118 / 140
貴族学園
118 王都への旅立ち
しおりを挟む
「では、父上、母上。行ってまいります」
「うむ。貴族学園では一生ものの出会いもある。よく学び、よく遊ぶように」
「クラウス。マックスは既に辺境伯なのですよ。遊びに関してはきちんと注意してください。……マックス、ゲルハルディ領を背負う身なのですから、変な遊びはしないように」
「わかっておりますよ、母上。……レナとクリスタの目があるということもありますが、ゲルハルディ辺境伯として恥になる行為には注意します」
やるべきことをこなしていると、あっという間に貴族学園に入学する年齢になってしまった。
辺境伯会議の招集はあれ以来ないが、北東辺境伯とはウイスキーボンボンの取引、南辺境伯とは香辛料の取引が盛んになっている。
もちろん王都との取引も盛んになっていて、陛下や宰相閣下だけではなく多くの中央貴族との取引によってゲルハルディ領の景気もうなぎのぼりだ。
「レナ、それにクリスタもマックスのことをきちんと見張っておくように」
「はい、お義母様。私は家政科ですので学園内では無理ですが、クリスタがきちんと見張ってくれるでしょう」
「お任せを」
ちなみにクリスタを第三夫人に、という話だが、結局のところ俺が折れる形で決着はついた。
正直な話、今でも前世の常識が身に染みているから、不誠実な感じがして嫌ではあるのだが、この世界では貴族の重婚は良くある話で、それで幸せになる人が増えるのなら良しという感じだからな。
それに貴族学園に入れば主人公やヒロインと嫌でも絡むことになるし、領主・騎士科の中で1人にならないように対策も立てなければならなかったからな。
「マックス様、何かありましたら直ぐにご連絡を」
「わかってるよ、クルト。とはいえ、アイリーンの護衛で3か月に1回は王都に来るんだろう?」
「それでもです。辺境伯であることは言いふらさないと言っていますが、それでも躍進著しいゲルハルディ領の出身なのです。周囲がどのように反応するかは未知数なのですよ」
「わかってる、わかってる。何かあったらすぐに連絡するって。……ま、ヤバい時には陛下も手を貸してくれるらしいから、大丈夫だって」
陛下からは内々の話で、無能な貴族をあぶりだすためにも俺とレナに辺境伯、辺境伯夫人であることを言いふらさないようにと指示が来ている。
既に貴族名鑑には俺とレナが辺境伯夫妻であることは明記されているが、貴族名鑑を確認しない貴族もいるということでそのあぶり出しだろう。
代わりと言っては何だが、俺やレナが危なくなった場合には、陛下が手を貸してくれることになっているので、こちらとしてもメリットのある話だ。
というのも、ゲーム内のヒロインの中には辺境伯の俺でさえ蔑ろにはできない身分の人間も含まれるので、自分だけで対処するのは難しいと思っていたからな。
「では、そろそろ出ますね。父上と母上はアンナとカリンのことをよろしくお願いします。アイリーンとクルトは3か月後に」
この世界では旅の難易度が前世の比じゃないから、別れ際は話が長くなってしまうが、さすがにそろそろ出発しないと旅程に問題が出るからな。
俺や騎士団の連中だけならともかく、レナとクリスタがいる以上、野宿を続けるのも辛いものがあるから、ある程度の旅程は決まってしまっているんだ。
「マックス様、王都に着く前に気を付けなければならない人物などを教えてください」
馬車に乗り込んでほどなくしてレナが話しかけてきた。
護衛の騎士たちは馬車の外で警護しているから、馬車内には俺とレナ、それにクリスタしか乗っていない。
「まずはミネッティ伯爵令嬢だな」
「マックス様に無礼を働いた女ですね」
「無礼……ですか?」
「大したことじゃない。陛下からの提案で王家派の人間を国王派に取り込むために、俺とミネッティ伯爵令嬢との婚約を結ぼうとしたことがあるんだ」
「それを身勝手にも潰したの女ですよ」
あの時は俺もそうだが、ミネッティ伯爵令嬢も5歳だったから身勝手な行動をとっても年相応って感じだが、未だにレナは怒り心頭のようだな。
「ま、そんな風にこっちを敵視しているというか、蔑んでいるから注意が必要だな。……あとは、その従者か」
「従者……ですか?」
「ああ、ミネッティ伯爵令嬢が俺との婚約の顔合わせに連れてきていた少年だな。見た感じは同年代だったから、貴族学園にも連れてくるかもしれない」
貴族学園は側仕えを連れることが許されていて、俺やレナ、クリスタもそれぞれ同性の従者を連れていくことになっている。
ちなみに俺の従者はクルトじゃなくて、ヨーゼフの後釜になるはずの執事見習いだ。
次期当主ならば護衛を連れていくべき、という声もあったが、王都では多数の貴族と関わるから執事を連れて行かないわけにもいかなかったんだよな。
「うむ。貴族学園では一生ものの出会いもある。よく学び、よく遊ぶように」
「クラウス。マックスは既に辺境伯なのですよ。遊びに関してはきちんと注意してください。……マックス、ゲルハルディ領を背負う身なのですから、変な遊びはしないように」
「わかっておりますよ、母上。……レナとクリスタの目があるということもありますが、ゲルハルディ辺境伯として恥になる行為には注意します」
