101 / 140
閑話
101 アイリーンとの話し合い
しおりを挟む
「なんで、新しい交易品を王都で売ったらあかんの!?」
「だから言ってるだろ? 米も醤油も味噌も在庫を用意できてるわけじゃない!」
「それは分かってるけど、先に味を知っておいてもらわんと作る方も気合入らんやんか!」
「そもそも! 主食がパンの人間がそこまでゴールディ国の食品に興味を持つわけがない!」
「せやけど、ゲルハルディ家では好評やんか!?」
「ゲルハルディ家は新しいものに対して貪欲なだけだ! その家族にしたって、毎日ゴールディ国の食品になったら嫌がるだろうさ」
「うっ」
レナとの仮婚姻式を終えた俺が真っ先にやっていることは、アイリーンとの口論というか、商品に対しての議論だった。
どうしてこうなった?……と言いたいところだが、正直この展開は予想で来ていた。
フィッシャー商会としては王都に卸せる新商品は喉から手が出るほど欲しいし、ゴールディ国から輸入品が購入できたのなら王都に卸したいと考えるのは普通だ。
だが、パンが主食になってるこの国の人間が目新しいとはいえ、米食に傾倒するかと言われたら疑問だし、そもそも調理法を知ってる人間が少ない。
米を炊けるのはゴールディ国との折衝にあたったウチの料理人と、アンドレ商会の料理人、それに俺くらいだ。
まあ、そんな事情がなくても補充が出来ない米や調味料を王都にあげる気なんてさらさらないのだが。
ゴールディ国から購入した米は半分以上は試験栽培のためにカレンベルク領に置いてきたし、俺の手元にすら潤沢に残っているというわけでもないからな。
「食品に関してはゲルハルディ家で使い、その後に領内の街、傘下の領、王都、そのほかの地域の順に広めていくからな」
「それがええのは分かってるけど、話題性が……」
「その代わり、フィッシャー商会にはゴールディ国から購入した布や小物を一任するから、それをアイリーンの功績にしろ」
「……うちが功績を欲しがってるの知ってたん?」
「領主一族との繋がりを得たのに、交易品に手を出せなければ商会内でいろいろ言われるくらいのことは想像がつく。アイリーンの立場を悪くするのは本意じゃないし、布や小物はゲルハルディ領より王都の方が売りやすいからな」
レナとの結婚前後にいろいろと話し合った結果、結局アイリーンを第二夫人にするということも決定し、呼び方もフィッシャー嬢からアイリーンへと変更した。
正直、嫌がっていたのは俺だけだし、俺にしても別にアイリーンが嫌いというわけではなく、前世の常識を引きずってのなんとなくの嫌悪感だったから諦めた。
レナや母上には、伯爵夫人としての執務をこなしながら俺のしりぬぐいをするのは難しいと、ゴールディ国との交易を絡めてこんこんと説教されてしまったからな。
しかも、陛下から王都への召喚状も貰ってしまい、私信では辺境伯になるから準備をしておくようにとも言われ、第二夫人は受け入れられないなんて言ってる状況じゃなくなってしまった。
「べ、別にそんなんされても嬉しないし」
「あと、陛下からの注文もあったから、それもフィッシャー商会に頼む。陛下からはウイスキーボンボンと王領産のワインのボンボン……あ、こっちはアンドレ商会で製法は確立してる奴だな。あとは宰相閣下からコーヒーのボンボンだな」
「……それって、マックスが王都に行くまでにってこと?」
「俺が王都に着くまでに向こうに届くならその後でもいいぞ?」
「そんなん無理ってわかってるやん」
「ま、フィッシャー商会全体を動かせばできないことでもないだろ。……あとは、ゴールディ国産の布や小物のサンプルを用意してくれれば陛下にも見せておくぞ?」
「さらに仕事追加!? って、国王陛下相手にそんな簡単に商品見せられるん?」
「叙爵のあとにウイスキーボンボンを渡す場が作られるだろうし、その時にでも見せるよ。陛下は布とかには興味ないだろうけど、王妃殿下への贈り物にはしたいだろうし」
父上も母上にプレゼントするためにユリア叔母さんに、ゴールディ国の布を使ったドレスを注文してたし、愛妻家である陛下も同じことをしそうなんだよな。
食品に関しても要請が来そうだけど、そっちは未完成ってことで押し通す予定だし。
「や……やってやるわ!」
「じゃ、ボンボン系は陛下と閣下宛てに20個ずつな。サンプルはそっちの基準に任せるよ」
「やらいでかー!」
なんか、若干壊れたような気もするが気にしないことにするか。
というか、ゲルハルディ家と関わると確定して王家とも関わるから今回の比じゃないほどの仕事量になるだろうし、今回のは良い試金石になりそうだな。
「だから言ってるだろ? 米も醤油も味噌も在庫を用意できてるわけじゃない!」
「それは分かってるけど、先に味を知っておいてもらわんと作る方も気合入らんやんか!」
「そもそも! 主食がパンの人間がそこまでゴールディ国の食品に興味を持つわけがない!」
「せやけど、ゲルハルディ家では好評やんか!?」
「ゲルハルディ家は新しいものに対して貪欲なだけだ! その家族にしたって、毎日ゴールディ国の食品になったら嫌がるだろうさ」
「うっ」
レナとの仮婚姻式を終えた俺が真っ先にやっていることは、アイリーンとの口論というか、商品に対しての議論だった。
どうしてこうなった?……と言いたいところだが、正直この展開は予想で来ていた。
フィッシャー商会としては王都に卸せる新商品は喉から手が出るほど欲しいし、ゴールディ国から輸入品が購入できたのなら王都に卸したいと考えるのは普通だ。
だが、パンが主食になってるこの国の人間が目新しいとはいえ、米食に傾倒するかと言われたら疑問だし、そもそも調理法を知ってる人間が少ない。
米を炊けるのはゴールディ国との折衝にあたったウチの料理人と、アンドレ商会の料理人、それに俺くらいだ。
まあ、そんな事情がなくても補充が出来ない米や調味料を王都にあげる気なんてさらさらないのだが。
ゴールディ国から購入した米は半分以上は試験栽培のためにカレンベルク領に置いてきたし、俺の手元にすら潤沢に残っているというわけでもないからな。
「食品に関してはゲルハルディ家で使い、その後に領内の街、傘下の領、王都、そのほかの地域の順に広めていくからな」
「それがええのは分かってるけど、話題性が……」
「その代わり、フィッシャー商会にはゴールディ国から購入した布や小物を一任するから、それをアイリーンの功績にしろ」
「……うちが功績を欲しがってるの知ってたん?」
「領主一族との繋がりを得たのに、交易品に手を出せなければ商会内でいろいろ言われるくらいのことは想像がつく。アイリーンの立場を悪くするのは本意じゃないし、布や小物はゲルハルディ領より王都の方が売りやすいからな」
レナとの結婚前後にいろいろと話し合った結果、結局アイリーンを第二夫人にするということも決定し、呼び方もフィッシャー嬢からアイリーンへと変更した。
正直、嫌がっていたのは俺だけだし、俺にしても別にアイリーンが嫌いというわけではなく、前世の常識を引きずってのなんとなくの嫌悪感だったから諦めた。
レナや母上には、伯爵夫人としての執務をこなしながら俺のしりぬぐいをするのは難しいと、ゴールディ国との交易を絡めてこんこんと説教されてしまったからな。
しかも、陛下から王都への召喚状も貰ってしまい、私信では辺境伯になるから準備をしておくようにとも言われ、第二夫人は受け入れられないなんて言ってる状況じゃなくなってしまった。
「べ、別にそんなんされても嬉しないし」
「あと、陛下からの注文もあったから、それもフィッシャー商会に頼む。陛下からはウイスキーボンボンと王領産のワインのボンボン……あ、こっちはアンドレ商会で製法は確立してる奴だな。あとは宰相閣下からコーヒーのボンボンだな」
「……それって、マックスが王都に行くまでにってこと?」
「俺が王都に着くまでに向こうに届くならその後でもいいぞ?」
「そんなん無理ってわかってるやん」
「ま、フィッシャー商会全体を動かせばできないことでもないだろ。……あとは、ゴールディ国産の布や小物のサンプルを用意してくれれば陛下にも見せておくぞ?」
「さらに仕事追加!? って、国王陛下相手にそんな簡単に商品見せられるん?」
「叙爵のあとにウイスキーボンボンを渡す場が作られるだろうし、その時にでも見せるよ。陛下は布とかには興味ないだろうけど、王妃殿下への贈り物にはしたいだろうし」
父上も母上にプレゼントするためにユリア叔母さんに、ゴールディ国の布を使ったドレスを注文してたし、愛妻家である陛下も同じことをしそうなんだよな。
食品に関しても要請が来そうだけど、そっちは未完成ってことで押し通す予定だし。
「や……やってやるわ!」
「じゃ、ボンボン系は陛下と閣下宛てに20個ずつな。サンプルはそっちの基準に任せるよ」
「やらいでかー!」
なんか、若干壊れたような気もするが気にしないことにするか。
というか、ゲルハルディ家と関わると確定して王家とも関わるから今回の比じゃないほどの仕事量になるだろうし、今回のは良い試金石になりそうだな。
119
あなたにおすすめの小説
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】魅了の魔法にかけられて全てを失った俺は、最強の魔法剣士になり時を巻き戻す
金峯蓮華
ファンタジー
戦に負け、国が滅び、俺ひとりだけ生き残った。愛する女を失い、俺は死に場所を求め、傭兵となり各地を漂っていた。そんな時、ある男に声をかけられた。
「よぉ、にいちゃん。お前、魅了魔法がかかってるぜ。それも強烈に強いヤツだ。解いてやろうか?」
魅了魔法? なんだそれは?
その男との出会いが俺の人生を変えた。俺は時間をもどし、未来を変える。
R15は死のシーンがあるための保険です。
独自の異世界の物語です。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる