122 / 140
貴族学園
122 休日のお茶会
しおりを挟む
「学園が始まりましたが、どうですか?」
今日は休日ということで、レナとクリスタ、それにローズマリー嬢と寮の談話室でお茶会を行っている。
基本的に男女それぞれの寮は異性の入室は禁止されているが、婚約者同士の交流のためなら談話室が解放される。
談話室は半個室となっていて、扉こそないものの壁はしっかりしているという感じだ。
「そうだな。授業はほとんど領で学んできたことの復習といった感じだな。レナの方は?」
「こちらもお義母様に習ったことの復習が主ですね」
「だろうな」
ゲームのメイン舞台である学園内では何が起こるかわからないから、領ではかなり過酷なメニューにしていたから少なくとも1年次に苦労することはないだろう。
学科に関しては領主・騎士科も家政科も内容は完璧にしてあるし、実技の剣術の授業に関しても同級生……特に中央出身者には負ける気がしないレベルにはなっている。
問題は戦術や交渉なんかの対人が必要な授業だな。
戦術は副団長と、交渉は母上と訓練したが、この辺は人によって重要とすることが変わってくるから、実際にどうなるのかわからないんだよなぁ。
「私は不満です」
と思っていたら、クリスタから声が上がった。
「クリスタはマックス様と同じ授業ですよね?」
「学科の授業は問題ありませんが、問題は実技の方です」
「そりゃ、騎士の娘のクリスタからしたら中央の剣術は拙く見えるだろうが……」
「そちらではありません。魔術の授業です」
領主・騎士科では剣術だけでなく魔術も習うのだが、ソレに関しての不満か。
とはいえ、クリスタは回復系統の魔法しか使えないので魔術の授業は受けていないんだがな。
「魔術の授業を受けられなかったのが不満なのか?」
「マックス様が魔術の授業を拒否されたのが不満なのです」
おっと、俺のことか。
クリスタは魔術の授業を受けられていないが、かくいう俺も魔術の授業に関しては受講を拒否されている。
まあこれはゲーム内でもそうだったが、貴族学園の魔術の授業は戦術に組み込むレベルの大規模魔術を教える授業なので全属性の俺はお呼びでないというわけだ。
「全属性の俺は単体の魔術しか使えないし、教師陣が見捨てても仕方がないだろう?」
「他の学生がバカにしていたのが許せないのですよ!」
あ~、貴族の中には魔術の実力こそが正義みたいな連中がいて、そういった連中は属性が多い人間や魔術が上手く使えない人間をバカにしている。
ま、ゲルハルディ領ではそういうことはないんだがな。
そもそも個人の突出した能力じゃなくて、集団で攻めることを主眼に置いてるし、魔術が使えなくても連携して剣が振れる方が重要とされている。
「まあ、いいだろ。魔術に関しては領で修行してたし、魔術を使えない人間をバカにしてるような連中をゲルハルディ領に招くことはないからな」
「そうですね。お義父様もお義爺様も魔術はあまり使いませんものね」
「それはそうですけど」
「ま、魔術の授業に関しては自由に使える時間が増えたと思っておくのが良いな。書物に関してはゲルハルディ領にないものが多いし、図書室での自習も大事だ」
教師の水準は母上や騎士団の上位者とさして変わらないが、書物に関してはゲルハルディ領は大差で負けている。
クリエイティブ系の職業が中央に偏っていて、危険を冒してまで書物を辺境に運ぼうとする商人が少ないことが原因だな。
フィッシャー商会なんかの中央に伝手のある商会が頑張ってくれてはいるんだが、この辺は将来の課題でもあるな。
「はぁ、辺境は大変ですのね」
おっと、ローズマリー嬢のことを忘れてた。
「ローズマリー嬢が嫁ぐ北東辺境伯では、また違うと思うけどな。あそこは山岳地帯だから個人の能力も必要になるし」
「でも、私はレナに教わるばかりで……」
「俺もレナも幼少期から普通の貴族以上に勉学に励んでいたから仕方がないだろう。ローズマリー嬢はローズマリー嬢で、何がしたいのかを考えて学園を過ごすのが良いんじゃないか?」
俺たちはゲルハルディを含む辺境の暮らしが良くなるように、ずっと過ごしていたが、ローズマリー嬢は急に辺境に嫁ぐことになったからな。
自分に何が足りなくて、自分に何が必要なのかを考える時間も必要だろう。
そんな感じで休日のお茶会はつつがなく過ぎていくのだった。
今日は休日ということで、レナとクリスタ、それにローズマリー嬢と寮の談話室でお茶会を行っている。
基本的に男女それぞれの寮は異性の入室は禁止されているが、婚約者同士の交流のためなら談話室が解放される。
談話室は半個室となっていて、扉こそないものの壁はしっかりしているという感じだ。
「そうだな。授業はほとんど領で学んできたことの復習といった感じだな。レナの方は?」
「こちらもお義母様に習ったことの復習が主ですね」
「だろうな」
ゲームのメイン舞台である学園内では何が起こるかわからないから、領ではかなり過酷なメニューにしていたから少なくとも1年次に苦労することはないだろう。
学科に関しては領主・騎士科も家政科も内容は完璧にしてあるし、実技の剣術の授業に関しても同級生……特に中央出身者には負ける気がしないレベルにはなっている。
問題は戦術や交渉なんかの対人が必要な授業だな。
戦術は副団長と、交渉は母上と訓練したが、この辺は人によって重要とすることが変わってくるから、実際にどうなるのかわからないんだよなぁ。
「私は不満です」
と思っていたら、クリスタから声が上がった。
「クリスタはマックス様と同じ授業ですよね?」
「学科の授業は問題ありませんが、問題は実技の方です」
「そりゃ、騎士の娘のクリスタからしたら中央の剣術は拙く見えるだろうが……」
「そちらではありません。魔術の授業です」
領主・騎士科では剣術だけでなく魔術も習うのだが、ソレに関しての不満か。
とはいえ、クリスタは回復系統の魔法しか使えないので魔術の授業は受けていないんだがな。
「魔術の授業を受けられなかったのが不満なのか?」
「マックス様が魔術の授業を拒否されたのが不満なのです」
おっと、俺のことか。
クリスタは魔術の授業を受けられていないが、かくいう俺も魔術の授業に関しては受講を拒否されている。
まあこれはゲーム内でもそうだったが、貴族学園の魔術の授業は戦術に組み込むレベルの大規模魔術を教える授業なので全属性の俺はお呼びでないというわけだ。
「全属性の俺は単体の魔術しか使えないし、教師陣が見捨てても仕方がないだろう?」
「他の学生がバカにしていたのが許せないのですよ!」
あ~、貴族の中には魔術の実力こそが正義みたいな連中がいて、そういった連中は属性が多い人間や魔術が上手く使えない人間をバカにしている。
ま、ゲルハルディ領ではそういうことはないんだがな。
そもそも個人の突出した能力じゃなくて、集団で攻めることを主眼に置いてるし、魔術が使えなくても連携して剣が振れる方が重要とされている。
「まあ、いいだろ。魔術に関しては領で修行してたし、魔術を使えない人間をバカにしてるような連中をゲルハルディ領に招くことはないからな」
「そうですね。お義父様もお義爺様も魔術はあまり使いませんものね」
「それはそうですけど」
「ま、魔術の授業に関しては自由に使える時間が増えたと思っておくのが良いな。書物に関してはゲルハルディ領にないものが多いし、図書室での自習も大事だ」
教師の水準は母上や騎士団の上位者とさして変わらないが、書物に関してはゲルハルディ領は大差で負けている。
クリエイティブ系の職業が中央に偏っていて、危険を冒してまで書物を辺境に運ぼうとする商人が少ないことが原因だな。
フィッシャー商会なんかの中央に伝手のある商会が頑張ってくれてはいるんだが、この辺は将来の課題でもあるな。
「はぁ、辺境は大変ですのね」
おっと、ローズマリー嬢のことを忘れてた。
「ローズマリー嬢が嫁ぐ北東辺境伯では、また違うと思うけどな。あそこは山岳地帯だから個人の能力も必要になるし」
「でも、私はレナに教わるばかりで……」
「俺もレナも幼少期から普通の貴族以上に勉学に励んでいたから仕方がないだろう。ローズマリー嬢はローズマリー嬢で、何がしたいのかを考えて学園を過ごすのが良いんじゃないか?」
俺たちはゲルハルディを含む辺境の暮らしが良くなるように、ずっと過ごしていたが、ローズマリー嬢は急に辺境に嫁ぐことになったからな。
自分に何が足りなくて、自分に何が必要なのかを考える時間も必要だろう。
そんな感じで休日のお茶会はつつがなく過ぎていくのだった。
87
あなたにおすすめの小説
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】魅了の魔法にかけられて全てを失った俺は、最強の魔法剣士になり時を巻き戻す
金峯蓮華
ファンタジー
戦に負け、国が滅び、俺ひとりだけ生き残った。愛する女を失い、俺は死に場所を求め、傭兵となり各地を漂っていた。そんな時、ある男に声をかけられた。
「よぉ、にいちゃん。お前、魅了魔法がかかってるぜ。それも強烈に強いヤツだ。解いてやろうか?」
魅了魔法? なんだそれは?
その男との出会いが俺の人生を変えた。俺は時間をもどし、未来を変える。
R15は死のシーンがあるための保険です。
独自の異世界の物語です。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる