……たまにいるんだよな、領地貴族にはなりたくない騎士ってのが。
剣を振るのが性に合ってるって言い分が多いが、本音としては書類仕事が苦手だったり大局的な考えが持てないんだろうな。
「別に領主になっても爺様や父上のように剣を振ってる貴族も多いですけどね。でも、本人はゲルハルディ家に治めて欲しがってるということですか」
「ま、本人と直に話し合うのが一番じゃろ。ゲルハルディ家が治めるならクラウスよりもマックスの方が関わりが深くなるじゃろうしの」
爺様の言い分も尤もか。バルディ領の一件で、俺が家督を継ぐのはほぼ確定になってるし、父上は爺様みたいに隠居するだろうからな。
まあ、もともと父上は対外交渉よりも討伐の方が得意だし、爺様と同じように各領の見回りをすることになるだろう。
……え? 父上がメーリング領の領主を引き継げば? 無理無理。母上がゲルハルディ領を離れたら領政が回らなくなるし、父上だけじゃメーリング領を治められない。
バルディ領のように領政を学んだ人間を代理として立てて、後々は俺とレナの子供、あるいは本人のやる気があればアンナ(上の妹)かカリン(下の妹)に治めさせるのが理想だろう。
「その推薦を受けているという騎士は?」
「ライナー・フォン・バル。メーリング領の騎士団の副団長じゃな」
ん? 騎士団の副団長で、ファミリーネームがバル? なんか聞き覚えがあるような。
…………っ!? あれかっ!? レナ、アイリーンに続く、サブヒロインのファミリーネームが確か……バル。
3人目のサブヒロインのクリスタ・フォン・バルの関係者か!?
「副団長……人望があると言うから、てっきり団長かと思っていました」
「団長はの、もう年じゃし、脳筋じゃから領主は無理と意見が一致したらしいの」
「副団長……バル卿はそうではないと?」
「本人のやる気はさておき、メーリング領の騎士の中では有望じゃの。実際、ワシたちを呼びに来たのも副団長が指揮しておったしの」
なるほど。部下からも慕われ、中・長期的な視点があり、ある程度の自己判断もできる……確かに領主に推したくはなるな。
とはいえ、領主というのは資質よりも本人のやる気の方が重要で、どれだけ有能でも領民のことを考えられなければ務まらない。
結局は本人に会ってみて、どう考えているのかを聞かないとな。
「はあ、では本人に会ってみますか。……バル卿は騎士団の方に?」
「領主館の方に詰めておると思うよ。領主が居なくなったとて、やることまでなくなるわけじゃなし、四苦八苦しつつ領政を行っておるじゃろうよ」
「なるほど。では、領主館の方に赴きますか」
「うむ、港の方には部下を置いておけば大丈夫じゃろ」
「流石にソウタ殿のように外国の勢力が来ることはないでしょうしね」
「うむ」
ま、万が一にも船が来た場合には領主館の方に一報をくれるようにと言付けて、俺たちは護衛を伴って領主館に行くことにした。
はあ、辺境伯になることも不安だが、メーリング領に関しても色々やらなければならないとか、面倒で仕方がないなぁ。
ゴールディ国の特使は交易を済ませ全員帰ってしまったので、俺はかねてから懸念だったことを爺様に聞く。
爺様が言うにはメーリング領の領主は南大陸からの侵略者がやってきた時点で王都へと逃げてしまい、現在この領には責任者がいない状態らしい。
「騎士爵持ちが何人かいるからのう。そいつらに任せるべきなんじゃが、陛下は嫌がりそうじゃのう」
「元々の領主が戻ってくる可能性は?」
「ないのう。いや、本人は戻ってくるじゃろうが、陛下が許さんよ。貴族は税を集めるものにあらず、国民を守る者。これがヴァイセンベルク王国の理念じゃからの」
まあ、そうなんだよね。貴族っていうと特権階級で、贅沢をしてるだけの人間って思われがちだが、権利には義務がつきものだ。
ヴァイセンベルク王国では領民、領土を守れない人間は貴族失格というのは、貴族学園で一番初めに教わる項目らしいしな。
「メーリング領に残っている人間の意見はどうなっています?」
「ふむ、ゲルハルディ領の庇護を求めるのが半分、とある騎士に治めてほしいのが半分というとこかの」
「へー、人望がある騎士がいるんですね……ちなみに、本人は?」
「拒否しておるの。剣も握れぬ領地貴族にはなりたくないと」
ちなみに、騎士爵は領地を持たない貴族の最下位だが、領地貴族としての教育を受けなければなれない。
そのため貴族学園では領地貴族の跡取りと騎士希望が、領地騎士科に通うんだが……たまにいるんだよな、領地貴族にはなりたくない騎士ってのが。
剣を振るのが性に合ってるって言い分が多いが、本音としては書類仕事が苦手だったり大局的な考えが持てないんだろうな。
「別に領主になっても爺様や父上のように剣を振ってる貴族も多いですけどね。でも、本人はゲルハルディ家に治めて欲しがってるということですか」
「ま、本人と直に話し合うのが一番じゃろ。ゲルハルディ家が治めるならクラウスよりもマックスの方が関わりが深くなるじゃろうしの」
爺様の言い分も尤もか。バルディ領の一件で、俺が家督を継ぐのはほぼ確定になってるし、父上は爺様みたいに隠居するだろうからな。
まあ、もともと父上は対外交渉よりも討伐の方が得意だし、爺様と同じように各領の見回りをすることになるだろう。
……え? 父上がメーリング領の領主を引き継げば? 無理無理。母上がゲルハルディ領を離れたら領政が回らなくなるし、父上だけじゃメーリング領を治められない。
バルディ領のように領政を学んだ人間を代理として立てて、後々は俺とレナの子供、あるいは本人のやる気があればアンナ(上の妹)かカリン(下の妹)に治めさせるのが理想だろう。
「その推薦を受けているという騎士は?」
「ライナー・フォン・バル。メーリング領の騎士団の副団長じゃな」
ん? 騎士団の副団長で、ファミリーネームがバル? なんか聞き覚えがあるような。
…………っ!? あれかっ!? レナ、アイリーンに続く、サブヒロインのファミリーネームが確か……バル。
3人目のサブヒロインのクリスタ・フォン・バルの関係者か!?
「副団長……人望があると言うから、てっきり団長かと思っていました」
「団長はの、もう年じゃし、脳筋じゃから領主は無理と意見が一致したらしいの」
「副団長……バル卿はそうではないと?」
「本人のやる気はさておき、メーリング領の騎士の中では有望じゃの。実際、ワシたちを呼びに来たのも副団長が指揮しておったしの」
なるほど。部下からも慕われ、中・長期的な視点があり、ある程度の自己判断もできる……確かに領主に推したくはなるな。
とはいえ、領主というのは資質よりも本人のやる気の方が重要で、どれだけ有能でも領民のことを考えられなければ務まらない。
結局は本人に会ってみて、どう考えているのかを聞かないとな。
「はあ、では本人に会ってみますか。……バル卿は騎士団の方に?」
「領主館の方に詰めておると思うよ。領主が居なくなったとて、やることまでなくなるわけじゃなし、四苦八苦しつつ領政を行っておるじゃろうよ」
「なるほど。では、領主館の方に赴きますか」
「うむ、港の方には部下を置いておけば大丈夫じゃろ」
「流石にソウタ殿のように外国の勢力が来ることはないでしょうしね」
「うむ」
ま、万が一にも船が来た場合には領主館の方に一報をくれるようにと言付けて、俺たちは護衛を伴って領主館に行くことにした。
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