やるべきことをこなしていると、あっという間に貴族学園に入学する年齢になってしまった。
辺境伯会議の招集はあれ以来ないが、北東辺境伯とはウイスキーボンボンの取引、南辺境伯とは香辛料の取引が盛んになっている。
もちろん王都との取引も盛んになっていて、陛下や宰相閣下だけではなく多くの中央貴族との取引によってゲルハルディ領の景気もうなぎのぼりだ。
「レナ、それにクリスタもマックスのことをきちんと見張っておくように」
「はい、お義母様。私は家政科ですので学園内では無理ですが、クリスタがきちんと見張ってくれるでしょう」
「お任せを」
ちなみにクリスタを第三夫人に、という話だが、結局のところ俺が折れる形で決着はついた。
正直な話、今でも前世の常識が身に染みているから、不誠実な感じがして嫌ではあるのだが、この世界では貴族の重婚は良くある話で、それで幸せになる人が増えるのなら良しという感じだからな。
それに貴族学園に入れば主人公やヒロインと嫌でも絡むことになるし、領主・騎士科の中で1人にならないように対策も立てなければならなかったからな。
「マックス様、何かありましたら直ぐにご連絡を」
「わかってるよ、クルト。とはいえ、アイリーンの護衛で3か月に1回は王都に来るんだろう?」
「それでもです。辺境伯であることは言いふらさないと言っていますが、それでも躍進著しいゲルハルディ領の出身なのです。周囲がどのように反応するかは未知数なのですよ」
「わかってる、わかってる。何かあったらすぐに連絡するって。……ま、ヤバい時には陛下も手を貸してくれるらしいから、大丈夫だって」
陛下からは内々の話で、無能な貴族をあぶりだすためにも俺とレナに辺境伯、辺境伯夫人であることを言いふらさないようにと指示が来ている。
既に貴族名鑑には俺とレナが辺境伯夫妻であることは明記されているが、貴族名鑑を確認しない貴族もいるということでそのあぶり出しだろう。
代わりと言っては何だが、俺やレナが危なくなった場合には、陛下が手を貸してくれることになっているので、こちらとしてもメリットのある話だ。
というのも、ゲーム内のヒロインの中には辺境伯の俺でさえ蔑ろにはできない身分の人間も含まれるので、自分だけで対処するのは難しいと思っていたからな。
「では、そろそろ出ますね。父上と母上はアンナとカリンのことをよろしくお願いします。アイリーンとクルトは3か月後に」
この世界では旅の難易度が前世の比じゃないから、別れ際は話が長くなってしまうが、さすがにそろそろ出発しないと旅程に問題が出るからな。
俺や騎士団の連中だけならともかく、レナとクリスタがいる以上、野宿を続けるのも辛いものがあるから、ある程度の旅程は決まってしまっているんだ。
「マックス様、王都に着く前に気を付けなければならない人物などを教えてください」
馬車に乗り込んでほどなくしてレナが話しかけてきた。
護衛の騎士たちは馬車の外で警護しているから、馬車内には俺とレナ、それにクリスタしか乗っていない。
「まずはミネッティ伯爵令嬢だな」
「マックス様に無礼を働いた女ですね」
「無礼……ですか?」
「大したことじゃない。陛下からの提案で王家派の人間を国王派に取り込むために、俺とミネッティ伯爵令嬢との婚約を結ぼうとしたことがあるんだ」
「それを身勝手にも潰したの女ですよ」
あの時は俺もそうだが、ミネッティ伯爵令嬢も5歳だったから身勝手な行動をとっても年相応って感じだが、未だにレナは怒り心頭のようだな。
「ま、そんな風にこっちを敵視しているというか、蔑んでいるから注意が必要だな。……あとは、その従者か」
「従者……ですか?」
「ああ、ミネッティ伯爵令嬢が俺との婚約の顔合わせに連れてきていた少年だな。見た感じは同年代だったから、貴族学園にも連れてくるかもしれない」
貴族学園は側仕えを連れることが許されていて、俺やレナ、クリスタもそれぞれ同性の従者を連れていくことになっている。
ちなみに俺の従者はクルトじゃなくて、ヨーゼフの後釜になるはずの執事見習いだ。
次期当主ならば護衛を連れていくべき、という声もあったが、王都では多数の貴族と関わるから執事を連れて行かないわけにもいかなかったんだよな。
102
あなたにおすすめの小説
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】魅了の魔法にかけられて全てを失った俺は、最強の魔法剣士になり時を巻き戻す
金峯蓮華
ファンタジー
戦に負け、国が滅び、俺ひとりだけ生き残った。愛する女を失い、俺は死に場所を求め、傭兵となり各地を漂っていた。そんな時、ある男に声をかけられた。
「よぉ、にいちゃん。お前、魅了魔法がかかってるぜ。それも強烈に強いヤツだ。解いてやろうか?」
魅了魔法? なんだそれは?
その男との出会いが俺の人生を変えた。俺は時間をもどし、未来を変える。
R15は死のシーンがあるための保険です。
独自の異世界の物語です。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる